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易武古樹青餅2010年プーアル茶 その2

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易武古樹青餅プーアル茶

■挑茶するしない
お茶づくりで一度試したいのが「挑茶」です。
「挑茶」とは、新芽や小さな若葉だけを選ぶことで、それには特別な風味があります。
かつて1980年代初期の頃までは易武山の茶葉で「挑茶」をした高級茶がありました。外貨を稼ぐために輸出されたそのお茶は、香港の茶商たちが倉庫に保存し、近年になってびっくりするような高値がついています。

「採辧春尖」・「加重萌芽」・「精工燻揉」。
その当時の言葉どおりに高級茶づくりを再現するのは、お茶づくりの夢です。
しかし、古茶樹での「挑茶」は現在行われていません。高価になり過ぎることと、農家がその仕事を嫌がるためです。

易武古樹青餅プーアル茶

現在は新茶園で量産された茶葉が「挑茶」されています。新茶園の茶葉は形と大きさがそろっているので、茶摘みが容易で、機械での篩い分けもでき、安価につくれるのです。

茶葉の形も大きさもそろわない古茶樹の「挑茶」は手作業です。大漆樹の老人の話によると、1980年代までは等級ごとに価格が決められていて、一芽一葉にはそれなりの高値がついたそうです。

易武古樹青餅プーアル茶

2010年の春はかんばつのために、新芽や若葉は例年よりも小さめに育っています。それをさらに一芽一葉に挑茶した重量は4分の1にも満たなくなります。単純に計算して4倍の価格。お茶の値段が高くなりすぎます。
今回は挑茶を見送りましたが、いつか試してみたいと思っています。

追記 2012年07月
翌年2012年に「挑茶」を行いました。
+【易武春風青餅2011年プーアル茶】

■萎凋
摘みたての茶葉を「鮮葉」と呼びます。
鮮葉を半日ほど寝かして香りの変化を待つのを「萎凋」(wei diao)と呼びます。プーアール茶づくりでは「萎凋」を意識しません。しかし実際のところ摘んだ直後から鉄鍋で炒って成分変化を止めるまで、緩慢な変化がつづいています。
朝の9時に摘みとられた鮮葉が夜の7時に殺青されるまでには10時間も経過していて、それなりに変化しているはずです。

鮮葉の成分変化は、ある成分が揮発したり、茶葉の持つ酵素によってタンニンが酸化するものです。酸化がはじまると茶葉は発熱し、その熱によってさらに酸化が加速します。

易武古樹青餅プーアル茶

茶摘みの袋の底のほうで茶葉同士が擦れると変化が促され、キツネ色になることがあります。それには紅茶のような香りが微かに感じられますが、まさしく紅茶づくりにはこの成分変化が利用されています。

鮮葉が茶摘みの籠や布袋に入っている間、山から村へ運ぶ籠に詰められている間、笊にひろげて殺青を待つ間など、発熱するのを避けるために、ときどき撹拌して冷たい空気に晒します。熱が下がると変化のスピードは減速します。
農家に持ち帰って製茶を待つ間は、日陰で笊に広げて風通しを保ちます。このようにしておくと急速な変化は無いので、萎凋と言えるかどうかは微妙ですが、それでも少し厚めに鮮葉を重ねて置くと、湿度を保ちながら萎れて、かすかに果実のような甘い香りを発します。

易武古樹青餅プーアル茶

■手作りの製茶
この地方では人の手による製茶が一般的でしたが、近年は機械を使用する農家が出てきました。機械が小型化して少量の製茶にも対応できるようになったのが普及の要因です。

機械の良いところは、お茶づくりでもっとも重労働となる殺青と揉捻を機械に任せられることです。そして技術が安定しています。
それに対して、人の手による労力はたいへんなものです。日が落ちて疲れきった身体ではじめる殺青と揉捻は、質を保つのに根気が要ります。さらに人によって技術の差が大きく現れます。

この数年はプーアール茶が良く売れているので、その原料となる毛茶は、同じ村であればどの農家も同じ価格です。 しかし実際には違いがあります。
その違いは、まさに当店の求めているところです。

易武古樹青餅プーアル茶

易武古樹青餅プーアル茶

■殺青
「殺青」は鮮葉を炒って成分変化を止める工程です。
この火入れ加減がお茶の風味を左右します。

鮮葉のコンディションは、いつも微妙に異なります。小さめの茶葉が多いこともあれば、大きめの茶葉が多いこともあります。水分の多いこともあれば、午後の太陽で乾いた茶葉もあります。茶摘み後に経過した時間によっても水分は異なります。

