7582大葉青餅プーアル茶
7582 da ye qing bing
7582大葉青餅プーアル茶 1枚約330g
製造 : 1975年頃
茶廠 : 雲南孟海茶廠
茶山 : 孟海茶区
茶樹 : 雲南大葉種 喬木
茶葉 : 5〜8級 不規則餅型
重量 : 310g〜330g
工程 : 生茶
倉庫 : 香港乾倉から台湾常温倉
甘味
渋味
とろみ
酸味
苦味
香り
熟成度 |
●●○○○ あっさりとしている
●●○○○
●○○○○
●●●○○ お茶らしさのある酸味
●●○○○
●●●○○ 梅の香り
●●○○○ 倉庫での熟成やや弱め |
1970年代の最高傑作のひとつに数えられます。
1950年代の印級のプーアル茶の風味を継承しており、香り味とも力強く、バランスの良いものです。
孟海茶廠(メーカー)の倉庫に一定期間保存熟成された、陳年茶葉を原料にして作られています。酸化発酵を止めた緑茶状態の茶葉を、メーカーが倉庫に保存したのは、よりまろやかで旨味のあるお茶をつくるためと、天候不良による茶葉の不作に備えるための、二つの目的がありました。
新しく収穫した茶葉と、陳年茶葉を混ぜ合わせることで、味のバランスを整え、後の保存熟成による味の変化を安定させるという効果があるため、陳年茶葉をブレンドする手法は、孟海茶廠のいくつかの銘柄のプーアル茶に採用されています。

1970年前後の時代背景により、こうしたブレンドの手法が生まれています。茶号:「7582」もまた、その当時に考案されたブレンド方法である「配方」についた番号です。1975年の「75」。8級茶葉の「8」。孟海茶廠の「2」。
「七子小緑印圓茶7542の散茶」のページの「7542七子餅茶の生い立ち」にて、その当時の時代背景と「配方」の技術に触れていますので、ご参照ください。
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【7542七子餅茶の生い立ち】
1970年代初期には、「配方」が試されながらも、まだ茶号(製品番号)を持っていなかったお茶があります。この「7582」の前身となるであろうそのお茶は、1970年代初期の「七子黄印−緑字黄印」の系列の「黄印:適度発酵」であるだろうと推測しています。等級の大きな陳年茶葉を使用しているところに共通点が見られます。
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【七子黄印大餅70年代】
1975年頃からつくられていた「7582大葉青餅」ですが、このお茶が注目されたのは、1985年の香港の南天公司が 「8582七子餅茶」を売り出してからのことです。
「8582七子餅茶」の味の評判がよくなり、陳年茶葉を配合した製法が見直され、これと同じ手法で作られていた「7582大葉青餅」に人気が出ました。今日では、「7582大葉青餅」こそが、「8582七子餅茶」のベースであり、香港の南天公司が名前を変えて独自銘柄の「8582」にしたという説が有力になっています。
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【厚紙8582七子餅茶プーアル茶】
円盤型に圧延された餅茶は、大きさ(等級)の異なる茶葉が配合されます。美しく仕上げるために、表面には細かい茶葉を、裏面には粗い大きな茶葉が配置されています。この「7582」は5〜8級の大きめの茶葉が使用されていることから、「大葉青餅」と呼ばれます。
大葉が使われている特徴は、とくに裏面の茶葉の配合に現われます。上の写真はいずれも裏面ですが、ところどころ大きめの葉が表に浮き出ているのがはっきりと見えます。
その中に、枯れたような色の茶葉がありますが、これが「陳年茶葉」であるといわれています。

餅茶を二つに割った断面。大きな茶葉がザクザクしています。
この早期の「7582青餅」には、陳年茶葉が80%も配合されていると言われています。餅茶の裏も表も、美しく仕上げるための細かい茶葉が配置されていますが、割ってみると、中にはたしかに大きめの粗い茶葉が多く見つけられます。
1975年頃の早期の「7582青餅」には不明な点が多く、プーアール茶の専門誌でさえ意見がまとまりません。それがまた魅力でもあるのですが・・・・・
「7582」=「特級大葉青餅」か?
同時期の、1975年頃から存在する「特級大葉青餅」が、この初期の「7582」に似ています。市場には「7582」に似た2つのタイプの餅茶が存在しました。
「7582」は輸出用に出荷されたので、雲南からそのほとんどが一旦香港の茶商の手に渡ります。香港の茶商は、ある違いに目をつけます。
■大きな茶葉の量が異なる。
上記のように、古くなった大きめの粗い散茶を混ぜて固めて圧延して餅茶にしていますが、古い散茶と新しい茶葉の配合が均一にはならないので、一枚一枚に差がでます。それで、中には特別大きな茶葉が目立つ餅茶が存在しました。「大葉青餅」と名付けるのにふさわしい餅茶です。
また、7582青餅は1975年〜1980年初期まで生産されますが、初期のものほど大きい粗い茶葉が多く含まれているということから、大きい茶葉の多いものに価値が付きました。全体的に大きな茶葉の使用されているものを「特級大葉青餅」と名付け、小さめの茶葉のものを「7582」と区別します。
■包装が2種類存在する。
七枚組みの竹包みから出てきた餅茶には、印刷の異なる2種類の包み紙があります。同じ竹包みなので、もちろん同じ時期に作られて出荷されたはずですが、当然包み紙のデザインの希少なものに価値が付きます。

