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易武古樹青餅2010年 その4

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易武古樹青餅プーアル茶

■品茶の問題
お茶の美味しさがどれほどなのか、それを知らないのは、お茶をつくっている本人たちです。うちのが一番に違いないと誰もが信じて疑いません。
それに、お茶づくりをしているときに、他のお茶と比較する暇はありません。そもそも比較する習慣もありません。

村によって風味が異なり、山の斜面によっても風味が異なり、さらに農家によって製茶技術が異なるのを知っているのは、別の土地から買い付けに来る茶商たちです。
したがって、ここから先は当店の単独の仕事となります。

易武古樹青餅プーアル茶

山での試飲は難しいところがあります。
農家で味見して美味しいと思って持ち帰った茶葉を、自宅で試飲すると印象が違うことがよくあります。

水の違い、茶器の違い、そして海抜の違いがあるからです。例えば、海抜1300メートル~2000メートルの高地では、気圧の関係で水の沸点が少し下がります。低地で沸騰した湯は100度でも、高地では90度かあるいはそれ以下のケースがあります。

また、個人差もありますが、ふだんは低地にいる者が高地に入ると、いつもどおりの体調というわけにはゆきません。味覚もそれなりに狂っているはずです。

易武古樹青餅プーアル茶

いろいろな観点から味をみるのを「品茶」と呼びます。
山では品茶が効果的ではないせいか、それとも時間が無いせいか、買い付けに来る茶商たちも山で品茶することはありません。毛茶の見た目、香り、手触りだけで良し悪しを判断します。

ときには毛茶を袋から出してそのまま口にしてバリバリと噛んでみて出来具合をみることがあります。しかしそれで判断できるのはおおまかなところで、少しの違いを見分けることはできません。

そのようなわけで、町に持ち帰っていつものコンディションで試飲して、はじめて品質がはっきりすることになります。
青餅(生茶)は長年熟成して真価を発揮しますが、素質の良し悪しは時間とは関係がありません。良いものは良いままで、悪いものは悪いままです。
つくりたての品茶でみるのはそうした茶葉の素質になります。

易武古樹青餅プーアル茶

■もうひとつの易武古樹青餅
試飲は味比べが基本です。
2つ以上のお茶を比べて、その違いから様々なことが発見できます。
今回の味比べは、お茶づくりの工夫や選択がはたして反映されているのかどうか、どのような効果を生み出しているのかいないのか、そこが焦点です。
そうすると、他所の茶山のお茶と比べてはあらゆる条件が違いすぎるので、参考になりません。

茶摘みを開始したときにそのことに気付いて、一つのアイデアが浮かびました。それは、もうひとつの『易武古樹青餅2010年』を自らつくっておくことです。

易武古樹青餅プーアル茶

農地も茶摘みの時期も同じ。圧餅加工も同時に行います。異なるのは製茶技術だけです。製茶を別の農家が行います。製茶技術の違いに的を絞ることで、確実になにかを見つけられると考えたのです。

『もうひとつの易武古樹青餅2010年』の製茶を担当する別の農家には、いつものとおりにしてもらいました。萎凋→殺青→揉捻→晒干、この流れを一日つきっきりで観察し、わずかな違いを見逃さないようにしました。

易武古樹青餅プーアル茶

以下、『本作品』と『試作品』と呼びます。
試作品の毛茶は15キロ作りました。そのうち餅茶にしたのは16枚分。本作品と同じ日に圧餅し、残りの毛茶は圧延テストなどに使用しました。

圧餅の仕上がりを待つまでもなく、毛茶の段階ですでに気付いたのですが、本作品の茶葉はやや青っぽく、試作品の茶葉はやや黄色っぽく仕上がっています。殺青の火入れ加減の違いです。

易武古樹青餅プーアル茶

味は、見た目よりもさらにはっきりしていました。 結論から言うと、本作品は狙いどおりに爽快感ある風味に仕上がったと思います。また3カ月ほど経ってからは、まろやかさにおいて本作品のほうが優れていることが見つかりました。

しかし、すべてが思い通りというわけにはゆきませんでした。お茶の風味はこっちを取ればあっちを無くすというようなバランスの上にあります。例えば爽快感を取るとコクが減ります。
長期保存によってそれらはどう変化するのか?本作品と試作品は経年変化を追ってゆくことで、さらに新しい発見につながると思います。

■飲み方について少々
生茶のプーアール茶で5年も経たないのは、まだ新しいうちです。新しいお茶の美味しさはずばり「のど越し」です。

例えばビールを味わうならコップかジョッキです。 新しいお茶を「のど越し」で味わうには、少し大きめのカップや耐熱グラスです。それでゴクゴクやってみてください。ゴクゴク飲むためには、たっぷりの湯であっさりと煎じてみてください。 ほんの少しの茶葉で十分です。

易武古樹青餅プーアル茶

苦みや渋みの刺激が強いのを「辛い」と表現しますが、易武山の新しい生茶のプーアール茶は、煎じる茶葉が多いと濃くなり過ぎ、辛味が立って繊細な風味が感じ取れなくなってしまいます。

2010年の春はかんばつのために全体的に味が濃く、苦味や渋味もそれなりに強いのですが、それに負けない甘味や旨味もしっかりあります。そのバランスを上手に引き出すように煎じると、豊かな風味が口に広がり、喉を潤すことでしょう。

易武古樹青餅プーアル茶

■その5 熟成(つづき)

+【易武古樹青餅2010年 その5】


易武古樹青餅2010年 1枚 380g


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