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南糯山神青餅2011年プーアル茶 その3

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南糯山神青餅プーアル茶

■配合
ブレンドは、量産やコストダウンが目的の手法であって、風味を重視したお茶づくりではありません。
春には春の、秋には秋の風味があります。
山を選び、農家を選び、茶樹を選び、采茶のタイミングを選び、製茶の技術を探るのは、それぞれの個性を尊重しているからです。ここに写真や文章で紹介するのも、それを楽しめるようにするためです。

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

ブレンドはそこをうやむやにしてしまいます。
とくに近年のブレンドでつくられたお茶は、メーカーの人ですら茶山や農家や茶樹や采茶のタイミングを知らないのが多くあります。

メーカーは季節になると、トラックで売りに来る大量の毛茶を買い取るところから仕事がはじまっています。トラックに積まれる時点で、農家や茶樹や采茶のタイミングはごちゃごちゃに混ざっています。
たとえそのお茶が美味しくとも、飲む人は茶樹のことも農家のことも山のことも知らないままになります。ブレンドは飲む人の産地への関心を削ぎ、環境の維持を難しくさせています。

中国のお茶は歴史的に見てもブレンドが少ないのは、地域の自然環境や文化に関心を寄せたからではないのでしょうか。お茶の名前に○○山と産地名がそのままつくのが多いのも、そのひとつだと思います。

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

それで、このお茶をブレンドするのはどうか?
と、いろいろ考えました。
手元にある南糯山の毛茶は春も秋も少量で、ひとつにまとめたからといってそれほどコストダウンできるわけではありません。別々の餅茶として仕上げる手もあります。

しかし、春の毛茶が十分な個性を持っているか?というと、少し心もとない気がしました。古い大きな茶樹の新芽や若葉は、春いちばんだけを抽出するような采茶を許してくれませんでした。際立った風味にはならないのです。

秋の毛茶はというと、特別なオーダーはしていないので、かなり大きく育った茶葉を含めて采茶されています。(上の写真の2つの葉底を比べて見たら茶葉の大きさの違いがよくわかります。)

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

2011年7月に春と秋の茶を飲み比べた記録があります。
【液体の質感/ブログ茶想】
それによると、「秋のほうが濃いと感じる。苦味が良いし甘味はそれに負けない。」としています。その逆に茶湯の質感と耐泡には春のほうに分があるとしています。

春にも秋にもそれぞれに独自の風味があり、違いがわかりやすく現れています。それもそのはずで、同じ茶樹のもので、同じ農家に製茶されているからです。
これを合わせてひとつにしても、なにかを誤魔化したり水増ししたりするブレンドにはならないはずです。

■茶号のお茶
ブレンドについて豆知識です。
プーアール茶のブレンドでもっとも大きな変革は1970年頃の製品にあります。2種類の茶葉を餅茶の底と上に配置してそのまま圧餅する製法が孟海茶廠で考案され、1970年頃からその製品がリリースされました。「茶号」と呼ぶ番号が製品名にあてられます。「7542」・「7532」・「8582」などです。

茶号シリーズは当時外貨を稼ぐために海外に販売された高級茶であり、茶葉は易武山の上質なものが使われています。ブレンドだから廉価品とは限らなかったのです。
茶葉の等級という概念をプーアール茶に持ち込んだのは、「茶号」のお茶が最初だったかもしれません。例えば「7542」の「4」は4級茶葉のことになります。易武山の老人の話では、やはりこの時代に等級別に毛茶を売ったことがあるそうです。

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

写真:『73青餅7542七子餅茶』

やがて人民元が高くなり、海外向けの高級茶需要が減り、茶号のお茶づくりは1990年代にいったん終息しますが、国内需要に向けて2000年頃からまた茶号が使われだします。

2004年の孟海茶廠の民営化後は国内向けに廉価な製品がつくられます。茶号のもつ過去のイメージだけを利用して、原料は孟海県や思芽市の新茶園の若い茶樹が使用されたので、それによって海外の古いファンを失いましたが、国内に新しく巨大なマーケットを得て、桁違いに生産量を拡大させました。

孟海茶廠の成功に中小のメーカーもならい、近年の廉価な品のほとんどがブレンドによるものとなりました。
逆に言うと、ブレンドのお茶が売れるということは、人々が産地の自然や文化に関心を持たなくなったということかもしれません。
参考ページ
【七子小緑印圓茶7542の散茶】(茶号7542の生い立ち)
【7542七子餅茶80年代中期プーアル茶】(1980年代の品)
【大益7542七子餅茶07年】(2006年の品)

■圧餅
固形茶にするために、メーカーに茶葉を持ちこみました。
2011年のテーマ生茶の「生」を意識した仕上げは、このお茶も同じです。
圧餅について考えたことは、、『易武春風青餅2011年』のページに書いています。
【易武春風青餅2011年プーアル茶 その3】

まず春と秋の毛茶を混ぜ合わせる作業から始まります。
春と秋は1:2の割合です。3本爪の鍬のような道具で茶葉を傷めないよう軽く混ぜ合わせます。

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

圧延後に布から餅茶を取り出すと、餅面の表側には早春の新芽や若葉が多く浮き出て見えます。これは布に毛茶を入れてゆさゆさ揺すると小さな新芽や若葉が底にきて、それが餅面の表となるためです。感心するわけにはゆきませんが、餅面を美しく見せるための手法としてもブレンドは有効であることがわかります。

昨年の『南糯古樹青餅2010年』に比べると、少し直径の大きい餅身になり、その分薄めに仕上がっています。古い石型によるものですが、低温での乾燥を考えるとこのほうが良いと思われます。
圧延が終わってから乾燥室に2日間入れて、このお茶が完成しました。包装をしたその日、12月1日を完成日付としました。

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

乾燥室と天日干しとの違いをみるために、1枚抜き取って包み紙を付けたまま涼干と晒干で仕上げてみました。結果はやはりその差が無いと言えるほどのものでした。つまり、天日干しとほぼ同じ低温の乾燥が成功したことになります。
孟海県の茶葉でこのような低温乾燥をさせたお茶は、今のところ珍しいかもしれません。

南糯山神青餅プーアル茶

餅面の仕上がりを見ると、全体的に黄色っぽく変色しているように見えます。当店オリジナルの他の生茶と比べても、そのちがいが際立ちます。色の違いは風味にも現れています。
つぎの「品茶」ではこのことに触れます。

■その4 品茶 (つづき)
+【南糯山神青餅2011年プーアル茶 その4】


南糯山神青餅2011年 1枚 380g


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