七子小緑印圓茶7542の散茶
xiao liu yin yuang cha 7542 qi zi bing cha
七子小緑印圓茶7542の散茶
製造 : 70年代末期
茶廠 : 雲南孟海茶廠
茶山 : 孟海茶区
茶樹 : 雲南大葉種
茶葉 : 3〜8級
工程 : 生茶
重量 : 散茶のためグラム売り
倉庫 : 香港乾倉
甘味
渋味
とろみ
酸味
苦味
香り
熟成度 |
●●●●● 濃厚に甘い
●●○○○
●●●○○
●●●○○
●●●○○ ほろ苦い
●●●●○ 樟香、蘭香、沈香、棗香
●●●●○ 強いめ |
口に溶けるようにまろやかで、濃厚な甘味と旨味があり、苦味や酸味のバランスよく、芳醇な風味です。口から鼻に抜けてゆく息の中に、かすかに樟香、蘭香、沈香、棗香があり、1950年代の「印級」のお茶にも共通する迫力があります。
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注釈:
2008年1月2日にこの文章を作成しましたが、この品は2007年10月に売り切れました。そのときの名前は「7542七子餅茶70年代散茶」でした。
「七子小緑印圓茶7542の散茶」として、改めて紹介します。
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■このお茶の由来 (7542七子餅茶の生い立ち)
「7542」には、「1975年」の「75」。4級茶葉の「4」。孟生茶商の「2」といった意味があります。
1970年前後は、プーアール茶の歴史が大きく動きました。1960年頃からの「大躍進」政策や、1970年前後の文化大革命の影響で、農産物に効率化が求められました。もちろん、雲南のお茶作りも該当します。当時国営工場であった孟海茶廠(メーカー)はそれに応え、「標準化」したお茶作りの技術を研究します。収穫場所や収穫時期の異なる茶葉を、等級別に分けて、1枚の餅茶(円盤型の固形茶)をつくるときに、再構成してブレンドする、「配方」の技術による餅茶づくりが考案されました。餅茶の表面、裏面、内側に、それぞれ異なる大きさの茶葉を配置します。その結果、風味の異なるお茶が作れる。同じ味が再現できる。餅茶の表面を美しく仕上げられる。長期保存熟成による味の変化を安定させられる。茶葉の不作や豊作の波を調整できる。などの効果が得られることとなり、「標準化」に成功しました。
1970年代中頃から、「標準化」に成功した製品に、7542、7532、7572など「茶号」と呼ばれる四桁の番号がつけられます。
「茶号」のお茶が登場する少し前の1960年〜1970年末頃の餅茶には、実験段階の製品がいくつかあり、それらには「茶号」はついていません。
「緑字黄印七子餅」(緑字七子黄印) 1960〜1970年代末期
「黄字黄印七子餅」(黄字七子黄印) 1960〜1970年代末期
「大藍印七子餅」(七子大藍印) 1970年代中期
「水藍印七子餅茶」(七子水藍印) 1970年代中期
「七子紅帯青餅」 1973年〜1980年代初期
「小緑七子印圓茶」(1970年代中期)
その他いくつかあります。
これらは、「茶号」がなくとも、「配方」の試された様子が、餅面(餅茶の表面の様子)や茶葉から伺えます。しかしそれは曖昧なもので、7542、7532など、どれに該当するかを特定するのは難しいところがあります。
「7542」の前身となったことが、はっきりと茶葉から確認できるのは、「七子小緑印圓茶」(1970年中期〜1980年初期)になります。つまり、1970年代の「7542」は、「七子小緑印圓茶」のことになり、純粋に「7542」と呼べる製品は、1980年初期から存在するということになります。
このことをふまえて、このたび紹介するお茶の名前を、「七子小緑印圓茶7542の散茶」にしました。
「七子小緑印圓茶」1980年代初期
この写真のお茶は、1980年代のものなので、「配方」が研究されはじめてから10年ほど経っています。「7542」の前身であるこの「七子小緑印圓茶」は、茶葉を見たり、試飲したりすることで、「7542」の特徴がはっきりと確認できます。
「小緑印」の名前の由来は、餅身(餅茶の形)が、同時期の「大黄印」や「大藍印」にくらべて小さいことによります。この大きさの違いは、茶葉の配合の違いからきています。
「小緑印」は小さめの等級の茶葉で構成される「小葉青餅」。「大黄印」や「大藍印」は、大きめの等級の茶葉で構成される「大葉青餅」と呼ばれます。
包み紙の中央の「茶」の字は、手押しの印鑑です。インクの色は、名前には関係していないようです。その他にも鑑定のポイントは、内飛(茶葉に埋め込まれた紙)の字体や、包み紙の質など、いろいろとあります。
