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版納古樹熟餅2010年 その1

ban na gu shu shou bing cha

版納古樹熟餅プーアル茶

■概要
製造 : 2010年7月20日
茶葉 : 西双版納州孟海県巴達山 曼邁寨+章朗寨 2009年秋茶
製茶 : 賀松寨の製茶農家
茶廠 : 孟海県の茶廠
工程 : 熟茶
形状 : 餅茶 385gサイズ
保存 : 西双版納―上海
当店のオリジナル品です。
+【当店オリジナルのお茶について】

版納古樹熟餅2010年

はじめに
「熟茶」は、麹菌や酵母で発酵させたお茶です。
発酵による滋養豊富な成分は、冷えた体を温め、消化をたすけ、身体の求めてやまない味わいがあります。
【消化をたすける発酵のお茶】 (参考ページ)
以下の文章は読まなくても、美味しく飲んでいただけます。

■古茶樹の熟茶
雲南省南部からミャンマー・ラオスにひろがる亜熱帯山岳地帯はプーアール茶の里です。山奥の自然林には樹齢数百年にもなる古茶樹が群生し、山に生きる人々がお茶と共に暮らしています。

環境の変化や、人々の暮らしの変化のために、古茶樹は希少になりつつありますが、野生味あふれる味わいの人気は衰えず、高級茶としての魅力を増してきています。

版納古樹熟餅2010年

ところが、プーアール茶を代表する「熟茶」には、古茶樹でつくられた例がほとんどありません。畝づくりの新茶園の量産型の若い茶樹でつくるのが一般的です。
近年の製品パッケージには「古茶樹」や「野生茶」と印刷されたものも増えていますが、当店が現地で見ている事実とは異なるところがあります。
発酵で変質した茶葉の鑑定は難しいので、他人任せにしないで、一度自らの手で集めた本物の古茶樹を熟茶にしてみたいと考えました。

ところが、この試みは簡単ではありませんでした。
熟茶づくりの渥堆(wo dui)と呼ぶ製法ゆえに、少量生産が難しいのです。
茶葉を発酵させる工程において、少なくとも数トンは茶葉を集めて積み上げないことには、発酵がうまくゆきません。

版納古樹熟餅2010年

新茶園で量産されている茶葉なら、10トンでも20トンでも簡単に集まりますが、古茶樹となるとそうはゆきません。産量が少なく、山奥の農家一軒一軒から数十キロ単位の毛茶(原料となる茶葉)を少しずつ集めることになるからです。

そもそも熟茶というのは、量産が目的で生まれてきたお茶です。
大量の茶葉を積み上げて発酵させる製法は、少なくとも1000年は歴史のある黒茶づくりをもとに、1960年頃から研究され、1973年にその製法による最初のお茶が販売されました。
国が”製品の大衆化”を求めていた時代です。
輸出で外貨を稼ぐ高級品を除いて、人民の健康をささえるお茶を、安く・美味しく・大量につくることがテーマとなり、設備の大きな国営工場に熟茶の生産がゆだねられました。

今からふりかえってみると、渥堆発酵の熟茶は、プーアール茶量産時代の幕開けを告げる製品だったのです。
熟茶の誕生によって、プーアール茶の未来は大きく開けました。今日のみんなの知っているプーアール茶は「熟茶」のことです。数百年かあるいはそれ以上に長い歴史のある「生茶」のことではありません。香港や広東の飲茶のプーアール茶は「熟茶」です。ダイエットの減肥茶も、小粒でかわいい小沱茶も、上海国際空港で3年モノを30年モノと偽って1300元で売られていた定価60元の餅茶も、みんな「熟茶」です。

今や世界ではプーアール茶=熟茶です。
「紅茶」や「緑茶」や「ウーロン茶」に続いて、日常のお茶としてのポジションを確たるものにしつつあります。

版納古樹熟餅2010年

熟茶は生まれつきの量産品です。
少量生産の古茶樹との相性は良くありません。
有名茶山の古茶樹は高価なので、それで熟茶をつくれば高価になるはずです。しかし不思議なことに、生茶の高級品よりも高価な熟茶を見たことがありません。

過去の1970年代の銘茶とされる熟茶製品の中には、その当時はまだ安かったせいか、それとも高級茶づくりに余った粗茶葉が使用されたせいか、古茶樹の茶葉の特性が見られる製品がいくつかありました。
それらは30年以上熟成され、特別な風味がファンを魅了しています。
当店もファンを魅了するお茶をつくるべきです。

義安棗香73特厚磚茶

まずはいくつかの茶廠(メーカー)に相談してみました。数トンなんて言わずに、せめて数百キロでできないだろうか?
どこへ行っても「無理」と、あえなく断られました。しかし、そのうちの一軒はちょうど古茶樹の熟茶をつくっているところでした。

