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7532七子餅茶80年代プーアル茶

qi wu san er qi zi bing cha


7532七子餅茶80年代プーアル茶

7532七子餅茶80年代プーアル茶 約320g
2010/01/22 終了

製造 : 1980年代
茶廠 : 孟海茶廠
茶山 : 西双版納江北
茶樹 : 大葉種喬木 古樹
茶葉 : 3級ー6級 新芽を多く含む
工程 : 生茶
重量 : 300-330g
倉庫 : 香港乾倉→上海常温

甘味
●●●●○
渋味
●●●○○
とろみ
●●●○○
酸味
●●○○○
苦味
●●●○○ 軽快な苦味
香り
●●○○○ 荷香、糯米香、橙香、蘭香
熟成度
●●●●○

1970年代にはじまった「配方」の技術で、新芽と若葉で構成された代表格の「7532」です。やわらかい茶葉だけを選別して手作業で製茶する贅沢なお茶です。
倉庫熟成によるまろやかで厚みのある風味の中に、キリッとした酸味や軽快な渋味と苦味が心地よく響きます。

■このお茶の鑑定について
2000年頃に上海人のコレクターが香港から入手したものです。その後、上海の常温の保存環境に置かれていました。包み紙はすでに破れて、餅身の端は崩れて、見掛けは悪いですが茶葉の状態はとても良い品です。

7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶

上海人のコレクターはこのお茶は1980年代初期の「小緑印圓茶」だと思っていました。香港の茶商にそのように言われたのだと思われます。「小緑印圓茶」は「7542」の前身となった銘柄で、このお茶「7532」よりも全体的にひとまわり大きめの茶葉が使用されています。しかし「小緑印圓茶」は新芽や若葉が多く足されている製法のため、外から見た目は「7532」にそっくりで、比較対象の無い鑑定は難しいでしょう。
当店が「7532」の1980年代と判別できたのは、包み紙や内飛、内票の印刷文字のデザインによります。



「雲南七子餅茶」の「七」は幅の狭い文字デザイン
「中国土産畜産進出口公司雲南省・・・・・」の「中」の「口」は、タテに狭い「小口中」と呼ばれる文字デザイン。1980年代に主流となったデザインです。「小口中」は1970年代にも少しありますので、これだけではまだ「小緑印」の可能性もあります。


内飛(茶葉に埋められた小さな紙)
「孟海茶廠出品」の「出」は、「山」の上下が同じ幅の「平出内飛」と呼ばれるデザインで、常規茶(作り方が標準化されたお茶)となり茶号で呼ばれるようになった「7542」や「7532」の可能性が高くなります。
「小緑印」は、「出」の上の「山」が小さな「尖出内飛」と呼ばれるデザインになります。



内票(餅茶の包み紙の内側に付けられる紙)
”普耳茶”の「” ”」が「短逗点」と呼ばれるデザインで、これは常規茶として茶号をもった「7542」や「7532」のものです。
「小緑印」は「” ”」がタテに長い「長逗点」になります。



「中茶」マークの「茶」の字は、その微妙な形と色合いが、『深邃的七子世界』五行圖書出版P194の「7532薄綿紙」の写真と同じです。
年代モノのプーアール茶の鑑定は、台湾の五行圖書出版の『茶藝普耳茶』と『深邃的七子世界』に詳しく解説されています。この書籍のおかげで、銘柄の特定がしやすくなりました。
包み紙や文字のデザインには例外もあり、書籍は完全にそれを網羅しているわけではないので100%というわけにはゆきませんが、いくつもの条件をあわせると精度の高い鑑定ができます。

「配方」のお茶作りについては、以下のページをご参照ください。
+【7542の生い立ち】

1986年につくられた「7532」を過去に出品しています。そちらもあわせてご参照ください。
+【厚紙7532七子餅茶プーアル茶】

■この茶葉について

7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶
針のように細く尖った茶葉が目立ちます。
表面には新芽と若葉を多く配し、裏面には少し大きめの茶葉を配する「7532」の配方です。しかしこのお茶「7532七子餅茶80年代」には裏面にも新芽や若葉が比較的多くなっています。配方「7532」が確立された初期の1980年代は「7532」は新芽や若葉のふんだんに使われた品が多く、高級品と呼ぶにふさわしいのですが、1990年代、2000年代となるにつれ高級品が少なくなり、新芽や若葉の質が落ちてゆく傾向があります。とくに2004年に孟海茶廠が民営化してからの「7532」は、中国国内向けの大衆品となっています。ふりかえってみると1980年代の「7532」が最もすばらしい品であったと言えます。

