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basan tie bing puer-cha 1枚 76,000円 15g 3,500円 ⇒【申込みフォーム】 製造 : 1980年代末期 茶廠 : 下関茶廠 茶山 : 下関茶区 茶樹 : 大葉種 喬木 茶葉 : 3級-5級 工程 : 生茶 重量 : 340−360g 倉庫 : 台湾乾倉
漢方薬のような苦味を、花のような香りと蜜の甘味が包み込む、「鉄餅」の結晶のようなお茶です。 「鉄餅」は、雲南省大理白族自治州の大理市にあるメーカーの「下関茶廠」が、1950年頃から、鉄の押し型でつくっている餅茶(円盤型の固形茶)です。硬く押し固められた茶葉が熟成することで独特の風味を生み出しています。 最初の鉄餅は「早期藍印鉄餅50年代」のページをご参照ください。 ⇒【早期藍印鉄餅50年代】 ■83鉄餅プーアル茶の由来 台湾の商人の張氏は庭石の商人でしたが、石の仕事に失敗したことをきっかけに、1980年初期〜末期にかけて、下関茶廠に鉄餅を大量発注し、お茶の仕事を手がけました。下関茶廠のある雲南省大理は、大理石の産地でもあり、石の仕事で関係があったのかもしれません。後に張氏の仕入れたこの鉄餅に、「83鉄餅」と名がつきました。 この頃、台湾には中国茶を直接輸入することができなかったため、ベトナムのハノイを経由させて、ベトナムのお茶として台湾に輸入されました。そのため、包装のビニール袋の印刷文字には、ベトナムのお茶であるかのように偽装されています。 同じようにベトナム経由で台湾に輸入されたお茶、例えば「7592七子餅茶プーアル茶」を当店で紹介しています。 ⇒【7592七子餅茶プーアル茶】
下関茶廠から出荷されるときには、包み紙や内飛(茶葉に埋め込まれた紙)などの無い裸の餅茶で出荷され、ベトナムに到着してから、印刷文字に「VINATEA」と書かれたビニール袋で一枚一枚包装されます。 ベトナムから台湾に到着してから、その文字を隠すようにしてシールが張られており、そこには「PU ERH YUAN TEA」(プーアル雲南茶)と書かれています。 「83鉄餅」という名は通称であり、下関茶廠(メーカー)での正式名称は「中茶牌繁体字8653鉄餅」です。 茶号(製品番号)「8653」とつく鉄餅は、下関茶廠にて1981年〜現在まで作り続けられている常規茶(毎年きまって作られる銘柄のお茶)で、比較的数が多いのですが、この「83鉄餅」にはその中でも特別な美味しさがあり、高い評価を得ています。 ■中茶牌繁体字8653鉄餅について
中茶牌繁体字8653鉄餅 製造 : 1980年代中期 茶山 : 下関茶区 茶樹 : 大葉種 茶葉 : 3級〜5級 重量 : 330g 工程 : 生茶
包装紙の「中国土産畜産進出口公司・・・」 の文字に繁体字が使用され、1980年代初期〜1990年代中期に作られています。写真の品は1980年代中期のものです。 茶号(製品番号)「8653」とつく鉄餅は、現在も作り続けられていますが、1990年代からのものは包装紙の文字が「繁体字」ではありません。 繁体字の文字が包装紙のある鉄餅には、「首批版」、「8653版」、「8863版」の3種類があります。 ■繁体字版鉄餅の3種について 【繁体字首批版】 中身の茶葉は、末期の「簡体字鉄餅」と同じです。つまり同じ茶葉に包装のデザインが2種、「簡体字版」と「繁体字版」とあります。 七枚一組の竹の皮の包みがあります。 包装紙は、厚棉紙が使用されています。 文献にあるエピソードが記されています。 ----------------------------------- 「中茶牌繁体字鉄餅」の第一批(初めて出荷された)のは、日本からのオーダーによって下関茶廠が生産しましたが、納期の直前にキャンセルになりました。