1回の殺青で鉄鍋に投入される鮮葉は4キロほどですが、そのたびごとに茶葉を見て触れて、コンディションを確かめ、それに最適な火入れをします。
殺青中も、ほんのわずかな変化のサインを逃しません。

易武古樹青餅プーアル茶

薪を燃やす火は微調整が難しいので、鍋に手をかざしたり水滴を垂らしたり、茶葉を投入した瞬間の焼ける音でそれをたしかめ、薪を足したり減らしたり、火入れの時間や手返しの速度を調整します。
瞬間の判断力と素早い動作が仕上がりの質を決めます。

火の通し加減は、茎の部分を指で曲げてポキッと折れるところまでというのが共通した見方ですが、そこに達するまでの時間や手返しの回数は、人によってまちまちです。
大漆樹では4人の技術を比べてみて、最終的に1人だけに担当してもらうことにしました。

易武古樹青餅プーアル茶

■揉捻
「揉捻」は茶葉を強くもんで成分を抽出させ、細くねじった形にする工程です。殺青の後、少し冷めるのを待ってから行います。

両手で丸く集めるように、茶葉同士が擦り合わさるように、下に敷く竹の笊に強く擦れないように気をつけながら、同じ方向へ回転させ、じわじわ体重をかけてゆきます。やがて茶葉が玉になるので、ほぐしてまた揉むことを繰り返します。

早春の茶葉は「醤」と呼ぶエキスが濃く、揉むほどにネチャネチャと手にくっついてきます。熟練者はその手で茶の味がわかると言います。

易武古樹青餅プーアル茶

揉捻の加減はやや強めに、茶葉が細くねじれたほうが良いと注文しました。そうしたほうが旨味や甘味が引き出され、「耐泡」と呼ばれる煎の利くお茶になります。

ただし易武山の茶葉は軽快な香りを持ち味としています。揉捻し過ぎると「コク」とひきかえに「爽やかさ」を失います。それを意識して2010年のお茶は、強めといっても少し手加減をしてもらいました。

易武古樹青餅プーアル茶

易武古樹青餅プーアル茶

1980年代まではしっかり揉捻したのがほとんどでしたが、近年の生茶は揉捻を弱く仕上げるのがほとんどです。その理由のひとつは、茶葉の形が開いていたほうが、いかにも古茶樹らしく見えるからです。もうひとつの理由は、嗜好の変化にあります。2000年頃から経済発展の著しい中国大陸の都市でプーアール茶が流行しました。

易武古樹青餅プーアル茶

それまでの生茶のプーアール茶の主な消費地だった華南地方および東南アジアの華僑の好む風味と、新しい消費地の北京や上海の人々が好む風味とはやや異なります。
揉捻を弱く仕上げると緑茶に似た風味になりますが、緑茶の地域の北京や上海の人々にはそのほうがピンとくるのではないでしょうか。

■晒干
天日干しのことを「晒干」(shai gan)と呼びます。
揉捻の終わった茶葉を笊に広げて晒干します。
晒干は一日仕上げ。雨で翌日に持ち越したら要らない。それが当店の条件です。

プーアール茶はいわば乾物のようなお茶です。山深い雲南の辺境地から馬で運び出し、広州まで3ヵ月、さらに西洋の港にたどり着くのには1年~2年もかかっていました。長期保存できることがどうしても必要でした。
晒干で仕上げたお茶は保存に強く、その乾物的な風味はプーアール茶本来の持ち味と言えます。

易武古樹青餅プーアル茶

易武山は西双版納の他の茶山に比べると空気がやや湿っているせいか、春の午前中は霞が強く、午後になってようやく高地の太陽が照りつけます。そのため日が沈むころになってようやく乾きます。そのスピードが易武山の風味になっています。
今回のお茶づくりでは2日間だけ雨があり、雨をしのぐ軒下で湿ったまま次の日に持ちこした茶葉がありました。それは他の茶商に買ってもらいました。

易武古樹青餅プーアル茶

晒干のときに茶葉をどのくらいの厚みで広げるかによって、仕上がる色は異なります。薄く広げると乾燥は速く、緑色が多く残ります。厚めにすると灰色っぽく仕上がりますが、当店はその灰色っぽく仕上がるのを好んでいます。

■その3 圧餅(つづき)

+【易武古樹青餅2010年プーアル茶 その3】


易武古樹青餅2010年 1枚 380g


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