■葉底(煎じた後の茶葉)を詳しく見る
葉底から読み取れることがいろいろあります。
1.茶葉の形を見る
葉底から茶葉の産地を見分けることができます。
西双版納の茶山は、瀾滄江(メコン川)を境に江北と江南に分けられます。江北と江南とで茶葉の形にそれぞれに特徴があります。そしてお茶の風味も異なります。
+【西双版納の江北の茶山】
+【西双版納の江南の茶山】
左: 「攸楽山」と「易武山」の若葉
右: 「易武山1950年代」と「易武山2006年」の若葉
「攸楽山」も「易武山」も江北の茶山です。葉底をより分けると、2級くらいの小さな若葉にぽってりとした形の茶葉が見つかります。
江南の茶葉はそれに対して細長い若葉が目立ちます。
左: 「老斑章」と「巴達山」
右: 「老斑章」と「易武山」
「老斑章」も「巴達山」も江南の茶山です。若葉の形は大きさに関わらずほぼ同じような細長いタイプです。
江北の茶山の「易武山」にはこのような細長い茶葉もあれば上の写真のような丸い茶葉もあります。
左: 巴達山野生茶樹の茶葉
右: 巴達山古茶樹の茶葉
野生茶樹と古茶樹は異なります。野生茶樹は人がまったく管理しない状態の原始林に自生しているものです。茶摘みがほとんどされたことのないものです。新芽が出るのは1年で春の4月中旬頃だけです。樹齢1000年を超え、高さ10メートルを超える木もたくさんあります。茶樹の原種とされていますが、お茶としての美味しさは優れません。製品に野生茶と謳う製品が増えていますが、厳密にはそれは野生茶ではありません。
古茶樹は山岳少数民族が茶樹を管理し、春と秋に決まって茶摘みをします。そのためまっすぐに上に伸びるような成長の仕方ではなく、枝は八方に歪曲させられます。高さは1メートル~6メートルくらいを保つように剪定や切り戻しがされます。お茶の樹は茶摘みすればするほどまた新しい芽を出すと言われています。人の手が加わって、茶樹の成長に影響を与えながら、より美味しい茶葉が作られています。
中には樹齢1000年にもなる古茶樹があります。1000年もの間、人と茶樹と自然の関係がバランスよく保たれてきたということになります。
左: 巴達山古茶樹切り戻し茶樹の茶葉
右: 巴達山新茶園の茶葉
樹齢200~300年の古茶樹で、もとは5~6メートルほどあったのを切り戻して人の背丈くらいに短く育てられている茶樹があります。これも古茶樹のひとつです。切り戻しされていない背の高い古茶樹にくらべてやや茶葉が小ぶりになります。
新茶園の茶樹は若い苗木から植えて密集させ整列させ人の腰あたりの高さにそろえられた、いわゆる一般的な茶園のイメージの通りのものです。品種は同じですが、茶葉や茎に厚みがなく、全体的な色は淡い黄色がかります。
2.生茶の製茶技術を見る
葉底から製茶の技術の良し悪しを見ることができます。
左:餅茶A 右:餅茶B
同じ茶山の同じ茶葉ですが、葉底は餅茶Aに赤黒く変色したところがあります。餅茶Bは均一にできています。餅茶Aの変色は、茶摘みのときに袋に押し込まれた茶葉が成分変化を起こして熱を持ち、焼けてしまう現象です。茶摘み後の茶葉を風通し良く保って発熱させないようにするのも技術のうちです。
また、茶葉が黄色っぽくなるケースもあります。その原因のひとつは天日干しの段階で雨や曇りのために室内乾燥されて、乾燥が終わるのに2~3日かかるケースです。生茶の持ち味の新鮮な風味をそのままに仕上げるためには、カラッと晴れた太陽の下で1日以内に乾燥しきることが大切です。
左: 班章の餅茶C、班章の餅茶D
右: 班章の餅茶Cの葉底、班章の餅茶Dの葉底
班章と呼ばれる有名茶山の同じ茶葉ですが茶摘みの季節の違いがあります。餅茶Cは雨の季節の茶葉で、新芽が大きく見かけが綺麗です。餅茶Dは早春の季節の茶葉で、新芽が小さく見かけが悪いです。味と香りは餅茶Dのほうがずっと良いのですが、餅茶Dの価格は餅茶Cの3倍になります。
3.生茶の茶葉の等級を見る
葉底の大きさから、茶葉の等級を見ることができます。
左: 3~6級で、大きめの茶葉が多い