7532七子餅茶80年代
左: 「7542七子餅茶」1980年代
右: 「7532七子餅茶80年代」 (このお茶)

7542七子餅茶
7532七子餅茶80年代
上:、「7542七子餅茶」1991年
下: 「7532七子餅茶80年代」このお茶
ひとまわり大きめの茶葉で構成された「7542」とは明らかに異なる様相です。とくに裏面に配置される大きな粗茶葉は「7542」に多く見つかります。この年代のは粗茶葉もしっかり「揉捻」されて捻り込まれているので、餅面の質感にはデコボコと立体感があります。


左: 「七子紅帯青餅」
右: 「7532七子餅茶80年代」 (このお茶)
「七子紅帯青餅」は、新芽や若葉がふんだんに使われ、「7532」の前身となったお茶です。茶葉の大きさや形状は良く似ています。

7532七子餅茶80年代プーアル茶
針のように細い茶葉が「7532」の配合には多く含まれます。
手作業の揉捻によってしっかり捻れています。茶葉と茶葉がくっついていないので、離れがよく、崩しても茶葉の形を留めています。


7532七子餅茶80年代プーアル茶
上: 「大益7532」2006年
下: 「7532七子餅茶80年代」 (このお茶)
現在の孟海茶廠の大益シリーズで作られる「7532」は、機械による「揉捻」の茶葉が使われています。ねじれの甘い茶葉は、圧延されるとペタッと平らになり、餅面の質感はスベスベしています。
「7532七子餅茶80年代」は、ねじれた茶葉に立体感があり、餅面はデコボコして見えます。

7532七子餅茶80年代プーアル茶
圧延について
小さな茶葉で構成された餅茶は、圧延が強くかかりやすく、餅身はカチカチに固まりがちです。しかしこの「7532七子餅茶80年代」は、比較的厚みがあり、ふんわりと圧延されています。おそらく茶葉の揉捻の具合も関係しています。
年数が経つと、茶葉と茶葉の隙間が空いてきて、餅身はより厚みをもつようになりますが、大きめの茶葉でつくられた餅茶にその現象が多く、小さめの茶葉の餅茶には少ないので、やはりこれは作られた当初から圧延が甘かったのかもしれません。
香港や広東の伝統ある茶商の倉庫は湿度があるため、圧延の強すぎる餅茶は湿気の吐けが悪く、不良発酵する確立が高くなります。「7542」に比べて「7532」はその傾向が強く、同じ倉庫で保存熟成されたものでも、「7542」は仕上がりが良く、「7532」は仕上がりが悪いということがあります。過去に扱った「7532」のページにもそのことを書いています。
+【7532七子餅茶薄紙80年代プーアル茶】
同じように小さな茶葉でつくられた高級品である「92紅帯青餅」はそうした配慮のある作り方がされています。
+【92紅帯青餅プーアル茶】
2000年代になってからは香港や広東の倉庫熟成を念頭に入れないお茶作りへと、作り方そのものが変化したため、圧延のことを配慮しない製品が増えています。

7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶
葉底(煎じた後の茶葉)
明るい赤栗色は良い熟成状態を表します。
「揉捻」が強くかかっているので、茶葉は簡単に開かず、1日以上水に浸け、ピンセットを使って開きました。小さな若葉のなかに、先のほうがぽってり丸みのある形状の茶葉があります。西双版納の旧六大茶山の茶葉の特徴です。茎の部分は太く丸みがあるのは樹齢が200~300年以上の古茶樹の特徴です。
自然な状態で枝を広げて育っている古茶樹から新芽と若葉だけを集める作業はたいへん効率の悪いことです。1970年代に背の高い古樹が切り戻され人の背の高さより低く管理される茶園が増えましたが、それでも樹と樹の間隔があり、枝がのびのびと育つ古樹ではひと苦労です。1990年代から増えてくる若い茶樹を密集させた新茶園のほうが収穫率が良く、機械製茶でさらに効率が良くなり、新芽や若葉をふんだんに使用した餅茶が簡単に作れるようになっていますが、風味は異なります。

