
| プーアール茶を保存して美味しくする プーアル茶は保存に強いお茶です。 長期間熟成させるほどに、マイルドになり、旨味や甘味が増し、香りが変化してゆくので、古くなっても捨てません。 日本の家庭でもコツさえつかめば、ゆっくりと変化してゆくのを楽しめます。そうして、10年も20年も経った老茶には独特の風味があり、ファンを魅了しています。 プーアル茶には、生茶と熟茶があります。 生茶は、メーカーから出荷される時点では、緑茶に近い状態です。長期保存によって、ゆっくりと熟成してゆきます。 熟茶は、メーカーの施設内で菌類の活動を活発にさせ、短期間で熟成させてあります。熟茶作りは、メーカーの施設内の条件の限定できる環境なので、研究がすすみ、どのようにして美味しくなるかがある程度解明されています。 しかし、保存熟成については、生茶も熟茶も、保存される環境の違い、季節の変化、茶葉の違いなどの条件が定まらないため、はっきりと解明するのが難しいようです。菌類がごく穏やかに活動するケース。成分の変化が起こるケース。それらが相互に作用するケースなど、様々なパターンがあります。 はっきりとしないながらも、茶商や個人収集家らの経験から、家庭の環境なら、このようにしたほうがよいというコツがあります。それをこのページにてご紹介します。 ■家庭での保存の基本 1.室内でやや乾燥したところ 2.他の臭いが移らないところ 3.暗いところ(日光の紫外線がとくにダメ) 家庭では、室内の常温で、乾燥した状態で保存するため、菌類の活発な活動はなく、成分の変化を主体とした、緩慢な熟成になります。 春夏秋冬の気温や湿度の変化に応じて、熟成の具合が微妙に異なって、それなりに変化してゆきます。 参考ページ: 保存熟成の歴史。1600年頃から熟成の風味が楽しまれています。 ⇒【プーアル茶の生い立ち】 茶商での保存熟成は、1950年頃の香港から盛んになったようです。 ⇒【茶商の倉庫がプーアール茶の味をつくる】 注意: ここで説明する保存方法は、ナチュラル系のプーアル茶に適する保存方法です。ダイエット用など、二次加工されているタイプの製品には適さない場合がありますので、それぞれの保存説明にしたがってください。 ■固形の茶葉を保存する
![]() 当店のプーアル茶は、多くが固形のものです。固形のものの多くは包み紙があります。 包み紙には通気性があり、茶葉を乾燥した状態で保つことができます。飲む分量だけを端のほうから崩して、また包みなおしてそのまま保存できます。 包み紙の無くなった固形の茶葉は、お盆にでも置いて、埃よけのために布巾をかけるなどすると良いでしょう。また、大きめの紙の封筒に入れておく方法もあります。 ![]() フィルムで包まれた固形茶 老茶(年代モノ)の固形の茶葉は、透明のフィルムに包んであります。年数が経つほどに、カチカチに固まった茶葉がゆるくなってきて、ちょっとした接触でポロポロと崩れます。また、包み紙も茶虫や紙を食べる虫に穴を空けられ、破れやすくなっています。そのため透明のフィルムに包んで保護してあります。また、老茶になって弱くなっている香りの成分をこれ以上空気中に拡散させない効果もあります。 透明のフィルムには、穴を開けてあるものと、開けていないものがあります。これ以上に熟成するのを急がない老茶は、穴を開けない(通気させない)フィルムに包んであります。いずれにしても、ごくゆっくりと変化はすすみます。
![]() 固形の茶葉を崩して保存する まだ飲み頃にはちょっと早いと思えるような茶葉や、いつでも飲めるようにしておきたい茶葉は、 崩して保存します。崩した状態のほうが、空気に触れるところが多く、風味が落ち着きます。しかし、固形のままで保存するのと、崩して保存するのとでは、風味が異なってきます。固形のままで保存したほうが独特の風味を維持することになります。どちらがそのお茶にふさわしい保存方法であるかを考えたほうがよいでしょう。
![]() 左の写真のように、餅茶(円盤型の固形茶)の場合は、崩れやすい外側から崩してゆきます。空気に触れやすい外側の茶葉ほど、変化はすすんでいて、まろやかになります。したがって、外側から内側に向けて少しずつ崩しては飲むのが合理的です。 削り屑の茶葉は、集めておいて、写真のような密封口のビンに入れておくのが良いでしょう。茶葉が湿気ていたり、雨の日の湿度の高いときに瓶に入れると、カビの原因になります。茶葉がしっかりと乾燥していることを確認してから、晴れた乾燥した日に蓋をするようにしましょう。また外からの湿気が入り込んで溜まらないように、たまに蓋を開けて確かめてください。