日本の業者は、南天公司から孟海茶廠へオーダー生産された「8582七子餅茶」を仕入れることにしたため、「中茶牌繁体字鉄餅」はしばらく下関茶廠の倉庫に保存され、1992年に香港の茶商に引き取られました。 香港の茶商は、繁体字のデザインの包み紙を簡体のデザインの包み紙に換えて販売しました。つまり、1985年の品を1970年代の品として販売したことになります。 ----------------------------------- 雲南科技出版 「普「シ耳」茶続」 著者:ケ時海氏 耿建興氏 2005年8月出版 28〜31ページ参照
中茶牌簡体字鉄餅プーアル茶 製造 : 1974〜1979年 茶山 : 下関茶区 茶樹 : 大葉種 茶葉 : 2級〜7級 3〜5級の茶葉が多い 重量 : 330g 工程 : 生茶 包装紙の「中国土産畜産進出口公司・・・」 の文字に簡体字が使用され、1974〜1979年に作られています。 「中茶牌簡体字鉄餅」は、過去に当店でも紹介しております。 ⇒【中茶牌簡体字鉄餅プーアル茶】 【繁体字8653版】
圧延のときに、布が使用されたものと、布が使用されなかったものがあります。布が使用されたものは、餅面(餅茶の表面)に布の跡や布のシワの跡があります。側面には丸みがあります。 ![]() 布が使用されなかったものは、裏面の窪みがなく平坦で、鉄型のポツポツした突起があります。もちろん餅面の布の跡はありません。 包装紙は格紋紙と薄絲紋紙です。 【繁体字8863版】 中茶牌繁体字8863鉄餅 製造 : 1980年代末期 茶山 : 下関茶区 茶樹 : 大葉種 茶葉 : 3級〜5級 重量 : 330g 工程 : 生茶 すべて布が使用されたものです。すなわち、裏面には窪みがあり、餅面には布の跡があります。文献には、布の跡が見えないと書かれているものがありますが、おそらくサンプルとされた品が特別にそのような具合のものだったと思われます。布を使用しないことには、裏面の窪みはありえないからです。もしくは、圧延がそれほど強くないために、布の跡が餅面に残らないのかもしれません。 「8653」との違いは、原料となる茶葉の質です。香港の茶商からオーダーにより、新芽など若葉が多く、少し厚みのある、やや上質な茶葉が使用されています。 包装紙は8653と同じで、格紋紙と薄絲紋紙です。 左: 繁体字8653鉄餅 右: 繁体字8863鉄餅 「8863」には、ベージュ色した白毫の新芽が混ざるため、餅面は全体に明るい色をしています。 茶湯の色にも差がありますが、これは保存環境のちがいが影響しています。味は、「8653」が力強く重みがあるのに対して、「8863」はやわらかく軽い風味です。鉄餅にしては軽すぎて、どちらかというと、孟海茶廠の小葉青餅(7542や7532七子餅茶)に似ています。 葉底(煎じた跡の茶葉)は、「8653」が大きめの茶葉が混ざり薄いのに比べて、「8863」は小さめの茶葉でやや厚みがあります。 ■配方について 「中茶牌簡体字鉄餅」と「中茶牌繁体字8653鉄餅」および「中茶牌繁体字8863鉄餅」の茶葉には、大きな違いがあります。それは、餅茶の表面や内側や裏面に、等級の異なる茶葉を配置して圧延加工する、「配方」の技術があるかないかです。 「中茶牌簡体字鉄餅」は等級の異なる茶葉がまんべんなくブレンドされており、「配方」はされていません。「中茶牌繁体字8653鉄餅」や「中茶牌繁体字8863鉄餅」は、「配方」の技術で作られていますので、表面や裏面に配置される茶葉の等級が異なってきます。
