73白紙特厚磚プーアル茶
qi san hou zhuan cha
73白紙特厚磚プーアル茶
1枚 約230g
製造 : 1973年
茶廠 : 昆明茶廠販売 景谷茶廠製造
茶山 : 景谷茶区
茶樹 : 大葉種 潅木
茶葉 : 5〜10級、
工程 : 半生熟茶
重量 : 230〜250g
倉庫 : 香港乾倉(期間不明)
甘味
渋味
とろみ
酸味
苦味
香り
熟成度
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●●○○○
●○○○○
●○○○○
●●●○○
●●○○○
●●○○○
●○○○○ 熟茶初期の弱め |
「熟茶」として量産された、はじめてのプーアール茶です。
通称「73厚磚茶」の名前の通りに、1973年に作られたもののひとつです。1973年のものには、包装の種類がいくつかありますが、ここで紹介するのは、「73白紙特厚磚」と呼ばれるものです。
73厚磚を作ったのは、「昆明第一茶廠」です。当時雲南の茶葉の取引は、国の管理下にあり、「昆明第一茶廠」は、国営メーカーのひとつでしたが、1995年に解散しております。
「昆明第一茶廠」が解散した後にも、代表的な製品の「73厚磚」や「7581磚茶」は、茶葉の取引が自由化された1990年代後半からの小規模メーカーが複製品を多く作っています。
熟茶の製品の販売がはじまった、1970年初期の頃は、発酵度の弱い「半生熟茶」と呼ばれるものでした。この「73白紙特厚磚」もその一つです。発酵の研究と、熟茶加工技術のすすんだ現在では、もっとしっかりと熟成された熟茶の製品が多くなりました。風味も変わってきています。

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1958年からの大躍進政策や、1970年前後の文化大革命による、農業生産物の効率化や標準化の流れで、安いコストで安定して作れる「熟茶」の製造技術が研究されました。国営メーカーを中心にこの研究がされ、1973年、昆明茶廠は「発酵快速陳化」を可能にする、「渥堆」(ウォードゥイ)技術による製品を出荷しました。はじめての熟茶の量産品となります。

「渥堆」加工は、雲南の茶廠(メーカー)の倉庫で行われます。1メートルほどの高さに積み上げられた茶葉は、ひと山約500キロ。それが20個分あり、全部で10トンの茶葉になります。これにかける水の量、室温、発酵時間、茶葉の等級、などなどが味を左右します。
麹菌は茶廠の倉庫の中に存在し、それが自然に茶葉に付着し、温度と湿度が一定に保たれた環境で活動し、茶葉が発酵します。発酵を始めた茶葉は、熱を持ちます。茶葉の山には布が被せられ、保温されます。
水をかけてから24時間ごとに茶葉を底からひっくり返して、まんべんなく熟成するように管理されます。
この繰り返しをどのくらいの時間続けるのか、茶葉の等級や茎の混ぜ具合、製品が目指す風味によって異なり、茶廠(メーカー)はこの情報を公開していません。
渥堆が終わると、乾燥させて、発酵がうまくゆかなかった茶葉や、太い茎の部分などを取り除き、 蒸して圧延加工した後に、乾燥して出荷されます。
蒸したときの熱と、その後の乾燥によって、麹菌などの菌類はいったん死活します。乾燥した室内に置かれてからも、成分の変化はゆっくりと続き、風味が変化してゆきます。
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解説: 渥堆のときに、太い茎の部分をいっしょに発酵させています。茎の部分は糖分が多く、菌類の活動にかかせない栄養素を持ち、さらに通気をよくするため、わざわざ茎の部分を残して、茶葉といっしょに発酵させるのです。
「渥堆」でのプーアール茶の発酵には、
麹カビ以外にも何種類もの菌のグループが相互に作用して、茶葉が発酵します。
(雲南科技出版社 「雲南普シ耳茶」の一部を参照)
■黒麹カビ(Aspergillus niger)
■青カビ(Penicllium)
■クモノスカビ(Rhizopus)
■灰緑麹菌(Aspergillium gloucus)
■サッカロミケス酵母菌(Saccharomyces)
■土生麹菌(Aspergillium terreus)
■白麹菌(Aspergillium candidus)
■その他雑菌(Bacterium)
これらのカビのグループが相互に作用しだすと、他の悪い雑菌(人間の体に悪い成分をつくる菌)をよせ付けなくなり、茶葉が腐敗することはありません。
この茶葉の故郷の、雲南省西南部の景谷茶区は、北回帰線にまたがる亜熱帯地域にあり、山地、渓谷、丘陵、盆地などが混在する複雑な地形で、「山ごとに四季があり、5kmごとに天気が変わる」という気候です。
水が豊富で。肥えた土壌は深紅色の赤土。大葉種の茶樹の栽培に適しています。
崩したときにこんな葉が出てきました。隣の丸いのは茶果(茶の実)です。
茶葉はいくつかの等級をブレンドしているため、3〜4色が混在しています。
73厚磚茶の「厚」は、このお茶の特徴を現しています。他の磚茶と重量は同じでも、厚みがあります。
大きめの5〜10級茶葉で作られているので、もともとの圧延もゆるいのですが、保存しているうちに、さらに茶葉と茶葉の隙間が大きくなりやすく、長い年月をかけて厚みが増します。とくに湿度と温度の高めの香港や広東の茶商の倉庫に入ったものは、茶葉が水分を含んで膨れるせいか、厚みが増しています。その後、乾燥しても茶葉は元に戻らず、膨れたままになります。