![]() 「包み紙」、「内票」、 「内飛」のコレクション 固形のプーアル茶の年代モノには、それをつくったメーカーや年代の証明となる印刷物があります。これらは、鑑定書にも写真で記録されているため、収集する楽しみがあります。
![]() 固形の茶葉がひと組になっている場合 例えば、餅茶の場合は7枚1組の竹皮包みのまま、あるいは、紙包みのままで販売されています。そのままで長期保存することができます。コレクション価値から見た場合、7枚組のものは、そのままで保存したほうが価値があります。また、風味の面からみても、ある程度たくさんの茶葉が集まった状態で保存するほうが、良いと考えられています。 ■散茶を保存する
![]() すでに崩してあるもの、あるいは、はじめからバラバラの茶葉であったものを、「散茶」と呼びます。散茶を長期保存する場合は、紙袋や陶器の壺に入れます。 右の写真の壺は、宜興(イーシン)と呼ばれる、茶壺の里のでつくられたものです。そこの紫砂でつくられた焼き物には、気腔というミクロの穴があって、中の温度や湿度を一定に保つはたらきがあります。宜興(イーシン)の紫砂でなくても、日本の素焼きの陶器でも代用品が見つかります。陶器の壺がまだ新しい場合は、焼いた後の臭いがありますので、水洗いして、大きな鍋で茶葉を加えて数時間煮てから、しっかりと乾燥させて使用します。 ■置き場所を考える
![]() 家庭では、書斎や寝室など、比較的乾燥している部屋に置きます。 湿気は、低いところや狭いところ、温度の低いところを好んで、そこに溜まる性質があります。キッチン、洗濯機、風呂場など、水周りの近くの隅の下のほうは、とくに湿気がたまりやすく、そこに茶葉を置くと、水分を吸収する一方になってしまい、プーアル茶の味を悪くする原因となります。できるだけ湿気の少ない場所を選びます。 日本の気候では、お茶を美味しくすることが確認されている菌類が活動できる条件になるのは、せいぜい夏の高温多湿の期間だけです。家庭で菌類の活動をコントロールするのは難しいので、活発にさせることのないように、乾燥状態を保つようにします。 茶葉の質や、メーカーでの加工技術や、その後に茶商による倉庫熟成があるかないかによって、変化のスピードは異なります。また、多少の湿気に強いタイプや、湿気に弱いタイプもあります。それらの情報は、各お茶の説明ページに書いていますが、詳しくなるまでは、置き場所はできるだけ乾燥したところに置き、緩慢な変化を待つのが得策です。 ちなみに、湿度80%を超えるあたりから、茶葉はゆっくりと水分を溜め込んでゆきます。梅雨の時期など、湿度の高い日が続く場合は、風通しのよいところに置くなどの工夫をしたほうがよいでしょう。 ![]() 器に入れて蓋をする方法。 茶葉がしっかりと乾燥しているものは、器に入れて蓋をして保存するのも良いでしょう。香りの異なる熟茶と生茶は、わけて入れます。たまに器の蓋を開けて、包み紙や茶葉を手で触ってみて、湿っていないかをチェックします。湿っていると感じたら、蓋開けて乾燥させ、器の置き場所をもっと乾燥したところに移動させます。 器に入れるメリットは、外の臭いや雑菌がつくのを防ぎ、湿度と温度が安定しているため、予期せぬ味の変化を防げます。また、茶葉の持つ香りの成分を拡散させてしまわない効果も期待できます。 例えば、置き場所がキッチンの近くなど、臭いの心配な場所にも、器は有効です。キッチンのダクトの油汚れをみてわかるように、料理をするような空気中には、油汚れも含まれています。器に入れておくことで、そんな埃や汚れを防ぐことができます。 ![]() 余談ですが、室内の常温でも、何か変化している様子があります。この写真は、ガラス瓶で密封口のある器に茶葉を入れて、2年ほど置いているものです。年に1度か2度は蓋を開けて、茶葉を少し取り出すことはありますが、それ以外は動かすこともありません。にもかかわらず、ガラス瓶の内側に白い粉のようなものが、いつのまにか付着し、時間が経つほどにそれが増えています。この2つの茶葉は、味もやはり変化しています。
