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南糯山神青餅2011年 その4

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南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶

■茶葉の色
昨年のお茶に比べて黄色っぽく仕上がりました。
これは、火入れを7分目に加減したことと、晒干の前夜にわざと湿度を保って「萎凋」したことによるものです。
そして色が違うように、風味も違います。

南糯山神青餅プーアル茶

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薄い目に淹れてみると、ストレートなお茶の香りの中に、わずかに軽やかな花の香りが混ざります。それは口に含んでからも鼻に抜ける息の中にしばらく含まれます。
薄めに淹れたお茶の味は、全体がボヤけた感じで、すぐにわかるのは甘味くらいです。ちょっと間をおいてから、しっとりした苦味が舌に残ります。
その苦味は、時間が経つほどに存在感を増して、舌に長い余韻をもたらします。

何杯か飲むと、喉にはスースーとミントの爽快感が残ります。
その頃には背中に汗がにんでくるほど身体が温まり、さらに浮きあがるような茶酔いの感覚が訪れます。
滋養成分の豊富さが実感できます。
易武山の「無い味」とはまた違う方向で、ゆっくりと輪郭が浮かんでくるようなお茶になりました。

■飲み比べ
昨年の『南糯古樹青餅2010年』と比べてみました。
同じ茶樹から採取され、同じ農家に製茶されています。大きな違いは火入れです。
葉底(煎じた後の茶葉)の色もまた、このお茶『南糯山神青餅2011年』は黄色っぽく、『南糯古樹青餅2010年』は青っぽく見えます。

南糯山神青餅プーアル茶

南糯山神青餅プーアル茶
左: 南糯山神青餅2011年(このお茶)
右: 南糯古樹青餅2010年

湯を注いだときに早く香り立つのはこのお茶 『南糯山神青餅2011年』です。早春の新芽と若葉を挑茶した効果が現れています。
味の輪郭のはっきりしているのは 『南糯古樹青餅2010年』のほうです。火入れはしっかりめになっています。2010年はかんばつの春で、茶葉の水分がやや少なかったせいも考えられます。

どちらも口に入れてからのゆっくりと輪郭を現すような、時間差の美味しさがあります。
『南糯古樹青餅2010年』は保存期間が長い分、よりまろやかですが、このお茶『南糯山神青餅2011年』のおっとり具合は、すでに1年のギャップを埋めて、熟成度がほぼ並んできているような感じです。

この先1年で追いぬく可能性が高いでしょう。「生」に仕上げた効果は、熟成の早さにも影響しそうです。

南糯山神青餅プーアル茶

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昨年の『南糯古樹青餅2010年』と、このお茶『南糯山神青餅2011年』は兄弟のようなお茶ですが、どちらを選ぶかに迷った時には、使用する茶器にあわせてみてはどうかと思います。
『南糯古樹青餅2010年』は蓋碗できっちり淹れる場合に、このお茶『南糯山神青餅2011年』は大きめのポットでたっぷり淹れる場合に、それぞれの個性を活かせると思います。

■飲み方
大きめのポットといっても、350ml~1200mlくらいといろいろですが、家族や仲間で集まって飲む場合、ポットいっぱいに湯を注いでからみんなで分けることになります。
そうすると湯に浸かる時間はやや長くなりがちなので、濃くなり過ぎないようにあらかじめ少量の茶葉にしてください。

茶葉が熱湯につかっている時間をどのくらいにするかで、風味が大きく変わってきます。
デリケートなつくり方のために湯の温度がより影響しやすくなっています。ある意味で、注ぐ熱湯が「最後の火入れ」ということになります。

南糯山神青餅プーアル茶

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例えば、温度の高い湯に茶葉が浸かっている時間が長いほど、「火」が通ってゆきます。そのまま放っておくと煮出したようになって、苦味が強くなります。
短時間でさっと湯を切ると、すぐには苦味が出てこないので、とても甘いお茶になります。香りも引き立ちます。
湯の温度を下げると、「火」の通りが浅くなるので、より「生」の鮮味があり、草っぽい風味が出てきます。

それらの違いは湯の色の変化でもわかります。湯の温度が高く、時間が経つほどに、黄色から赤味が加わります。

南糯山神青餅プーアル茶

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それぞれに美味しさがあるので、どれがよいということではなくて、淹れ方次第でいろいろ楽しめるということです。

南糯山神青餅プーアル茶

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■2011年の終わり
12月1日にこの圧餅が完成してから南糯山に上がりました。
愛尼族は1月1日の元旦が年越しです。農家は黄牛や冬瓜豚や鶏を絞めて、猟師は猪や鹿を仕留めてきて、数日間の宴会となります。年末は雲南を離れてメコン川を南下するので、ひと足先の山詣でをしておきました。

農地の古い茶樹は新芽をまったく持たず、完全に冬眠中でした。
この時期の農家は、下草を抜いて枯らしておく作業をしています。下草の管理方法にはいろいろな考え方がありますが、ここの農家は引き抜くだけで土には鍬を入れない方針です。もちろん除草剤などは無縁です。

南糯山神青餅プーアル茶

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製茶場に新しい殺青機械が入っていました。
まるで大きな大砲です。どうしてもこの筒の長さが必要で、特注したそうです。筒の中を回転しながら鮮葉が蒸し焼きになる仕組みです。この村には茶畑の若い茶樹もあるので、それをメインに考えたものですが、古茶樹の茶葉をこれで殺青するかどうかは、これからじっくり考えたいと思います。

南糯山神青餅プーアル茶

このお茶『 南糯山神青餅2011年』をいっしょに飲みました。
「こんなにやわらかな風味になるなんて」
と、農家の家族は驚いていました。
それならばということで、次に試したいアイデアをいろいろ出し合いましたが、「天候のこともあるので春になってから決めましょう」
と締めくくって、山を降りました。

南糯山神青餅プーアル茶

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山桜がすでに咲き始めていました。
2012年の春は少し早めになるそうです。

■その5 熟成
【南糯山神青餅2011年 その5】


南糯山神青餅2011年 1枚 380g


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