厚紙8582七子餅茶プーアル茶
ba wu ba er pu-er bing cha
厚紙8582七子餅茶プーアル茶 1枚 約310g
製造 : 1985年 (もとの茶葉の製造年は不明)
茶廠 : 雲南孟海茶廠
茶山 : 孟海地区ではあるが、詳細は不明
茶樹 : 大葉種 喬木
茶葉 : 表3〜4級、裏5〜8級
工程 : 生茶
包紙 : 厚綿紙タイプ
倉庫 : 香港乾倉ー台湾常温乾倉
甘味
渋味
とろみ
酸味
苦味
香り
熟成度
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●●●●○ 穀物のような甘味
●○○○○
●●●○○
●●●○○ 大葉種特有の酸味
●●●○○
●●○○○
●●●○○ 倉庫での熟成やや強め |
香港の南天公司によるオーダーメイドのお茶です。
大きめの茶葉が使用された、大葉青餅の代表格です。
まろやかで強い旨味。かすかに爽やかな香り。1970年代の青餅にも匹敵する1980年代の傑作です。
■このお茶の由来
「茶藝プーアール壷藝N0.13」の特集記事「8582特集」を参照しています。
1985年の2月、雲南省の各有名茶廠(孟海茶廠、昆明第一茶廠、下関茶廠などが、倉庫の片隅に放ったらかしにしている堆積茶葉をいっせに整理しました。そのときに孟海茶廠の倉庫の隅に置き去りにされていた散茶が見つかりました。散茶とは、茶葉がまだ成型されていない、バラバラの状態のものです。緑茶と同じように、酸化発酵を止めてありますが、倉庫にそれを寝かして、緩慢な成分の変化でまろやかになってゆきます。これを陳年茶葉と呼びます。陳年茶葉を使って固形茶をつくる手法は、1950年以前の民営の茶荘によるお茶作りが栄えた頃に、すでに取り入れられていた記録があります。また、1950年代の印級のお茶作りにも、陳年茶葉が利用された記録があります。1970年代には、陳年茶葉をブレンドした名作の「7582大葉青餅プーアル茶」が作られています。
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【7582大葉青餅プーアル茶】
さて、1985年の2月に倉庫から出てきたその茶葉は、野生モノと思われる大きな葉なのですが、お茶の葉なのか、それとも他の植物の葉なのか、孟海茶廠では判断がつきませんでした。

そこで孟海茶廠は、緑茶の里、杭州の研究所に鑑定を依頼しました。その結果、いわゆる山茶属(椿属)の茶の樹のもの、つまりお茶の葉であるということがわかったそうです。
香港の貿易商の南天公司が、1985年に雲南孟海茶廠にオーダーし、この陳年茶葉をブレンドした餅茶に成型され、8582の名がつけられました。このとき、
「粗壮」茶葉で餅茶を作りたいと要望したのですが、しかし、茶廠の方は「粗壮」と「粗葉」の意味を間違えたらしく、「粗葉」として8級、9級の粗い茶葉が使用されました。ちなみに
「粗壮」は春摘みの厚みのある茶葉のことです。
それから2年後の1987年に香港へ移され、「南天公司」からこれを仕入れた「林奇苑」などの茶商の倉庫を経て、1993年に台湾の「永泰茶行」にわたり、2001年に別の台湾の茶商の倉庫に入って、2004年の秋に上海に届いています。
南天公司については、「天字沱茶90年代初期」の紹介ページに詳しく書いていますのでそちらをご参照ください。
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【南天公司・天字沱茶90年代初期】
竹の皮の包みがはだけている部分から、一枚一枚の厚みが異なる様子が伺えます。 枯れて柔軟性のない陳年茶葉を餅茶へと成型しているため、1枚1枚の重量はほぼ同じでも、形がいびつだったり、厚みがそれぞれ違ったりしています。新しい茶葉で餅茶を作る場合には、厚みや形は整うので、このようにはなりにくいのです。
ここで気になるのが、散茶として作られたのはいつのことだろう?ということです。餅茶に成型されたのは1985年ですが、すでに散茶の状態で忘れ去られていたわけですから、茶葉の熟成期間としては、もっと古いかもしれません。専門家の間では、旧名7582と同じであるという説があります。そうすると、1975年頃に作られていることになるので、10年以上も前の茶葉であるということになります。
しかし、記録はなく、メーカーでそれを覚えている人もいないので、わからないままになっています。
■このお茶の試飲

