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西双版納の茶山について

プーアール茶になる茶葉は、雲南省のいたるところに栽培されていますが、有名な茶山のあるのは、西双版納、無量山地区、臨滄地区、孟庫地区などです。とくに西双版納の茶山には歴史があり、西暦220年頃から山岳少数民族による茶樹の栽培が記録されています。
西双版納 西双版納
茶山といっても、ひとつの山のことをいうのではなく、いくつもの山からなるその地域一帯のことです。
年中の降雨量は約1400ミリメートル。年の平均温度は約18〜20度、年中霧日は約130日の亜熱帯季節風気候ですが、茶山はそれぞれに気候や地質の違いがあり、茶山によって茶葉の風味は大きく異なります。有名茶山の良質の茶葉には独特の風味があるため、高い値がつき、無名茶山の茶葉との価格差は30倍以上にもなります。美味しい茶葉のできる茶山と、美味しい茶葉のできない茶山があるということです。また、茶山の中でも、場所によって茶葉の風味は大きくちがってきます。

■江北と江南の六大茶山
西双版納をタテに、やや北西の方向からやや南東の方向に向かって二分するように流れる瀾滄江(LanCangJiang)を境にして、川の北東側を「江北」の茶山、川の西南側を「江南」の茶山と分けています。そして「江北」と「江南」のそれぞれに六大茶山とする有名な茶葉の産地があります。

メコン川 メコン川
瀾滄江(LanCangJiang)
瀾滄江はメコン川のことです。揚子江、黄河に次ぐアジア第3の大河です。全長は4500キロメートル。チベット高原に源流にして、中国雲南省、ミャンマー、ラオス、タイの国境線を通り、カンボジア、ベトナムに抜け、南シナ海に注ぎます。

■江北(江内)六大茶山
瀾滄江の北東側には、古くからの六大茶山があります。「革登古山」、「莽枝古山」、「蛮磚古山」、「曼撒(易武)古山」、「倚邦古山」、「攸楽古山」です。
現在もっとも価値の高い1950年頃までのヴィンテージプーアール茶の名品は、すべてこの江北の六大茶山の茶葉です。
龍馬商標同慶老圓茶
同興早期圓茶
宋聘圓茶
早期紅印圓茶(紅印)
早期藍印鉄餅(藍印)
紅蓮圓茶(緑印)
同慶号茶荘
同興號茶荘
宋聘号茶荘
孟海茶廠
下関茶廠
孟海茶廠
易武山
倚邦山
易武山
易武山
易武山
易武山

■易武山
易武山または易武正山と呼ばれる茶山は、西双版納のみならずプーアール茶の茶葉の産地としてもっとも有名な茶山です。1950年代までの名品の多くが易武山の茶葉を使っています。
易武山の茶葉には独特の風味があるため、それが高い評価を得ています。
易武山 易武山
易武山の茶園は海抜1700メートル付近にあります。西双版納の周りの山々に比べて傾斜の角度があり、ところどころに岩肌がむき出しになっているような、石灰質の地質です。西双版納の土地は、赤土の粘土質が多いのですが、高山地帯は岩や石が多くあります。
易武山 易武山
易武山 易武山
毎日のように朝方は濃い霧が山を覆います。茶葉の表面には水滴がびっしりとつきます。日が昇ると急に霧が晴れ、青空が広がります。
標高の高いところほど風味のよい茶葉がつくれるため、高い位置の山の斜面は、近年の需要の拡大に応えるように若い茶樹の新茶園になっています。若い茶樹は葉をたくさんつけるため、収穫効率がよいのですが、風味の個性はやや弱くなります。
易武山 易武山
易武山 易武山
易武山 易武山
古樹茶園は、少し山奥に入った自然のままの森林のある生態環境のよい場所にあります。樹齢数百年から千年の大木もあります。ここからラオスの国境までは東へ山続きに30キロメートル。ふだんは人が入らない古樹茶園には、野生の象や水牛が現れることがあります。
易武山 易武山
易武山は、漢民族の移住者とその文化が多く入った明の時代末期の1600年頃から外地との交易が盛んになり、収穫された茶葉は茶農家が緑茶の状態にまで加工し、集積地である普耳(プーアール)県に馬で運び出していました。そのための石畳の道「茶馬古道」が、易武山の一部にわずかながら残っています。
易武山の茶葉の風味の特徴については、当店で販売する各お茶のページにて紹介しています。
易武山の茶葉 易武山の茶葉
易武山の茶農家が緑茶に加工した状態の晒青毛茶です。茶葉の色にやや青みがあります。蘭香、梅香、樟香、沈香など、香りに特徴があります。味は軽快で、やや薄く感じられます。
1950年代の易武山の茶葉を使ったプーアール茶
【沈香老散茶50年代プーアル茶】
【早期紅印春尖散茶プーアル茶】

■江南(江外)六大茶山
瀾滄江の西南側の六大茶山を江南(江外)六大茶山と呼びます。この六大茶山は、「南糯山」、「佛海茶山」(孟海茶山)、「巴達茶山」、「孟宋茶山」、「南(山喬)茶山」、「景邁茶山」の6つですが、もうひとつ、孟海県布朗山郷の「布朗茶山」が有名です。
山岳少数民族が古くからお茶の栽培をしておりますが、江南六大茶山の名前が出てくるプーアール茶は、2000年以降のものに多くあります。それ以前は、孟海茶廠のブレンド茶葉などに使用されています。
江南は土層が厚く、赤土の粘土質が主です。