上: 「小口中」字版 「七子小緑印圓茶」1980年代初期
下: 「大口中」字版 「七子紅帯青餅」1970年代
1970年代と1980年代の「七子小緑印圓茶」は、包み紙の印刷が異なります。 「中国土産畜産進出口公司雲南省茶葉分公司」の「中国」の「中」の字の、
「口」の大きな文字が「大口中」字版1970年代まで。
「口」の小さな文字が「小口中」字版1980年代〜。
「大口中」か「小口中」かが年代の鑑定ポイントとなります。
ちなみに「七子紅帯青餅」は、またの名を「大口中小緑印圓茶」と呼びますので、これも「7542」の前進であると言われています。しかし、「七子紅帯青餅」のページでも説明しているように、「7542」というよりは「7532」に近いものがあります。「加重萌芽」(芽の部分を多く加えてある)が試されているので、より小さな茶葉で作られた「7532」に近い風味になっています。
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【七子紅帯青餅プーアル茶】
1980年代初期から、純粋に「7542七子餅茶」または「7542青餅」と呼べる製品が存在します。この頃、香港の茶商の南天公司が、大量に「7542」をはじめ、「7532」、「7572」を注文した記録があります。
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【南天公司/天字沱茶90年代初期プーアル茶】
参考資料:
『深邃的七子世界』 158〜168ページ
著者:陳智同氏 五行圖書出版有限公司
『茶藝普耳茶大辞典1994-2007』 79ページ
著者:季海氏 五行圖書出版有限公司
■試飲について
今回入手できたのは、固形茶を崩した「散茶」で、包み紙がついていません。文字のデザイン等からの鑑定ができません。また、いったい何年ごろに崩されたのかもわかりません。当店が見つけたときには、すでに散茶になり、1斤500gずつに紙袋に分けられていました。
しかし、崩された茶葉の様子と、試飲の結果、これは「7542」の茶葉であると判断しました。また、以下に紹介する1980年代の「7542七子餅茶」や、「七子紅帯青餅」との飲み比べによって、味からみても、まず1970年代の「7542」としても問題はないと判断しました。
このページの冒頭の文章の繰り返しですが、
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口に溶けるようにまろやかで、濃厚な甘味と旨味があり、苦味や酸味のバランスよく、芳醇な風味です。口から鼻に抜けてゆく息の中に、かすかに樟香、蘭香、沈香、棗香があり、1950年代の「印級」のお茶にも共通する迫力があります。
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散茶のためか、それとも倉庫の環境のためか、やや熟成がすすみすぎているのですが、それでも、特徴のひとつである蘭香や樟香が確認でき、「7542七子餅茶」の印象があります。「7542」をいくつも試した人の口には、すぐにわかる味です。
葉底(煎じた後の茶葉)
1970年代の茶葉で、しかも倉庫熟成がしっかりとあると、なかなか茶葉が開かず、通常であれば5煎もすればよいのですが、今回は一日水に漬け、茶葉の開くのを待ちました。赤く変色した茶葉、カサカサした質感からも、熟成の具合がわかります。
4級(7542の4は4級茶葉)くらいの茶葉が多く、新芽や3級の多い「7532」との違いは明らかです。
茶葉の表面にイボイボが見えます。老茶の茶葉の特徴ですが、 1950年代の「早期紅印春尖散茶プーアル茶」のそれと比べると、多くはありません。
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【葉底の写真・早期紅印春尖散茶】
1970年代からの「配方」の餅茶には、比較的若い茶樹の茶葉が使用されています。1960年頃からの農産物の効率化と「標準化」したお茶作りために、茶山は、収穫率の悪い背の高い古樹から、収穫率の良い背の低い若い茶樹へと植え替えられてゆきます。若い茶樹は、葉をたくさんつける分、葉は小さく薄くなってゆきます。風味が軽やかで、古樹に比べてクセが少なく、保存熟成をしても、飲み頃になるのは早いため、時代の要求に沿っていたのです。
■飲み比べ
左: 七子小緑印圓茶7542の散茶 (このお茶)
右: 七子紅帯青餅