濃厚な味と香りです。キリットした酸味もあり、ひきしまった力強さのある風味です。「重」と呼ばれる通好みの味です。プーアール茶を2〜3年飲むと、少し苦味のあるものを好むようになります。それは熟成期間が短いものにある苦味ではなく、熟成期間が長いものにある苦味です。薬用人参味と表現する人もいます。熟成したお茶の苦味は、甘みやコクや酸味をいっそう際立たせ、深みがあります。1950年代の印級の茶葉の風味と似たところもあり、1980年代とは思えないため、この1985年の「8582七子餅茶」には、特別な価値があります。
葉底(茶葉の煎じたあとのもの)です。
茶葉の厚み、弾力、熟成によって変色した赤味のある色、表面のザラザラした質感と、イボイボしたところ。茶葉の品質、熟成具合共に申し分ないと思います。
■このお茶の鑑定
お客様から、「餅の裏に粗いベージュ色の葉はまじっていますか?」とご質問をいただきました。 ベージュ色の茶葉というのは、枯れた色のことで、つまり陳年茶葉が混ざっているかどうかの判別になります。しかし、この写真ではそれに該当する茶葉があるのかないのか、はっきりとしないです。餅茶の茶葉は一枚ごとにムラがありますので、枯れた茶葉が目立つのと目立たないのとあるのかもしれません。また、1985年に作られたものでも、全体的なムラがあるようで、同じ時期の他の8582七子餅茶で、そうした茶葉を見たことがあります。

崩した茶葉からは、なんとなくそれっぽいような枯れた感じの8〜9級に相当する粗い茶葉が出てきました。
8582の初期のものであることを判断するポイントはいくつもありますが、外包みの紙は、手作りの厚綿紙が使われています。この紙は86年〜89年に使われたもので、それを証明しています。また、初期の紙の色は、ちょっと黄色みがあります。台湾の五行圓書出版の「茶藝プーアール壷藝」にて、8582特集の記事があり、その記事の写真の隣に、当店の品を置いてみました。
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内飛(茶葉にうまっている紙)
「孟海茶廠出品」の文字の「出」は上下の「山」が同じ幅のものです。80年代の一般的なデザインです。
同じ経路で入荷した同じ出所の別の七枚組み竹の皮の筒に入った「厚紙8582七子餅茶プーアル茶」です。
これはメーカーから出荷されてから、まだ一度も竹の皮の包みも紙包みも開けられたことが無いものです。年数を経て、いろいろな場所を渡ってきて、当店ではじめて開けました。一度でも包みが開けられたものは買わない方針でいる茶商もいるようですが、その理由は、一度でも空けた跡があるということは、茶葉を差し替えたり、包み紙を差し替えたりした可能性があるからです。商習慣の違いです。
餅茶の厚みは一枚一枚に異なるのがわかります。今回のはやや厚いめのが多いように見えます。 端っこが崩れたものもあります。茶虫が食んだのと、運送中の衝撃で崩れたものです。商品価値を左右するものではありません。第一期の厚紙8582七子餅茶プーアル茶にしては傷みが少ないほうでしょう。しかし、一枚の重量は予想していたよりも少なめでした。
七枚組みの格一枚ごとの重量です。
1枚目 315g
2枚目 315g
3枚目 317g
4枚目 317g
5枚目 294g
6枚目 320g
7枚目 324g
このうちの1枚目と7枚目だけを包み紙を開けて茶葉の様子を見ました。通常、上と下は、外からの衝撃などで形が崩れやすいのと、保存のために置かれた場所によっては、もっとも熟成が進んでいるためです。