上: 8653鉄餅 表の茶葉 下: 8653鉄餅 裏の茶葉 表面に3級前後の若い茶葉で新芽が混ざります。裏面には4〜5級の大き目の茶葉が配置され、茎の部分も混ぜてあります。「配方」による茶葉のブレンドがされています。茶号「8653」の意味は、1986年の「86」、5級茶葉の「5」、下関茶廠の「3」となります。 1958年からの「大躍進」政策による農業改革や、1966年からの文化大革命の影響を受けたプーアール茶作りの「標準化」により、1970年代中頃から孟海茶廠の餅茶作りに「配方」の技術が採用されはじめます。 孟海茶廠の「七子小緑印圓茶7542の散茶」のページにて、紹介していますので、そちらも参照してください。 ⇒【7542七子餅茶の生い立ち】 1970年代〜1980年代にかけて、孟海茶廠の餅茶の生産が間に合わず、下関茶商にも餅茶の生産がまわってきた背景があります。そのため、孟海茶廠の餅茶の技術が取り入れられたのだと思われますが、1990年以降、ふたたび下関茶廠の鉄餅には、「配方」の技術のない品が多くなります。下関茶廠はもともと「沱茶」に力を入れており、餅茶の技術にはあまり関心のないようなところがあります。したがって、茶商からのよほどの徹底した指示のない限り、生茶か熟茶か、布を使うか使わないかというだけで、「配方」の技術を取り入れた製品は少ないのです。 中茶牌8653鉄餅01年 製造 : 2001年 茶山 : 下関茶区 茶樹 : 大葉種 茶葉 : 3級〜5級 重量 : 330g 工程 : 生茶 2001年の「8653」鉄餅です。包装紙には、もはや簡体字と繁体字を分ける「中国土産畜産進出口公司・・・」はありません。民営化に向けた動きのある時期で、香港の茶商からのオーダーを下関茶廠が受けてこれを作っています。茶葉の「配方」は、「8653」のものが受け継がれています。 ■下関茶廠の歴史ついて 簡単に下関茶廠の歴史を紹介します。 ---------------------------------------------- 初期の下関茶廠は国の管理の下、チベット向けの緊茶など、辺境茶がメインでした。 1942年、登録商標「宝焔牌」。 1955年、中国茶葉公司「中茶牌」の「八中標識」を使用。 1955年、民営から国営の下関茶廠となる。 1959年、「雲南省下関茶廠」に改名。 1972年〜1980年 この頃までの主要製品は緊茶、沱茶で、餅茶の生産は少ないのですが、1970年代中頃から、孟海茶廠の餅茶の生産がまにあわず、下関茶廠でも餅茶(つまり鉄餅)が多く作られます。また、1980年代に入って、中国の経済改革により、お茶作りや販売も自由化される方向へ変わってゆきます。 1986年、香港より広東鼎山茶葉輸出公司を介し鉄餅を注文。 1992年、「松鶴」デザインの商標登録。 1996年、下関の徽章マークを商標登録。 2004年、国営から民営となる。
上: 「松鶴」マーク 下: 下関茶廠の徽章 ---------------------------------------------- 参考文献 『深邃的七子世界』 348ページ〜355ページ 著者:陳智同氏 五行圖書出版有限公司 『普「シ耳」茶続』 30ページ〜31ページ 著者:ケ時海氏 耿建興氏 雲南科技出版 ■83鉄餅の茶葉について 「8653」の配方のとおり、表面に3級前後の若い茶葉で新芽が混ざります。裏面には4〜5級の大き目の茶葉が配置され、茎の部分もわずかながら混ぜてあります。 ![]() 側面は丸みがあります。表面のほうに、突出したカーブがあるのが特徴です。。やや餅形(餅茶の形)が薄いように見えます。 左: 83鉄餅プーアル茶 右: 中茶牌繁体字8653鉄餅80年代 実際にはどちらも「8653」なのですが、「83鉄餅」のほうが、やや餅形(餅茶の形)の直径が大きめになっています。その分、厚みがありません。