この二つの共通点は、1970年代の「配方」がまだきっちりと定まっていない頃の、「7542」の前身と言われるところです。しかし、「七子紅帯青餅」のページにも説明していますが、当店はこれを「7532」に近いとしました。
「七子小緑印圓茶7542の散茶」は、甘くまろやかでコクがあり、「七子紅帯青餅」は、甘くまろやかながら、すっきりとした酸味があります。
この2つには熟成の差が大きくあります。それが風味の差につながるのですが、そもそも熟成の差は、圧延された茶葉の状態が、「7542」と「7532」とで異なるところに起因します。
上:「7542七子餅茶80年代中期」
下:「七子紅帯青餅」
「7542七子餅茶80年代中期プーアル茶」は、正真正銘の「7542」です。茶葉は大きめで立体感があり、隙間が開いています。「七子紅帯青餅」は、小さな茶葉で、きっちりと詰まっていて、「7532」に近い餅面です。
茶葉に隙間があり、空気の通りのよいほうが、熟成はすすみやすく、やや湿度が高くとも、悪い味になりにくいと言えます。茶葉に隙間のないものは、茶葉から水分が逃げにくく、湿度が高いと悪い味になりやすいと言えます。そのため、茶商は意識して、「7532」などの小さな茶葉できっちりと固まったタイプの餅茶を、比較的乾燥したところへ置くようにします。
このことから、「7542」と「7532」には、熟成の具合に差があって当然なのです。
1970年代の「7542」と、1980年代の「7542」の飲み比べ。
⇒
【7542七子餅茶80年代中期プーアル茶】
左: 七子小緑印圓茶7542の散茶 (このお茶)
右: 7542七子餅茶80年代中期
1970年代の「7542」と、1980年代の「7542」の飲み比べになります。ほぼ同じ味、同じ香りです。7542として共通することがはっきりと分かります。色の違いがあるほどには、風味に違いはありませんが、「七子小緑印圓茶7542の散茶」のほうが、熟成の進んだ風味に仕上がっています。
洗茶を済ませてから、1煎めが上の写真。2煎めが下の写真です。2煎めになると、この2つのお茶の色が近づいています。これは、すでに散茶になったものと、固形茶との違いです。散茶は、運搬中に茶葉と茶葉が摩擦して、形を傷めたり、粉になったりするところがあります。そうすると、煎じはじめのほうは、どうしても一気に色が出ることになります。2煎め、3煎めになると、それは落ち着きます。同じ銘柄、同じグレードの茶葉でも、散茶にされたものが安価なのは、このためです。

葉底(煎じた後の茶葉)
左: 七子小緑印圓茶7542の散茶 (このお茶)
右: 7542七子餅茶80年代中期
葉底の色と質感にも、熟成の差が現れていますが、配合されている茶葉の様子はそっくりです。
■その他
白露(bai lu)があります。
茶葉が湿ったときに成分が浮き出て白くなるものですが、このお茶の場合は、熟成具合に問題なく、白露は品質を落とすものではありません。
また新しい情報があれば、ここに文章を追加してゆきたいと思います。
七子小緑印圓茶7542の散茶
茶葉の量のめやすは以下をご参照ください。
⇒
【5gのプーアール茶葉でどのくらい飲めるか?】
保存方法については、以下のコーナーをご参照ください。
⇒
【プーアール茶の保存方法】
⇒
【プーアール茶.com店長にメール】
お客様のご感想
東京都M.Sさま
たしかに、味は73青餅7542に、似てますね。これといった突出したところが無く甘味と酸味のバランスがいいです。水色はずいぶん赤みが強いうえ、茶底がわずかながらしなやかさが失われている事から、香港などで、管理された倉庫に長く置かれていたのではと思われます。まぁ、それだけしっかりと熟成されている事ですね、ですから、渋みはほとんど無く、苦味も少ないでした。それと、73青餅7542は小豆のような味とかかれていましたが、こちらはフルーティーなタイプ。といっても新鮮な香りではなく、干し無花果か干し杏のような香りでちょっと枯れているイメージ?
今回は小黄印の第2批か3批のものと比較して飲んでみました。こちらは、作られてからはほとんど常温倉だったらしく、まだまだパンチはある味でしたので、比較になったのかな?
埼玉県O.Kさま
これは熟成が出来上がっています。80年代に比べて個性があります。おいしいです。
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【店長にメール】
つぎにこのプーアール茶はいかがでしょうか?

7542七子餅茶99年無内飛
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【このプーアル茶の詳細】