第一期の厚紙8582七子餅茶プーアル茶の印のひとつである、粗い色違いの茶葉が、餅茶の裏面に、前回の七枚組みの筒のものよりは少し多く混ざっているのが見えました。

指の先にある太いめの茶葉がそれです。
2枚目〜6枚目は包み紙を開けないで、いちばん傷みがありそうな一番下の7枚目を開けてみました。
裏面には白い部分がところどころにあります。茶虫の繭(マユ)の跡です。茶虫にいては別のページに説明しておりますが、品質を落すものではありません。もちろん茶葉には茶虫は生息しておりません、何年か前に、倉庫にあったときに茶虫が付いて、その繭(マユ)だけが残っているのです。
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【茶虫の食んだ跡のあるお茶】
竹の皮の筒を開けたときに、餅茶の端っこの欠けている部分から、こぼれた茶葉を拾い集めて、煎じてみました。 せいぜい2gほどですが、品質を確かめられます。
濁りのないいい色が出ました。味については、上記に紹介している同じ出所のものとの差はよく判りませんでしたが、あえて言うなら、ややまろやかに感じました。
■新しい8582七子餅茶
8582という製品番号のお茶は、現在にも製造されておりますが、近年のものは、陳年茶葉が使用されていないので、風味はまた異なるものです。茶葉は、新しいものが使用され、陳年茶葉ではありません。
※この文章は、いくつかの参考文献をもとに独自の解釈や構成をしています。無断で転用しないでください。
厚紙8582七子餅茶プーアル茶
茶葉の量のめやすは以下をご参照ください。
⇒
【5gの茶葉でどのくらい飲めるか?】
保存方法については、以下のコーナーをご参照ください。
⇒
【プーアール茶の保存方法】
お客様のご感想
茨城県 U.Kさま
バランスよくて濃いめの味わいに大満足です。
東京都STさま
私の持っている、香港の3つの茶荘の8582第1批と飲み比べてみました。
結論は、決して悪くなかったです。
味のバランスよく、香りも良くです。
M茶荘のよりは香り、味ともに落ちます。
S茶荘のよりは微妙に落ちますが、G茶荘のよりは上でした。
G茶荘のは、倉庫のにおいがかなり濃厚に残っており、もう少し空気にさらしてどうなるかですが。
M茶荘にくらべ、微妙にのどに当たるのが、気にはなります。 ということですが、味、香りは、ほぼ、同等で(同じ系統で)、満足がいくものです。
しかし、若干、気になることがあります。 3茶荘とも、大きなベージュ色(多少濃い、色的にはページにアップされたのと同じ)の葉が、かなり多数、混じっていることです。そのうえ、葉が全体的に大きく、ごわごわの度合い(トカゲの皮みたいな度合い)も大きいです。また、餅の扁平の度合いもはなはだしいです。もっと分厚く、不恰好です。
また、余談ですが、M茶荘の第2批、第3批にも、大きなベージュ色の葉がたくさん混じっています。
東京都MSさま
左がそちらで買った8582。右がよくいくお茶屋さんの8582です。たぶん85年以降とれた茶葉で作ったものか、保存がほとんど乾倉だったためか、あまり熟成がすすんでいないか。どっちかな〜?

店長コメント
左右の茶葉は同じ形ですが、色の違いが見て取れます。
倉庫によって味が異なる事に関しては以下のページを参照ください。
⇒
【茶商の倉庫が味をつくる】
新潟県AKさま
本当にバランスが良くて美味しかったです。
大葉種と聞いていたのでパンチが効いているのだと思って飲んだのですが、びっくりする程甘くて、といっても、少しの苦みや酸味がさっぱりさせてくれるので、切れが良いというのか、後口もとても心地よい感じでした。
私の好きな穀物系の味と、程よい大葉種的な味?がとてもバランス良く感じました。
後口のさっぱり感と香りが私のお気に入りの小黄印圓茶80年代にちょっと似 てるかな?と思ったりしながら飲みました。厚紙8582なら、甘いばかりでなく後口に締まりがあるので、甘いお菓子にも合うかと思うのですが、どうで
しょう?ちなみに私は、煎ごとに変わって行く味を楽しみながら、お茶だけをダ
ラダラ飲みました。
⇒
【店長にメール】
次にこのお茶はいかがですか?

7582大葉青餅プーアル茶
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【このプーアール茶の詳細】