![]() 左の写真は、7枚組みを1枚1枚にして保存している様子です。 メーカーから出荷されてすぐの生茶や、香港や広東の茶商の倉庫から出て間もないときは、茶葉が水分を多く含んでいることがあります。そのまま器に入れたりすると、水分の逃げ場がなく、お茶を不味くする原因になりかねません。そのような品は、入手してから数ヶ月は、一枚一枚、一個一個に分けて、陰干しするように保存します。 茶葉が乾燥するのは、手で持ってみて、その触った感じで分かります。湿っている茶葉は、ちょっと冷たいような感じがします。
![]() メーカーから出荷されてすぐに、小売店の棚や室内の倉庫、あるいは一般家庭に保存されたものを「未入倉」と呼びます。「未入倉」の変化はとてもゆっくりで、20年経ってもまだ新しい茶葉の風味を損わないものもあります。茶商の倉庫とは環境が異なるため、菌類の活動があるのかないのか、成分の変化はどの程度あるのか、季節によってそれらは変動しているのか、詳しい解明はされていませんが、茶商の倉庫で強く熟成されるものとは、風味が大きく異なります。 自宅で保存するための生茶のプーアル茶を購入する場合は、過去に茶商の倉庫での熟成があるかないか。また、倉庫でどれほどの強さに熟成されていたかによって、その後の味の変化もちがってきます。保存熟成を楽しむために選ぶお茶は、そうした履歴を確認してみてはいかがでしょうか。
![]() 長期保存のベストな方法というのは、それぞれの茶葉によっても異なり、また専門家にも考え方が分かれていて、そのうえ個人の味の好みがあるので、これが一番正しいというのはありませんが、保存が味や香りを左右するのは事実で、それぞれのやり方で創意工夫がされています。各お茶の説明ページには、メーカーでの熟成や、茶商での熟成が、どの程度のものであるのかをわかるようにしておりますので、参考にしてください。 ■室内保存でも環境によって差が出る
![]() 「7581磚茶」10年モノ熟茶。保存環境別。 はじめの7年間は同じ広州の倉庫にありましたが、その後の3年間は、上海の室内で保存したものと、広州の室内で保存したものに別れます。3年間の環境の違いが、包み紙や茶葉の色に表れています。 室内の環境のちがいによっても、味は異なってきます。
![]() 煎じると、色の違いははっきりしています。これを飲み比べると、あきらかに味や香りの違いを感じることができます。この場合は、上海で保存したもののほうが、甘みと香りが強く、美味しいと感じました。濃いめに煎じると、上海のは小豆っぽい風味。広州のは米っぽい風味がしました。上海の室内のほうが、広州の室内にくらべて、このお茶の熟成をすすめたと思われます。
![]() 「7542七子餅茶」約10年モノ生茶。保存環境別。 左も右も全く同じお茶ですが、上海に移動させてから1年間は、微妙に条件が異なるところに分けて置いたものです。色の差が微妙にあるように、味や香りにも微妙に差があります。この場合は、室内でも、やや暖かく、湿度が一定に保たれているところに置いたもののほうが、美味しく仕上がっています。たった1年間でも差が生じます。 ■保存のための設備
![]() 日本の家庭で保存する場合に、とくに設備は必要ありませんが、当店の室内保存では、温度と湿度が極端にならないように、エアコン、暖房器具、加湿器を使用して、安定させるようにしています。例えば、雨続きで湿度が90%を超える日は、エアコンで除湿し、湿度70%程に保ちます。逆に空気が乾燥するときは、加湿器を使います。 これらの甲斐あって、同じ上海の他の店よりは、当店のお茶は美味しくなっています。 日本の個人宅では、冬に暖房器具のない部屋や、留守中には、室温が零下になることもあるかと思いますが、乾燥した状態であれば、それが茶葉に悪影響をおよおぼすことはないでしょう。寒いときには、寒いときなりの成分の変化というものがありますので、必ずしも暖かい場所が良いともいえません。 冷蔵庫に保管するのがダメなのは、冷蔵庫から出した瞬間に、結露によって茶葉に水分がついたり、低温での雑菌の繁殖が心配なためです。プーアル茶の保存に冷蔵庫は禁物です。
当店では、お茶を入荷したとき、および定期的に、チベットのお香を焚いて、茶葉の清潔を保つようにしています。これは、熟成をよりよくするのにも、理にかなった方法なのです。外の包み紙などにはお香の臭いがしばらく残ることはありますが、茶葉にそれが移ってしまうことはありません。 ■当店の倉庫熟成