磚茶を崩した断面はスカスカしています。
熟成がすすむにつれこの隙間は広がってゆき、磚茶の厚みが増してゆきます。
この写真は、実はどちらも73厚磚茶(「73白紙特厚磚」)で、しかも73年製のものです。しかし、あきらかに上のほうのが厚みがあるように見えます。茶葉の隙間の膨張が、個々に異なるので、長い年月を経て、眼に見える差となって現れています。
厚みは約3〜5センチメートルで、約2センチもの差があります。また、一枚の中でも、片側は4センチあり、反対側は5センチあるというように厚みに差が出ることもあります。これはもともとの押し型の問題もあるのですが、保存時に積み重ねて不安定なものが、時間をかけて厚みの差を広げていった結果です。
厚みの差は、味の差にもなって現れます。厚みのあるものは甘味が強いと考えられており、煎じる時間が短くてもしっかりした味と色が出ると言われています。
それに対して、茶葉がしっかりと固まって薄いものは味が重く、適度な味と色に煎じる時間は少し長めになります。
厚みのあるものは、棗香(ナツメ)の香りがあり、薄いものは参香(朝鮮人参のこと)の香りがあると言われます。
73厚磚茶に使われる茶葉には、「紅茶」の粉末が少し混ぜられたそうです。表面の色を赤くし、とても綺麗に見え、なおかつおいしく仕上がるということですが、これは建て前で、実は仕事の手を抜き、材料をごまかす目的で安い紅茶の粉末を混ぜたという説もあります。
しかし茶葉を崩したときには、紅茶の茶葉の粉末?と思われるようなものは、ほとんどありませんでした。
湯の色は明るい栗色をしています。
現在の発酵の強い熟茶製品には、赤味の強い色をしたのが多いのですが、1970年代初期の頃の熟茶は、発酵が弱いせいか、赤味がそれほど強くないものが多いのです。
参香(朝鮮人参味)、棗香(ナツメ)と沈香が少し。現在製造されている熟茶特有の「土」っぽい香りがほとんどありません。
熟茶の初期の風味は、どちらかというと、生茶の老茶に似た風味を持つものが多いのですが、それは、熟茶として基準となる風味がまだない頃なので、生茶の老茶に似た風味を職人が目指したのではないかと、推測しています。
「半生熟茶」と呼ばれますが、「渥堆」による発酵が浅い状態のことを言います。
このお茶 「73白紙特厚磚」は、台湾のプーアル茶専門誌の「茶藝普耳壺藝」No.10のP44に写真入で掲載されています。樟香と麝香と薬味のするものは特に価値があるということで、この本には「同興號」に似ていると書かれています。
「同興號」は大葉種の生茶の年代モノです。生茶の老茶に似ていると言われることからも、初期の「73厚磚」は、生茶の年代モノの風味を目指して作られたのかもしれません。
実際に、1950年代までに消滅した私人茶荘の名作である「○○号」と名前のつくお茶にある共通した風味に、この初期の「73厚磚」の風味は似たところがあります。
私人茶荘については、「沈香老散茶50年代」のページをご参照ください。
⇒
【沈香老散茶50年代】
葉底(煎じた後の茶葉)
固形のうちは、しっかりと茶葉の形が見らますが、煎じると、形をとどめているのは少ないです。黒々としているのは、年代モノの熟茶の葉底の特徴です。ところどころに栗色の茶葉や茎の部分が混じります。
出荷された1970年初期の当時は、安さと飲みやすさで、香港の茶楼(茶館)や酒楼(レストラン)などに流通しました。どちらかというと、大衆向けのお茶だったのです。それが「渥堆」による量産の目的でもありました。
この頃、香港ではプーアール茶が流行し、香港の銀行は、倉庫の足りない茶商に、プーアール茶のための倉庫にお金を貸し出したほど、茶商の商売は繁盛していたようです。
当時の出荷量が多かったせいか、現在でも初期の「73厚磚」は、比較的見つけやすい年代モノのお茶のひとつです。しかし、倉庫の保存環境が必ずしも良いところばかりではないようで、カビ臭くなってしまっているものも少なくありません。そのため、紙包みの外から見ても、比較的乾燥したよい環境で保存されたものには、高い価値がついています。
この「73白紙特厚磚」の包装紙は「黄土色唐紙」が使われています。光沢のある紙です。包装紙の字は辰砂色(朱砂色)です。
「73白紙特厚磚」にも、包装の種類がいくつかあります。昔の版は手で彫られ、印刷作業中にカンタンに壊れたので、それが修復されるたびに磚茶の包装紙の印字が微妙に変わっています。上の写真は2つともホンモノの「73厚磚茶73年製」(73白紙特厚磚)ですが、文字の端々の形が微妙に違います。
さらに「73厚磚茶73年製」には包装紙は6種類あります。カーキ色 白色 黄色 ろう面紙 はじめから包装紙なしで乾蔵で保存されたものもあります
同じく初期の「73厚磚」のひとつも紹介しています。
「義安棗香73特厚磚茶プーアル茶」です。
是非ご参照ください。
⇒
「義安棗香73特厚磚茶プーアル茶」
追記:
冷やして 飲んでも、とてもおいしいお茶です。
作り方は簡単。濃いめに煎じたお茶に氷を足します。 冷えると甘味はひかえめになり、上品な香りと酸味がひきたって、爽やかな味となります。この風味は、1970年初期の頃の熟茶に特有の、どちらかというと生茶の老茶に近い印象です。
茶葉の量のめやすは以下をご参照ください。
⇒
【5gの茶葉でどのくらい飲めるか?】
保存方法については、以下のコーナーをご参照ください。
⇒
【プーアール茶の保存方法】
⇒
【店長にメール】
つぎにこのプーアール茶はいかがですか?
⇒
【このプーアル茶の詳細】