包装紙の「雲南七子餅」の「雲」字の印刷に違いがあります。
上のほうの写真のものが少数になります。

「雲南七子餅」の「七」と「子」についても縦の棒線の形に違いが見えます。これも上のものが少数ということで、価値があります。
そのほかにも、内飛(茶葉に埋め込まれている紙)の文字の様子もことなりますが、当店で入手したものはすべて同じデザインのものでした。
「中国土産畜産進出口公司雲南省茶葉分公司」
この「中国」の「中」の文字のデザインは、「口」の部分が小さな「小口中」版です。1970年代の文字のデザインは、ほとんどが「大口中」版になり、「小口中」版は、「七子黄印」のシリーズの一部、「7452七子餅茶」、「特級大葉青餅」や、この「7582大葉青餅プーアル茶」くらいの限られた銘柄のみです。

この内飛の「西双版納泰族自治州(孟力)海茶廠出品」と書かれた文字のデザインは、「紫紅色普通平出内飛」と呼ばれるもので、インクの色は赤紫がかった色で、「出」の字の「山」の部分の上下の大きさが同じものです。こちらのデザインは数の多いほうですが、数の少ないほうは、「白紙長條美術字内飛」と呼ばれるものでインクの色は朱色、「出」の字の、上の「山」が小さく下の「山」が大きいデザインです。

この写真は、内飛の大きさの違いを比べているものです。左の小さめの内飛は「厚紙8582七子餅茶プーアル茶」のもので、右のがこの「7582大葉青餅プーアル茶」のものです。
大きなサイズの内飛は「大内飛」と呼び、1970年代に孟海茶廠(メーカー)で生産されたお茶であることを示します。その後、「大内飛」は1990年代にも使われます。
内飛から見ても、このお茶は1970年代に生産されたはずなのですが、これも専門書によって意見が異なります。また、もしかしたら生茶ではなくて熟茶ではないかという話まで出てきます。
■1980年代から生産されたという説
五行圖書出版有限公司 『七子餅茶事典』 34ページ
著者:張弘陸氏 2004 年2月出版を参照
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孟海茶廠の7582青餅は「若いときの紅印」と呼ばれ、とても人気があり、同時期の七子餅より価値は高い。1980年代初期、雲南県各茶廠の倉庫に長期間積んで置かれた荒野茶(またの名:大樹茶)を
見つけた。 この大樹茶は茶科植物。飲むことができる。そして、当年の新鮮な茶葉と一緒に配合し、餅茶を作る。
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■1970年代から生産されたという説
五行圖書出版有限公司 『プーアール茶藝 13期』 34ページ
筆者:陳智同氏 2005年2月出版
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7582青餅は70年代から生産。 1985年に香港の貿易商の南天公司が雲南孟海茶廠にこのお茶を大量発注するが、輸出用に新しい茶号が必要となり、7582の「75」を「85」に替えた。
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■1970年代から生産されたという説
五行圖書出版有限公司 『深邃的七子世界』 232ページ
著者:陳智同氏 2005年10月出版 を参照
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特級大葉青餅 生茶 1975年〜1985年
香港の貿易商の南天公司が、1985年に「8582餅茶」を孟海茶廠に発注。1970年代からすでに生産されていた、「陳年茶葉」を使ったお茶の「7582青餅」をモデルにした。
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■1970年代または1980年代のどちらもあるという説
雲南科技出版 「普「シ耳」茶続」 56、57ページ
著者:ケ時海氏 耿建興氏 2005年8月出版
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仮説1.
1985年に「8582プーアル餅茶」を香港の南天公司へ輸出するときに、倉庫の片隅にあった古い七子餅茶(7582青餅)がいっしょに輸出された。孟海茶廠の倉庫には売れ残りの固形茶の完成品を寝かせてあり、これを「堆尾茶」(dui
wei cha)と呼ぶ。「堆尾茶」の中には、高級な印級クラスのお茶もある。
仮説2.
「7582」は、実は「8582」であり、1985年に、孟海茶廠の倉庫にあった古い茶葉を使って作られたもので、「8582」との茶葉の配方(等級の異なる茶葉の配合)は同じであるが、その中でも大きな茶葉が多く混じり、古く見えるものだけを「7582」と名付けて、「8582」と区別し、価値をつけた。
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■生茶ではなくて熟茶であるという説
五行圖書出版有限公司 『深邃的七子世界』 160、161ページ
著者:陳智同氏 2005年10月出版
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7582(熟茶) 大葉青餅(生茶)
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解説: この著書では、生茶の7582餅茶を「大葉青餅」として、7582という茶号は熟茶の製品であるとしています。なぜ熟茶であると判断したのかは不明です。
■熟茶の7582もあるという説
雲南科技出版 「普「シ耳」茶続」 56、57ページ
著者:ケ時海氏 耿建興氏 2005年8月出版
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著者は2005年の初めごろ「7582」の支飛を見つけた。支飛には「熟餅皇」と記されており、「渥堆」(ウォードゥイ)の熟茶として販売されていた形跡がある。
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解説: 著者は、2005年の初めごろに「7582」の「支飛」を見つけました。
プーアール餅茶は、七枚で一組の竹の皮で包まれた1筒が12組そろって竹の籠に入ります。つまり84枚で一つの籠。その籠にひとつだけ付いている紙の札を「支飛」(zhi
fei)と呼びます。この「支飛」に、「熟餅皇」と手書きで記された跡があります。これはおそらく香港の茶商が記したものですが、なぜこれに「熟茶皇」としたのか、理由はわかっていません。おそらく茶商が湿度の高い倉庫で発酵させて、他の一般に出回っている「7582青餅」とは異なるとしたかったのだと思われます。