右: 3~6級で、小さめの茶葉が多い
この二つは「配方」(ブレンド)された茶葉の餅茶ですが、配合率が異なるので、それが見た目の茶葉の大きさの違いになっています。ただし、近年の製品の場合は、等級付けされる茶葉はすべて新茶園の量産茶葉です。上の写真のような古茶樹の等級分けは現在はされていません。ちなみに、この写真は1980年代初期の名作の茶葉です。
4.生茶の倉庫熟成度を見る
葉底の質から、熟成具合を見ることができます。
左: 重湿倉の葉底(茶葉に水をかけられた倉庫のもの)
右: 乾倉の葉底(常温常湿の倉庫のもの)
メーカーから生茶として出荷されたプーアール茶に、水をかけて再発酵させる手法が、香港の茶商の間で盛んに行われたことがあります。主に飲茶のお茶用に作られた安価な品ですが、高級な餅茶にも一部その試みが確認できます。おそらく熟成年数を偽る目的があったと思われます。茶葉には部分的に黒ずんだ熟茶のようになった部分が見つかります。
常温常湿の倉庫で水がかけられずにじっくりと熟成されたものは、茶葉の色は均等です。
左: 1980年頃 比較的乾燥した倉庫
右: 1980年頃 比較的湿度のある倉庫
水がかけられないでじっくりと熟成された茶葉にも、倉庫の温度と湿度の環境の違いで熟成に差が出ます。この両者はどちらも美味しく仕上がっているのですが、風味の差があります。
5.生茶の年代モノの茶葉
葉底から年代モノの茶葉の特徴が見つけられます。
年代モノの葉底の表面の質感には特徴があります。
写真は「早期紅印春尖散茶1950年代」です。易武山の古茶樹の春の旬の新芽と若葉の一級~二級のみで作られています。若葉は小さいながらも厚みがあります。表面に小さなイボイボのようなのが浮かんでいるのは、長期熟成中に金花などお茶を美味しくする菌類の活動がわずかながらにあった跡です。
6.熟茶の葉底を見る
熟茶の葉底には特徴があります。
左: 煎じる前の茶葉
右: 煎じた後の葉底
熟茶の茶葉は成分が変化してもろくなっているので、煎じる前には形を留めていても、煎じると崩れる場合があります。また渥堆発酵のときに茶葉が大きなままだと発酵ムラができるため、あらかじめ裁断した茶葉が使用されることがあります。そのため葉底に茶葉の形をとどめていないものが多くなります。逆に、葉底の茶葉がしっかりと形をどどめていて、しかもそれが古茶樹の特徴があると、その熟茶は高級品です。
7.熟茶の渥堆発酵度を見る
熟茶の葉底から熟成具合を見ることができます。
渥堆発酵の途中の茶葉です。
古茶樹の大きな茶葉をそのまま裁断せずに渥堆発酵させた実験的な試みの茶葉です。発酵ムラがあるので、緑色をした茶葉もあれば、赤黒く変色した茶葉もあります。
左: 渥堆熟成度の違い
右: 倉庫熟成度の違い
熟茶の茶葉は、メーカーでの渥堆発酵と、茶商での倉庫熟成とで、茶葉の熟成度が異なります。
左: 1973年ごろ製造
右: 1990年ごろ製造
さらに保存年数も熟成度に関係します。約30年経過している左の茶葉の葉底は全体的に黒く、枯れたような質感となっています。約20年程度の右の茶葉の葉底には、明るい色が残っており、質感は柔軟で潤いがあります。
■圧延された茶葉の形や表情から読み取る
圧延された固形茶の年代モノは、一枚一枚の厚みが異なってきます。
左: 「厚紙8582七子餅茶プーアル茶」1985年
右: 「大益茶磚96年プーアル茶」1996年
大き目の茶葉で作られた餅茶や磚茶にこの現象が確認できます。保存熟成期間に、茶葉が空気中の水分を吸い込んだり吐き出したりを繰り返し、徐々に茶葉と茶葉の隙間が開いてゆきます。一枚一枚の少しの差が長い年月で大きな差となって現れます。
この差が目に見えるほどある餅茶や磚茶は、常温であったとしても、比較的湿度のある保存環境だとわかります。
左: 「下関茶磚80年代」 厚さ 2.7cm
右: 「義安棗香73特厚磚茶」 厚さ 4.2cm