![]() 当店では2007年より自家製の倉庫による熟成をはじめています。常温で保存した夏の期間の味の変化に目をつけ、それに近い温度と湿度を管理できる入れ物(倉庫と呼んでいます)をつくり、熟成を促しています。 菌類の活動があるかもしれませんが、あったとしてもごく穏やかなもので、味の変化もゆっくりです。 いくつかのお茶で、その変化を記録してゆきます。ご参照ください。 ⇒【大益沱茶05年プーアル茶】 ⇒【大益7532七子餅茶06年プーアル茶】 ⇒【8892後期紅印圓茶プーアル茶】 茶葉は息をしている? 室内に茶葉を置いていると、暖かい雨の日や台風の近づく低気圧の日に、まるで茶葉が息をしているかのように、お茶が香りを発しているのに気がつきます。もの静かな茶葉が、こんなときには騒いでいるかのように感じます。 これは、気圧の変化や、茶葉の湿り具合の変化で、ほんのわずかに伸縮し、閉じ込められている香りの粒子を空中に放つためだと思われます。 試しに、乾燥した状態で1個100gの固形の茶葉を、加湿した倉庫に1週間保存すると、103gになっていました。茶葉が水分を3g分吸い取っているのです。 本場の茶商の倉庫 次のページでは、各地域の茶商の倉庫の環境を紹介しています。 ⇒【茶商の倉庫がプーアール茶の味をつくる】 保存についてのご質問と回答 ■室内で湿度が高いとダメでしょうか? ご質問: 保存しておく環境ですが、室内ではなるべく乾燥したほうが良いと書かれていますが、25度〜30度くらいの適温であれば、多少湿気があったほうが熟成にはいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか? 回等: 保存熟成させる専用の倉庫では、良性の菌類が茶葉に付着すると、他の雑菌を寄せ付けない状態になります。 一方、室内の空気中にはいろんな雑菌が飛び交っていて、常に活動の場(栄養や水分のある場所)を求めているため、茶葉が湿気を持つと、良性の菌類だけでなく、悪性の菌類までも活動を始めてしまう可能性があります。そのため、室内での保存には、乾燥状態を保つことをお勧めしています。 ■保存するなら生茶ですか熟茶ですか? ご質問: プーアール茶を自宅で保存して味の変化を楽しみたいと思っています。保存するなら生茶がいいのでしょうか?熟茶がいいのでしょうか?どちらが楽しめますでしょうか? 回答: まずは、熟茶か生茶かどちらが好みかを、少し年数の経ったお茶で試してみてはいかがでしょうか? 新しいプーアール茶を保存して、5年位でも飲み頃になるのは熟茶です。ツンとした香りがやさしくなったり、渋みや苦味がまろやかになり、その分甘味が前に出てきたりします。茶葉によっては、生茶は10年経ってもまだ飲み頃の来ないものもあります。もちろん味が年々変化してゆくのは楽しめますが、20年、30年と待つってようやく飲み頃になるものもあります。そんなに長く待てないのであれば、すでに10年〜20年経ったくらいの生茶をお選びください。 また、茶商の倉庫で、保存熟成されたものは、その後の変化もやや早くなります。 ■冬の保存時の室内温度について ご質問: 餅茶等を保存する場合、部屋の温度が下がりすぎると茶葉は悪くなってしますのでしょうか?たとえば、5℃位など。冬場などは、部屋を長期間空けておくとこれくらいの温度になることが有ります。もし、温度が下がって、菌が死ぬもしくは悪さをするのであれば保存方法を考えないといけないと思っております。 回答: 部屋の中での保存では、温度が下がっても乾燥していれば問題がありません。菌類があったとしても、活動は休止状態となっております。 茶葉が湿ると、雑菌が活動する可能性があるので、乾燥した状態を保つようにします。 ■餅茶を包んでいるセロハンは、外した方が良いですか? ご質問: 餅茶を包んでいるセロハン(?)は、外して保存したほうが良いのでしょうか? 回答: 年代モノの餅茶になると、餅茶の紙包みだけではポロポロと茶葉が崩れて包み紙からこぼれるのでそうしています。 一般の家庭では、乾燥したところに置くことがわかっているので、空気が通るか通らないかはあまり気にしておりません。