乾いた木の皮のように見える大きめの粗い茶葉。
陳年茶葉です。

透明感のある赤味の強い色。
梅子香(梅の香り)があります。
味のバランスがよいせいで、ややあっさりと感じますが、お茶らしさのある渋味や酸味はしっかりとして、高級感があります。
当店の保有する「厚紙8582七子餅茶プーアル茶」にくらべると、甘味が少ないのですが、倉庫の環境の差が現れていると思います。このお茶「7582大葉青餅」はやや乾燥した環境に保存され、緩慢な変化で熟成してきたようです。そのため、味には透明感があり、軽快な印象になっています。
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【厚紙8582七子餅茶プーアル茶】

葉底(煎じた後の茶葉)。
上の写真の茶葉がやや白っぽく、下の写真のが濃い色です。茶葉の等級の差があります。小さめの若い茶葉は薄く色が明るいですが、大きめの等級の茶葉は厚みがあり赤味があります。
また新しい情報があれば、ここに文章を追加してゆきたいと思います。
7582大葉青餅プーアル茶 1枚約330g
茶葉の量のめやすは以下をご参照ください。
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【5gのプーアール茶葉でどのくらい飲めるか?】
保存方法については、以下のコーナーをご参照ください。
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【プーアール茶の保存方法】
⇒
【プーアール茶.com店長にメール】
お客様のご感想
ご質問:
7582大葉青餅プーアル茶が熟餅だったという記述がありましたが、これは熟餅と生餅の両方があったのでしょうか?
回答:
1960年代から熟茶の研究がはじまりましたが、この頃に、茶葉を散茶の状態であらかじめ陳化させる手法が試みられています。おそらく熟茶の加工を意識したものだと思うのですが、「渥堆」という加工方法=熟茶と定義するとしたら、茶葉を陳化させる手法で「渥堆」を使っていないものは生茶となります。例えば「小黄印圓茶80年代初期の散茶」や「7562磚茶プーアール茶」は、茶葉を陳化させる方法で加工された生茶ですが、「二分熟茶」や「三分熟茶」ともいわれることがあります。
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【小黄印圓茶80年代初期の散茶】
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【7562磚茶プーアール茶】
この時期のプーアル茶の生茶と熟茶の定義があいまいだったことから、このような混乱があると思われます。
7582大葉青餅プーアル茶も結果的に陳化した茶葉が配合されており、「渥堆」のない生茶ですが、当時、これを熟茶と分類しようとした可能性があります。
つぎにこのプーアール茶はいかがでしょうか?

7582青餅94年プーアル茶
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【このプーアル茶の詳細】