同じ重量の茶葉を圧延して作られても厚みが異なります。これは茶葉の大きさが原因です。小さな茶葉が多く使われている品は、隙間なく固まりやすく、薄くなります。大きな茶葉が多く使われている品は隙間ができやすく、厚くなります。
等級の異なる茶葉を、表、裏とに配置する「配方」の技術
この例は、7542七子餅茶です。
原料の茶葉の製茶技術の違い
プーアール茶の原料となる「晒青毛茶」作りに、火入れをする「殺青」や、茶葉を揉んで捩る「揉捻」と呼ぶ工程があります。「晒青毛茶」作りは茶山に住む少数民族の仕事ですが、ここにも近年になっての変化が見られます。
左: 「大益7542七子餅茶06年」2006年
右: 「紫大益7542七子餅茶00年」2000年
どちらもブレンド茶葉でつくられる「7542」と呼ばれる配合です。茶葉の産地や等級はほぼ同じです。
まず、色の違いがあります。6年の保存年数の差もありますが、もっと大きな差を生む原因は手作業による製茶と機械製茶の違いです。手作業による製茶は「殺青」の温度調整が丁寧にでき、しっかりと「揉捻」することができます。火入れ具合が後の熟成を左右し、茶葉の色の変化に関係してきます。機械の場合はとくに「揉捻」を強くすると茶葉がちぎれるため、弱くなります。その結果茶葉のねじれが甘く、平べったい感じになります。
押し型の違い
固形の茶葉を圧延する技術の差が、茶葉の表面に現れます。
メーカーによって、あるいは年代によって押し型が異なります。
左: 「中茶牌鉄餅簡体字版」 下関茶廠製造
右: 「8892後期紅印圓茶」 孟海茶廠製造
中央の窪みの形や大きさがメーカーや年代によって異なります。鑑定の目安のひとつになります。
左: 「下関茶磚80年代」 下関茶廠製造
右: 「義安棗香73特厚磚茶」 景谷茶廠製造
押し型の違いが、固形茶の表面に現れています。左は鉄の押し型で強く固められているので、角がシャープです。右は石の押し型が使われているので、角がやわらかです。
左: 「7542七子餅茶」2006年製造
右: 「7542七子餅茶」1999年製造
保存に7年の格差があります。色が異なるのはもちろんですが、右のほうは茶葉と茶葉の間にすきまが生じてきています。端のほうの茶葉は崩れやすくなっています。年月が経つほどに茶葉は変化して、すきまが広がります。
左はくぼみの底の部分が水平ではなく、斜めに傾いています。
右はくぼみ中央から外に向かって、一筋の溝があります。見た目ではわかりにくいですが、手で触るとはっきりします。このような押し型の特徴も、鑑定のポイントとなります。写真は孟海茶廠の七子餅茶の例です。
■茶葉の二次加工
コピー品をつくる目的でこの技術が使われます。
左: ホンモノの生茶と、二次加工して変色させたもの
右: 二次加工で変色させた茶葉の表面
まだ緑色の残る若い餅茶を蒸して変色させてあります。悪い色ではありませんが、表面の光沢や、茶葉の質感、茶葉の色、それぞれに不自然な点があります。試飲鑑定するのが得策です。
熟茶の二次加工品
新しい熟茶を古く見せかけるようにしてあります。しかし、やはり不自然な点があります。この写真の品は、中国の四川省、成都のお茶市場で見つけたものです。1980年代の「7581文革磚茶」であり、香港の茶商と太いパイプがあるから本物まちがいないとして、高価な価格で勧められましたが、少量のサンプルを購入してよく見ると、包み紙の印刷の文字のデザインや、茶葉の様子がおかしいことに気付きました。
試飲するとすぐにわかりますが、ホンモノの味を知らないとわかりにくい品です。
■銘茶の鑑定
年代モノは高価なため模造品の多いプーアル茶ですが、1950年代~1980年代後半までにつくられた銘柄については、品数が限られているため、文献に写真や文章で記録されているのが多く、それが鑑定の助けとなります。
鑑定が重要視されるのには、理由があります。