もしセロハンのまま長期保存するのでしたら、千枚通しで何箇所か穴を開けておくと良いでしょう。 少しずつ崩して飲むのでしたら、邪魔になるので外してください。 ■新芽の白毫だけの餅茶は、長期保存するとどのような味になるのでしょうか? ご質問: 新芽の白毫だけで作られた餅茶を、家庭で数年保存しております。少しずつ味の変化はありますが、なんだかすっぱいような酸味が出てきました。他の青餅(生茶の餅茶)のようにまろやかになったり、甘みが増す感じではありません。これから先はどのように変化するのでしょうか? 回答: 白毫の茶葉だけで作った餅茶が市場に出てきたのはごく最近のことです。新しいメーカーが試みた製品ですから、長年保存された実績がありません。どようになるのか、またどのような環境で保存されるのが美味しいのかは、実はまだ誰も知らないと思います。 ■家庭で高温多湿の環境を作ればどうでしょう? ご質問: 家庭で高温多湿の環境をつくって、茶商の倉庫の環境に近づけるとどうでしょう?まろやかなお茶になるでしょうか? 回答: 茶商の倉庫というのは特殊な環境です。 私の知るのは、広州の倉庫ですが、何軒かの茶商が共同で大きな工業用の倉庫を借りて、そこに何十トンか、もしかしたら百トンを超えるほどのたくさんの茶葉を保存しています。マンションの一室を倉庫にして、天井の上から床まで、すべて茶葉で埋め尽くすほど詰め込んでいるところもあります。温度や湿度は近づけることができても、そこまで茶葉がたくさん集まる環境というのは再現できません。茶葉が集まると、香りのみならず、空中に飛ぶ両性の菌類の量もちがうでしょうし、たとえば、雨の日には茶葉が湿気を吸収し、晴れの日には湿気を放出したり、湿度コントロールも異なるでしょう。これに似た環境を作るのはかなり研究が必要です。 ■熟茶と生茶は一緒に保存してはいけない? ご質問: 台湾で購入してきたプーアール茶の本に、熟茶と生茶では微生物の 働き方が違うので一緒に保存してはいけない、生茶も熟茶のようになる、 というようなことが書かれていました。 生茶が熟茶になるのは大げさで しょうが、一緒に保存することで何か影響はあるものでしょうか。 回答: 家庭の乾燥した環境で保存する場合は、香りの問題ではないでしょうか。香りが移るようなことがなければ問題ないと思います。温度と湿度の高い茶商の倉庫でしたら、微生物の差による影響があるのかもしれませんが、保存熟成の段階でのことは、はっきりとは解明されていないと思います。 ■倉庫臭はどのくらいの期間で消えますか? ご質問: 入手したての約10年ものの生茶ですが、飲んでいてたいして気にはならないのですが、いわゆる茶商の倉庫で保存されていた面影が、風味に少しあります。(倉庫臭というのでしょうか)この香りは長期保存によって消えてゆくのでしょうか?また、どのくらいの期間、常温の乾燥した状態で保存すれば消えますか? 回答: そのお茶の倉庫臭の強さにもよりますが、それほど気にならない程度のものでしたら、常温の乾燥状態で1年も保存すれば、その差が実感できるでしょう。 このときに、七枚一組の竹の包みのままでしたら、一枚一枚分けて保存したほうがより早くその効果が現れるでしょう。 ■表面のカビの対処方法は? ご質問: 置き場所がまずかったのか、夏の間にプーアール餅茶の表面にカビがついたようです。中まではカビになっていないようなのですが、なにか対処方法などありますでしょうか? 回答: カビの種類にもよりますが、そこの部分だけでしたら、歯ブラシかなにかで擦り取るといいでしょう。 いずれにしても、乾燥したところに移して、しばらく放置してください。 ■宜興特注の瓶は予定はないのでしょうか? ご質問: プーアル餅茶を保存する宜興特注の瓶ですが、これは商品としてあつかう予定はないのでしょうか? 回答: 宜興の瓶は、いまのところ取り扱う予定がありません。宜興のものの価格が高騰し、良い仕事ができなくなっています。それの代用となる素焼きの陶器は、日本にもいくらでもあるので、そちらをお勧めします。 餅茶は7枚組みでしたら竹の皮もありますし、虫除けネットだけして棚にしまうのでも良いので、かならずしも陶器の入れ物が必要でもありません。 ■湿気たせいで香りが逃げてしまった? ご質問: 同興號後期圓茶70年代を一部崩して保存していました。