■試飲について




茶湯は赤味の強くやや暗い円熟の色です。
色のわりには倉庫熟成のクセはなく、バランスのよい味です。口にまろやかで、すっと喉を通り、ほんの一瞬だけ軽快な苦味と渋味が通り過ぎます。蓮のようなやわらかな香りが特徴ですが、あくまでもひかえめで主張しません。 1980年代の「7532」にしては熟成はすすんでいるほうで、あるいはそれが「小緑印」と勘違いされた所以かもしれません。
小葉青餅と呼ばれる新芽と若葉の生茶は、軽快な苦味と渋味、すっきりした酸味が持ち味です。3月中旬から4月上旬の春摘みの新鮮な風味は、歳月の経った円熟の風味の中にも活きています。この個性を引き出すのは、熱い湯でさっと煎じるのが良いのですが、茶葉を少なくするとどうしても時間をかけて煮出してしまいます。いつもよりは心もち茶葉を多めにして、短時間で煎じるのが良いでしょう。熟成がすすんだ小葉は色の出が早いため、湯を注いでから手際よく秒速で公杯や茶杯に移さなければ濃く出過ぎます。はじめの4~5煎めまでは気を抜かずに淹れましょう。
何煎も楽しめますが、出涸らしは気の抜けたように甘い汁になります。出涸らしを煮出すようにして楽しむのは、大葉青餅と呼ばれる大きめの茶葉のほうが適しています。小葉青餅は、ちょっと贅沢な飲み方をする高級茶であると心得て下さい。

7532七子餅茶80年代と雪印青餅7532七子餅茶
7532七子餅茶80年代と雪印青餅7532七子餅茶
7532七子餅茶80年代と雪印青餅7532七子餅茶
7532七子餅茶80年代と雪印青餅7532七子餅茶

左: 7532七子餅茶80年代
右: 雪印青餅7532七子餅茶
1980年代の「7532」の配方で、特別な茶葉が使用された「雪印青餅」との飲み比べです。
+【雪印青餅7532プーアル茶】
「7532」がベースで、ところどころに「7532」にしては大きめの茶葉が混ざります。また、新芽には「一芽一葉」と呼ばれる、春先の薫り高い茶葉が使用されています。
2つを比べると、「7532七子餅茶80年代」はおっとりして、「雪印青餅」は溌剌としています。ツンと刺激のある樟香と、舌の根本にぐっとくる酸味に力強さを感じます。それに対して「7532七子餅茶80年代」は全体的に丸く穀物のようなやさしさがあり、口の中のどこかにぶつかってくるような刺激はありません。
飲み比べをした場合は、やはり「雪印青餅」が強く印象に残りますが、手元に置くなじみのお茶にするのであれば、「7532七子餅茶80年代」を選ぶ人も多いと思います。

7532七子餅茶80年代プーアル茶
7532七子餅茶80年代プーアル茶
餅身の端に茶虫の食んだ跡と繭の跡がところどころにあります。これは価値を落とすものではありません。
+【プーアール茶と茶虫】
包み紙は破れて、餅茶にはりついていなければ形になりません。そのため1枚単位はフィルムに包んでいます。包み紙のコレクション価値は少ないことをあらかじめご了承ください。
1枚の重量は300g~330gと差があります。320g以下は、崩した別の1枚の茶葉を補充させていただきます。

また新しい情報があれば、ここに文章を追加してゆきたいと思います。

7532七子餅茶80年代プーアル茶 約320g

茶葉の量のめやすは以下をご参照ください。
+【5gの茶葉でどのくらい飲めるか?】

保存方法については、以下のコーナーをご参照ください。
+【プーアール茶の保存方法】


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