例えば、2000年代に作られたものを1970年であるとして紹介されても、経験のない消費者にはわかりにくいことです。中華圏ではたとえ老舗の専門店でも、相手が分からない場合は価値のない品を売ることに躊躇はありません。考古学者が偽モノ骨董品を売るようなことは、あちこちであることなのです。このような騙され方をするようでは、消費者は年代モノのプーアル茶から遠ざかってしまいます。銘柄の鑑定が一般の人にもできるようになることは、消費者だけでなく、メーカーにとっても流通にとっても小売にとっても良いことなのです。
また、有名銘柄には相場があります。何軒かの専門店を見てまわったり、電話で問い合わせれば、大体の相場がつかめます。その銘柄の相場を知ると、むちゃくちゃな値段で買うことにはなりません。逆に、相場よりも安すぎる場合にも、なにか理由があると知ることになります。
結局のところ、鑑定可能な有名銘柄の品を求めるのは賢い買い物になります。日本人からすると理解の難しいところもあるのですが、異国のお茶を飲むついでに、異国の文化にも触れてください。
「茶藝」五行圖書出版有限公司 「8582七子餅茶特集」
鑑定の参考にする文献は、銘柄によって異なります。例えば、1950年~1990年代の七子餅茶については、台湾の出版社の五行圖書出版有限公司の「深遠的七子世界」の調査が優れています。当店では各お茶の紹介ページに、参考文献とその記事のあるページを記載しています。
また、最近ではファンが運営しているインターネット上のサイト(中国語)もチェックします。いずれも間違いもありますので、心配なところは出版社のに問い合わせたり、経験のある茶商や個人収集家にも意見を求めます。
年代モノのプーアル茶の鑑定には、茶葉、圧延の技術、熟成の仕上がり具合、包み紙の質、印刷物の文字のデザイン、紙の具合、扱った茶商や、過去にそれが保存されていた場所、その他あらゆることを手がかりにして総合的に見てゆきます。
最終的に決め手となるのは、試飲による「味覚鑑定」ですが、人間の味覚は、それひとつ試飲しただけでは詳細なことがわからないため、必ず飲み比べをします。そのため、有名銘柄のサンプル茶葉が多いほど、鑑定の精度は上がります。
当店のサンプル茶葉の一部
鑑定に値するプーアル茶は限られています。 1950年頃から1995年頃までは、限られたメーカーしか輸出向けの高級プーアル茶を作っていません。その間は雲南の茶葉は国の専売公社制だったので、メーカーの名前が記されていないものもあります。
■ 孟海茶廠 雲南省西双版納(Xishuangbanna)
■下関茶廠 雲南省下関(Xiaguan)
■ 昆明第一茶廠 雲南省昆明(kunming)
この3つのメーカーは1950年頃から1995年頃までの輸出向けプーアル茶のほとんどを作っていました。例外として、たとえば昆明第一茶廠が景谷茶廠に製造を委託したお茶もあります。
この間は、中国国内に高級プーアル茶はほとんど流通していませんでした。まだ経済発展する前の中国では、高級茶は輸出向けに外貨を獲得する重要な産業品だったのです。
1990年代後半になって、茶葉の取引が自由化され、様々なメーカーが自由にプーアル茶をつくり、販売しています。とくに西双版納孟海県には中小のメーカーが集中しています。
車庫のような倉庫を2つか3つ合わせたような小規模なものから、熟茶の渥堆のための広い設備をいくつもかかえる中規模のメーカーまで、民営の新しい茶廠が乱立しています。自由に作れるがゆえに品質面での新たな問題も出てきており、茶葉の鑑定には新しい見方も必要となっています。
2004年には国営の老舗のメーカーも民営化を果たしました。民営になると自由競争のため、お茶作りの考え方も大きく変わってきています。販路も専門店以外に、デパートやスーパーにまで広がっています。おのずとそうした新しい販路に適した商品が作られるようになります。
左: 「厚紙7532七子餅茶」 孟海茶廠製造
右: 「???」 小さなメーカーのコピー品
右のお茶は、上海のプーアル茶専門店で安く売られていたコピー商品です。包み紙の印刷をコピーするのは簡単です。
民営のメーカーが自由にお茶作りをするようになると、驚くほど多くの種類の品が市場に出てきました。
左: 「後期紅印圓茶90年代」 孟海茶廠製造