蜂蜜の入っていたビンの容器に蓋をして保存していたつもりが、不覚にも蓋をするのを忘れて2週間くらい放置したせいか、あの独特の香りが薄くなったように感じます。茶葉が湿気たせいかなと思うのですが、こうなってしまってからはもう手遅れでしょうか?なにか対処法などあればお教えください。 回答: その場合、乾燥したところに置いて2週間もすると、元に戻ります。私にも同様の経験があります。茶葉を定期診断するように飲み続けていると、味が変化しているのがわかります。湿気たかな?と思ったら、晴れて空気の乾いた日にでも乾燥した別の容器に移して、2〜3週間放置してください。なるべく乾燥した日の当たらないところに置いてください。茶葉が乾いて元に戻れば、香りも戻ります。100%戻るかどうかはわかりませんが、かなり効果的です。 ■保存にテラコッタの素焼きの壺は代用出来るでしょうか? ご質問: 宜興の壺の説明を読みまして、通気性と一定の温度と湿度を保つ。という同じ原理なら、台所でショウガやニンニクを保存する時に使うテラコッタの素焼きの壺(千円ぐらいです)でも代用出来るのではないかと思いつきましたが、これはどうでしょう? 回答: 保存にはいいですが臭いに気をつけてください。テラコッタの素焼きの壷もいいと思います。ただし、くれぐれも臭いには気をつけてください。もし食べ物の臭いが壷に残っていたら、洗剤でよく洗って、日干しして、完全に乾燥しきってから、茶葉を入れるようにしてください。その壷が電子レンジに入るサイズなら、チンすると殺菌にもなります。 ■ 熟成させた味の変化を予想できますでしょうか? ご質問: 新しいお茶を熟成させて、どのように味が変化するか、あらかじめ知ることはできますでしょうか? 茶商は新しいお茶が、20年、30年経ってどのような味になるかを知っているので、新しいお茶を買って、倉庫で保存するのですよね?では、年数が経ってからの味をどのようにして知るのでしょうか? 回答: 茶山(茶園)、茶葉の等級、茶廠の加工技術、保存された倉庫の環境によって味がきまります。 すでに熟成された老茶を飲んで味を知っておくと、どんな銘柄で、どんな茶葉で、どんな加工方法で、どんな倉庫の環境を何年くらい保存されたらこのような味になるということを知ることが出来ます。茶商はその経験をもとに新しいお茶を仕入れて寝かせます。 同じ銘柄のお茶でも、保存される倉庫によって熟成状態が異なるので、味も変わってきます。 ある程度熟成が進んで、味も落ち着いてきたプーアル茶のほうが、味のベースが出来ているので、その後の変化も予測しやすいでしょう。ご家庭で長期保存をされるなら、そのようなお茶をお勧めします。 ■ 誕生年のプーアール茶を探してください ご質問: お願いがあります。息子が生まれた年のお茶を探しております。 長男は1994年生まれなので その年産の生茶で餅茶か磚茶を探していただけないでしょうか?次男は1996年生まれなので、「紅絲帯プーアル青餅96年」 を申込みしたいと思っております。 回答: ワインのようにちゃんと管理されているわけではないプーアール茶の、製造年を確定するのは難しい場合があるのですが、1994年と新しいものなので、特定できるものを見つけました。 ![]() お客様からのご感想: お茶が届きました。化粧箱のほかにお茶のサンプルもつけていただきありがとうございました。さっそく家族で試飲してみました。茶の香りや味がストレートに判るように蓋碗で煎れてみました。紅絲帯プーアル青餅96年 洗茶後間をおかずだしてみて正解でした。ほのかに甘みも感じられ、この年数でこれほど飲みやすいとはびっくり。二煎目30秒にしたら子供たちは「渋い」との声。やはりすぐだす方がおいしいようです。やさしいお茶だと思いました。主人はこちらが好きとの事。 7542樟香プーアル餅茶 口にふくんで、長男の第一声「黒茶だー。」そうなんです。随分育っている生茶との印象です。香りにスーとした物があり、上記の茶より個性がありおもしろいと思いました。私の好みのお茶です。 両方とも これからすごくよくなっていく感じがします。次回はそれぞれの成人式の時にほぐして飲もうと言う事にしました。 子供の成長と共に餅茶の熟成を待つ楽しみができました。子供たちも「これが僕のだよねー。」等と話しております。 ご質問などお気軽にメール下さい。 ⇒【店長にメール】 |