圧延が強いためそのようになった様子です。 左: 83鉄餅プーアル茶 右: 中茶牌繁体字8653鉄餅80年代 茶葉の配合は同じですが、やや「83鉄餅」のほうが全体的に小さめの茶葉になっているようです。このために、圧延が強くかかりやすく、餅形が薄くなったのかもしれません。 ■83鉄餅の試飲について 圧延が強いため、手で上手に崩せるようなものではありません。先のシャープな千枚通しを使うのが良いでしょう。下手な道具で崩すと、茶葉の形を壊してしまいます。端のほうに千枚通しを刺して、ゆるくしておいて、指で抜き取るようにするのがコツです。 茶湯は明るく、透明感があります。赤味のある栗色になります。味のバランスが良いため、多少薄くても濃くても美味しく飲めます。やわらかく、するすると口を通りますが、独特の苦味が舌にとどまり、余韻が続きます。ツウな感じを楽しむのなら、少し濃いめで苦味を噛みしめてください。ガブガブとたくさん飲むよりは、チビチビとやるタイプの風味です。器もそのように合わせるのが良いでしょう。 香りは、下関の茶葉特有の花のような甘さと、煙っぽい香りが混ざります。あくまでも軽快で、全体の印象を「陽」にしています。 葉底(煎じた後の茶葉) 圧延の強いせいで、形をしっかりとどめている茶葉は少ないです。崩すときにも固いせいで茶葉の形が崩れやすいようです。 茶葉は厚みがなく、ペラペラとして柔らかいです。これは、円盤型の餅茶よりも小さなお碗型の沱茶をメインに作っている下関の茶葉の特徴でもあります。 色には赤味があり、熟成がすすんでいるように見えますが、そのわりには柔軟で、変質してカサカサした感じにはなっていません。 ■飲み比べ
左: 83鉄餅プーアル茶 右: 中茶牌繁体字8653鉄餅80年代 「83鉄餅」の茶湯は赤味が強く出ます。作られた年代はほぼ同じか、やや「中茶牌繁体字8653鉄餅」のほうが古いはずなのですが、保存された環境の違いで、「83鉄餅」のほうが熟成の進み具合は良いようです。 味も「83鉄餅」に奥行きがあり、丸みがあり、美味しく感じられます。香りは似ていますが、「中茶牌繁体字8653鉄餅」のほうは煙香がまだ強く残っています。 ![]() 左: 83鉄餅プーアル茶 右: 中茶牌繁体字8653鉄餅80年代 葉底(煎じた後の茶葉)を比べると、「83鉄餅」のほうが全体的に小さめの茶葉であることが分かります。 また新しい情報があれば、ここに文章を追加してゆきたいと思います。 83鉄餅プーアル茶 1枚 76,000円 15g 3,500円 ⇒【申込みフォーム】 茶葉の量のめやすは以下をご参照ください。 ⇒【5gの茶葉でどのくらい飲めるか?】 保存方法については、以下のコーナーをご参照ください。 ⇒【プーアール茶の保存方法】 お客様のご感想 東京都A.Kさま これまで83鉄餅に合うお菓子は何かと探していましたが、やはり小豆のあんこが一番向いているように思います。金鍔、葛桜などが良いです。どのプーア ール茶でも言えるのですが、中でも鉄餅との相性は一番だと思います。上生菓子だとお菓子の方が負けてしまっている感じです。そちらでしたら、胡麻のきいた餡の月餅 なんか良いかも知れませんね。 神奈川県A.Kさま クセのある(煙のようでそうではない)香りが強くてやっぱり苦くて、でも苦いだけでは説明がつかない風味は、甘味が陰で上手く支えているからなのでしょうか? しばらく煎をつないで、出がらしに近くなった時に甘味を強く感じて驚くなど、複雑で感想を上手に表現できませんが、それだけ魅力的とも言えます。今までのプーアール茶のイメージの対極にあるもので、とても楽しいです。 ⇒【店長にメール】 つぎにこのお茶はいかがでしょうか? ![]() 92紅帯青餅プーアル茶 ⇒【このプーアル茶の詳細】 |