右: 「後期藍印圓茶90年代末」 中国茶叶雲南省進出口公司
包装のデザインはまったく同じで、色が違うだけですが、中身はまったく異なります。できることなら茶葉の質を見て、味見をして、納得する価格で買いたいものです。
印刷のズレなどによる判別
この餅茶の外包みの真ん中の文字に、引っ掻いたような版の傷跡があります。
2003年末から2004年末までの孟海茶廠の大益シリーズの七子餅茶の印刷の特徴です。このような印刷の特徴が残っているものも、鑑定には役立ちます。
孟海茶廠の「大益」商標は、1988年に例外的にレンガ型の磚茶のものがありますが、それ以外は、茶葉の取引の自由化がはじまる1994年以降のものです。
大益牌(商標)については、以下のページをご参照ください。
+【大益牌について】
内飛(neife)と内票(neipiao)
これらの印刷デザインからも銘柄や年代の特定ができるため、プーアル茶専門書を参照して、鑑定することができます。
左: 内飛(neife)。茶葉に埋め込まれた5~6cm程の紙
右: 内票(neipiao)。包み紙の中に入っている紙
年代モノのプーアル茶の番付表
台湾の出版社のポスターです。年代の古いもの順に、内飛や内要、包み紙の写真があります。ここに出てくるのは、選ばれた銘茶とされるものです。銘茶は、美味しさだけでなく、原料の茶葉、製法や技術、その当時の歴史的背景、その他様々な観点から選ばれています。プーアル茶を選ぶときには、このような銘茶がつくってきた品質の基準も参考にします。
緑色食品の表示と、賞味期限について
最近になって、中国国内でも食品の品質に対する意識が高まっています。「緑色食品」のマークは国の期間の認めた品質ですが、このマークを入れる条件として、賞味期限の表示も同時に義務付けられています。
10年でも20年でも長期保存が可能で、熟成した味わいを楽しめるプーアル茶ですが、写真のように保質期:36ヶ月と表示されています。 これは一般的な食品の保存時間の最長3年(36ヶ月)の表記が適用されているのだと思います。
昔ながらの包装やデザインを変更しないために、なかには意図して「緑色食品」を印刷しない品もあります。
■プーアル茶選びの難しさと魅力
「プーアール茶の茶葉の見方」
「プーアール茶の茶葉の見方、上級編」
「プーアール茶を味で選ぶ」
この3ページにわたって、プーアル茶選びの観点のほんの一部を紹介していますが、実際のところ、これを読んだり、専門誌を読んだり、本場の香港や広州に行ったり、または雲南省の茶農家にまで行ったところで、本当に良いプーアル茶に出会うのはそうカンタンではありません。それほど玉石混合なのです。
1990年代後半から、中国大陸にもプーアル茶が大量に流通するようになり、メーカーが乱立し、小売店が乱立し、いまやどこの中国茶の市場にもお店にもプーアル茶が山積みされています。それにもかかわらず、本当に良いプーアル茶にカンタンに出会うことができないのは、本当に良い茶葉は少量しかできないこと。あるいは特殊な流通経路や、中華圏の商習慣などに原因があります。
プーアル茶選びを趣味にすると、こうした異国の習慣や文化と対面することになります。それも時代と共に変化してゆくのですが、そんな背景を知ってゆくこともまたお茶の楽しみとしてはいかがでしょうか。
お客様のご質問
■特定の銘柄のお茶を探せますか?
ご質問:
特定の銘柄のプーアル茶の餅茶を探していただくことはできますでしょうか?製造年数もできれば指定したいのですが・・・
回答:
可能です。もちろん銘柄によっては、難しいのもあります。また、製造年数もだいたいは判っても、はっきりしないものもあります。 同じ銘柄でも、保存される倉庫によって風味がまったく異なりますので、熟成が弱いめのか、強いめのか、どちらかをご指定いただきましたら、それになるべく近いものを探します。
すでにお手元にあるものと、まったく同じ味のものを見つけることは、まずできないことを、あらかじめご了承ください。
■銘茶が孟海茶廠に多いのはなぜですか?