■南糯山
江南の六大茶山のひとつです。
海抜約1400メートル。
面積約0.8平方キロメートル。(約1200ムー)
南糯山には800年前から茶樹を人工栽培していた記録があります。ここが大葉種の茶樹の人工栽培がされた起源の地であるという説もあります。
ここに住むハニ族がお茶の栽培と製茶に携わっており、メーカーに茶葉を卸しています。
南糯山 南糯山
南糯山 南糯山
南糯山の山々は、比較的なだらかです。土壌がむき出しになったところを見ると、赤土であることがわかります。
南糯山 南糯山
南糯山は、大手メーカーの孟海茶廠や中小メーカーがたくさんある孟海県に近いこともあり、新しい品種の茶樹の栽培にも積極的です。上の2つの写真は潅木の茶樹です。潅木の茶樹は、1970年頃からの熟茶の茶葉に積極的に使われています。また新芽の茶葉が紫色がかった紫娟茶もこの地で産み出されています。
南糯山 南糯山
南糯山 南糯山
南糯山 南糯山
南糯山 南糯山
古樹茶園は、比較的標高の高いところにあります。茶樹の栽培に歴史のあるところで、喬木の大葉種ですが、背が高くなりすぎないように剪定されてきたせいか、枝が低いところから分岐して横に広がっています。樹齢約800年の茶樹の大木もありますが、それも低い位置から枝分かれして、枝を周囲いっぱいに広げています。
南糯山 南糯山
南糯山は木々が大きく育ち、茶園のあちこちにも見上げるような大木があります。中国のお茶屋さんでみかける大きな一枚板の机など、大型家具に使われる木材の産地でもあります。
南糯山晒青毛茶 南糯山晒青毛茶
南糯山の茶農家が緑茶の状態の晒青毛茶です。茶葉の色にやや黄色味があります。新芽の茶葉には橙香があります。しっかりとしたコク味が特徴で、近年の孟海茶廠の定番の「7542」や「8582」などの餅茶の風味と共通しており、これらの定番商品のブレンド茶葉のベースとなっていると思われます。

■その他の江南(江外)の茶山

「布朗古茶山」
海抜約1600〜1800メートル。
面積約1016平方キロメートル。(約150万ムー)
距離孟海県の県城から約90キロメートル 。
布朗古茶山の南西部はミャンマーと接しています。布朗古茶山の茶園は、班章、孟昂に集中してあります。このなかで班章で生産された茶葉が最高品質であるとされています。班章茶園の海抜は約1700メートル。茶樹は班章寨子(「寨子」周りを土塀や柵で囲った集落)と森林に分布しています。
班章の新芽の茶葉には、独特の甘い香りと、ドライな苦味があります。

「孟海茶山」
海抜約1800メートル。
茶園面積は133.3平方キロメートル。(約20万ムー)
孟海は西双版納(Xishuangbanna)地区で、茶園の面識の一番大きいところです。
孟海茶山 孟海茶山
孟海茶山 孟海茶山
国営の研究施設がここに茶園を所有し、新品種の開発や、有機栽培の技術の研究を行っています。

「巴達茶山」
海抜約1500メートル。
面積316.21平方キロメートル。(約47万ムー)
孟海県の県城から約60キロメートル。孟海県の西部に位置します。メコン河で隔てミャンマーと隣接しています。
千年茶樹王
巴達山の小黒山に、野性の茶樹の中で1700年以上の樹齢をほこる「千年茶樹王」があります。

「孟宋古茶山」
海抜約2400メートル
孟宋古茶山茶園面積は約20平方キロメートル(約3万余ムー)
距離孟海県県城約60キロメートルの東部にあります。「孟宋」はタイ語の地名で、「高山間の平坦な空き地」と言う意味です。孟宋古茶山の東は景洪、南は孟海の格朗郷、西は孟海鎮、北は孟阿鎮と境を接しています。
孟宋古茶山の茶園は、南本老寨、曼壘、「土貝」檬と下大安などに集中しており、曼壘の品質が一番とされています。樹齢200年〜400年の古樹は、化学肥料や農薬を使わない有機栽培です。

五大山孔雀餅茶プーアル茶 五大山孔雀餅茶プーアル茶
五大山孔雀餅茶プーアル茶
江南の5つの茶山の茶葉で作られた餅茶です。それぞれに風味の違いを見つけられます。



■西双版納以外の茶山
西双版納以外にも雲南省には有名な茶山があります。

■臨滄地区
臨滄は雲南省の西南部に位置し、西南方向にミャンマーとの国境、東に思茅(普耳)、北に大理、北西に保山と接します。面積は2.4万平方キロメートル。一区七県(臨翔 区、鳳慶県、雲県、雙江県、永徳県、鎮康県、耿馬県、滄源県) があります。総人口は約236万人で、人口の38.6%が少数民族です。徳昂族、ワ族、タイ族、布朗族など26の 少数民族が住んでる多元民族文化地区です。
年平均気温は17.2度、「アジア恒温城」、常に春の暖かさのある地域と言われていますが、西双版納に比べると谷が深く、やや涼しい気候です。
西に怒江(サルウィン川)、東に瀾滄江(メコン川上流)が南に向かって平行して走り、高低差3,000mの大峡谷となっており、生態系の広がりと植物の種類の豊富さは、世界でも屈指です。
臨滄地区の茶園の総面積は、数十万ムー。茶葉の生産量3.5万トン。今日までの発見されている野生古茶樹の群生は40万ムー余り。樹齢が百年以上の栽培型の古樹茶園の面積は10万ムー余り。この地域に、世界最大の栽培性鳳慶香竹青古茶樹があります。

■その他の茶山
現在調査中です。今後の調査の成果は、このページに追加してゆきます。


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