初めての試みだったようです。
茶葉は布朗山(西双版納孟海県の有名茶山のひとつ)の雨の季節の安価なものを集めていました。安価といっても、量産型のと比べると数倍の価格です。
渥堆のために積み上げられたその茶葉をちらっと見ましたが、少なく見積もっても7トンはありそうでした。
その茶廠は2年間かけて布朗山のあちこちの農家から、季節外れの古茶樹の毛茶を買い集めて保存していたのだそうです。

版納古樹熟餅2010年

やはり当店もその手を使って、2年ほどかけて集めるしかないかとあきらめかけていたときに、別の茶廠から「1トン以内でやってみましょう!ただし失敗しても責任は取りません。」との打診がありました。いったん断ったものの、その後も思案してくれていたようです。

職人の話を聞くと、ごく簡単な工夫をするだけのことでしたが、しかしこれならいける!と思えるアイデアでした。少量で渥堆発酵できるなら、茶葉さえ集まればすぐにつくれます。
渥堆発酵のベストシーズンは、西双版納の気温と湿度の上がる4月中旬から9月です。このとき2009年9月だったので、翌年の2010年4月までに茶葉を集めたらよいのです。
秋の旬の始まる10月までに、まだ1ヶ月はありました。先手を打てば良い茶葉が入手できるはずです。

■収茶
一番の旬は春ですが、秋の10月は二番目の旬です。
雨が減り気温が下がってくると味はぐっとのってきます。この季節は茶樹が花を咲かせ実を付けます。春に比べると風味はおだやかで、旨味の強い印象があります。
秋の茶葉は葉のすぐ下の茎の部分が長いのですが、茎は発酵を促す澱粉や糖分が豊富で、お茶を甘くすることにもなり、邪魔にはなりません。
実際に美味しい熟茶には、茎の部分がたくさん入っているものが多くあります。新芽や若葉だけの熟茶をつくる場合も、茎の部分をいっしょに発酵させておいて、後から篩分けする方法もあります。
そしてなにより秋の茶葉は、春に比べると価格が安いのです。春の旬よりも3割は安く入手できます。

版納古樹熟餅2010年

どこの茶山を選ぶかは、孟宋山(meng song)か巴達山(ba da)のどちらか、あるいはそのブレンドでいこうと決めていました。
西双版納で熟茶づくりのできる茶廠(メーカー)はメコン川を境にして西側の孟海県に集中しています。そして古くから熟茶用に使われていた茶葉もまた孟海県の茶山のものです。孟宋山と巴達山は孟海県にあります。

版納古樹熟餅2010年

孟宋山はミャンマーの国境まで4kmにせまる辺境地帯で、西側でもっとも有名な老班章に負けないくらいの大きな古茶樹があります。虎が国境を越えてきて茶園に放牧している黄牛を襲うことがあるという、ナショナル・ジオグラフィックの聖地でもあります。
その土地に昔から住む愛尼族の2つの寨子(村)を訪問し、古茶樹を見学し、何軒かの農家のつくった毛茶を試飲しました。

このときはじめて一軒一軒の農家の製茶技術にかなり差があることに気が付きました。
茶商はあるていど毛茶の出来を見て選ぶので、農家は自分の技術を他の農家に公開したがりません。小さな村の中でも技術差がひらいているのはそのためです。

版納古樹熟餅2010年

当店が集める毛茶の量は1トン以内ですが、それでも1軒100キロだとしたら10軒の農家を束ねることになります。秋の旬は10月の1ヶ月間だけ。農家一軒がフル稼働しても100キロの毛茶がよいところです。
古茶樹は自然栽培のために茶葉の産量が少ない上に、茶摘みは木に登っての作業もあるので、収穫効率が悪いのです。

10軒の技術レベルをそろえるのは至難の業です。たとえそこに住み込んで管理をしても、2年も3年もかかって少しずつ良くなってゆくものであって、この1ヶ月でなんとかできるものではありません。

この問題に頭を抱えていたときに、製茶を専業にしている巴達山賀松寨の農家が、鮮葉の収茶を提案してくれました。
それぞれの農家で製茶しないで、摘みたての鮮葉を集めてきて、一箇所で製茶するという方法です。
たしかにそれであれば、技術の問題はなくなります。
鮮葉を仕入れる方法については、『巴達古樹青餅2010年プーアル茶』のページに詳しく書いているのでご参照ください。
+【巴達古樹青餅2010年プーアル茶】

版納古樹熟餅2010年

結局それが決め手となって、巴達山の古茶樹にしました。
巴達山には曼邁寨と章朗寨の二か所に古茶樹があります。その2か所は道のりで30キロほど離れていますが、その中間に賀松寨があるので、毎日車を飛ばして摘みたての鮮葉を集めにゆき、賀松寨に持ち帰って、その日のうちに製茶します。それを1ケ月間続けます。

鮮葉なら、古茶樹と量産型の茶葉とが一目瞭然に見分けられるので、品質チェックも確実です。
曼邁寨と章朗寨の農家は製茶する必要がないため、茶摘みに時間を割くことができ、収穫量も少しは増えます。

■その2 製茶(つづき)

+【版納古樹熟餅2010年 その2】


版納古樹熟餅2010年 1枚 380g


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