ご質問:
お試し会員のお茶のメーカーは、孟海茶廠や下関茶廠など、特定のメーカーのものが多いですよね? とくに孟海茶廠は、老舗のメーカーで、いいお茶を作っているということは、お茶の説明文章を読んでわかってきたのですが、最近入手したプーアール茶の専門書にも、やはり孟海茶廠や下関茶廠のものが多く紹介されています。
プーアール茶のメーカーは他にもたくさんあるようなのですが、なぜ銘茶には孟海茶廠や下関茶廠のが多くて、他のメーカーのものが少ないのでしょうか? 技術の格差が大きいとか、ブランド価値があるとか、生産能力とか、理由があるのでしょうか?
回答:
1950年頃から1995年頃まで、雲南の茶葉は専売公社制で、特定の国営企業だけが輸出用のプーアール茶を作っていました。
孟海茶廠 雲南省西双版納(Xishuangbanna)
下関茶廠 雲南省下関(Xiaguan)
昆明第一茶廠 雲南省昆明(kunming)
この3つがほとんどでした。 例外として、たとえば昆明第一茶廠が景谷茶廠に製造を委託して、販売は昆明第一茶廠が行ったような形もあります。 中国国内向けのメーカーは、四川、チベット、青海、新疆向けの品を作っていましたので、海外にはあまり流通していません。
2001年以降くらいから自由化されたので、小さな民営のメーカーでも、自由に作って自由に販売しています。
■半生熟茶はどのような味でしょうか?
ご質問:
半生熟茶とされる、「7581後期文革磚80年代」を飲みました。美味しいプーアル茶でしたが、熟茶の「鳳凰沱茶93年プーアル茶」や「厚紙黄印七子餅茶」と同じような印象で、半生熟茶の味の特徴を見つけることはできませんでした。半生熟茶の味の特徴とは、どんなものなのでしょうか?
回答:
当店では、「熟茶」という言葉は「渥堆」加工されたものであると定義しています。したがって、「7581後期文革磚80年代」も「鳳凰沱茶93年プーアル茶」も「厚紙黄印七子餅茶」もみんな渥堆で作られた「熟茶」です。
「渥堆」(ウォードゥイ)についてはこちら
+「73白紙特厚磚プーアル茶」
熟茶の場合に、「半生熟茶」とするのは、そのメーカーの製品の中では、 「渥堆」の熟成が浅いものです。
一方で、生茶の場合に「半生」とか「2分熟茶」という言い方があります。それは陳年茶葉をつかったもので、「渥堆」加工されていないため、当店では生茶と分類しています。
+【7562磚茶プーアール茶】
■ 包み紙や内飛なども含め、お茶1枚1枚の表情?が異なりますね
ご質問:
今回お送りいただいた厚紙黄印七子餅茶 7枚と、前回の2枚の計9枚を並べて見ますと、包み紙や内飛なども含め、お茶1枚1枚の表情?が異なりますね。

回答:
包み紙のバラつきは単に紙の製造技術や印刷技術の問題です。
また、保存熟成のときの倉庫の位置の違いとか、竹の皮の七枚一組の何枚目であるとか、そんなことによるちょっとの差が、紙にも影響することがあります。
■中国土産畜産進出口公司雲南省茶葉分公司とは?
ご質問:
プーアル餅茶の包装に書いている会社名のようですが、中国土産畜産進出口公司雲南省茶葉分公司ってなにですか?孟海茶廠の作ったお茶のはずですが、この会社名が書かれています。どのような関係なのでしょう?
回答:
1950年~1990年頃まで、雲南の茶葉が専売公社制だった頃の茶葉を輸出できる権利を持っていた国営企業のことです。どこの茶廠でつくられようが、海外への輸出は特定の国営企業が引き受けていました。
2001年以降、自由化されてから後にも、そのデザインを継承している品があります。
台湾の五行図書から出版されている「七子餅辞典」の191ページに、茶葉の輸出をしていた国営企業の年表があります。たとえば「早期藍印鉄餅50年代」の包み紙には、「中国茶行公司雲南省公司」と書かれています。1950年頃はこの会社が当時の輸出業務をしていたのです。
ご質問などお気軽にメール下さい。
+【店長にメール】
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+【プーアール茶の保存方法】
+【5gの茶葉でどのくらい飲めるか?】
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