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巴達古樹紅餅2010年紅茶 その3

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巴達古樹紅餅紅茶

■晒干
軽発酵を終えると、もういちど天日干して、こんどは乾物のようなパリパリになるまで乾かします。
生茶のプーアール茶と同じく、紅茶の毛茶づくりも最後の仕上げは天日干しの「晒干」です。 ここまでの工程に火入れがないため、この晒干で茶葉が完全に乾燥することによって、ようやく変化が止まって安定します。

しかし、茶葉に水分がなくなるから変化が止まるのか、それとも太陽光線に変化を止める働きがあるのか、そこははっきりとわかりません。
わかっていることは、必ず晒干(天日干し)でなければならないことと。そうすることで長期保存に強いお茶になるということです。

巴達古樹紅餅2010年

一般的なイギリス紅茶の仕上げは、機械による熱風乾燥です。熱風乾燥はその熱によって飴の焦げたような香りが発生しやすくなります。茶葉の持つ糖分の焦げた香りですが、あまりにも多く普及している紅茶に標準的にあるために、むしろ人々はそれに慣れています。
その点、天日干しでは飴の焦げた香りは発生しません。より純粋な風味に仕上がります。

巴達古樹紅餅2010年

乾燥し切ると、変化が止まって安定した状態となります。そうなると香りは閉じ込められ、鼻を近づけないとわからないくらいです。
これで紅茶の毛茶が完成しました。

■挑黄片
見かけの悪い大きく開いたままの茶葉を取り除きます。
生茶では「黄片」と呼びますが、紅茶はより赤い色をしているので「紅片」と言ったほうがしっくりきます。
機械揉捻でより強い力がかかっているため、生茶のプーアール茶よりもたくさん黄片ができます。
念入りに乾燥させることを兼ねて、太陽の下に大きなビニールシートを広げて挑黄片をしました。

巴達古樹紅餅2010年

紅茶の場合も黄片だからといって味が悪いわけではないので、自分たちの飲む用にそれを確保します。

「挑黄片」の後、袋に詰めて農家の倉庫に置き、圧餅(餅茶に圧延加工する)を待ちます。早春の旬の期間と決めている4月10日まであと2日を残して第一回目の紅茶の毛茶が仕上がりました。

このときの仕上がりがとても良かったので、もう少したくさんつくりたいと思いました。撥水節のお祭りの終わる4月15日頃の様子を見て、もしもまだ雨が少なくて初摘みが残っているようだったら、第二回目の紅茶づくりをしようと話していました。

巴達古樹紅餅2010年紅茶づくり

例年であれば撥水節にもなれば雨が多くなるのですが、今年はかんばつで雨が少なく、撥水節直後の新芽や若葉のクオリティーは早春のものと遜色ありませんでした。

4月15日に巴達山に上がり、16日に収茶を行い、第二回目の紅茶づくりをしました。萎凋 → 揉捻 → 玉解 → 軽発酵 → 晒干すべて順調に終わり、4月17日には仕上がりました。

ただし曼邁寨の古茶樹はこのとき初摘みが残り少なく、鮮葉がたくさん集まらなかったので、初回の半分の量しか出来ませんでした。
2番摘みは4月末頃からはじまりますが、味も香りも薄くなるので、当店は初摘みだけを選んでいます。

巴達古樹紅餅2010年紅茶づくり

4月7日と4月16日の鮮葉の質にはほとんど差はなかったと思いますが、紅茶づくりの場合、その工程における太陽光線や気温や湿度などのコンディションによっても仕上がりが異なります。
そのため、はじめは2つに分けることを考えていましたが、仕上がった毛茶を試飲をしたところ違いがわからないほど接近していました。

巴達古樹紅餅2010年紅茶づくり

巴達古樹紅餅2010年紅茶づくり

ふりかえってみると、茶葉の質も気温や湿度もほぼ同じだったと思います。2つに分ける意味はないので、混ぜ合わせてひとつの餅茶にすることにしました。

■圧餅
紅茶の毛茶を圧延して円盤型の固形茶にします。
孟海の茶廠(メーカー)に茶葉を持ち込んで圧餅しました。
圧餅のときの一連の様子はプーアール茶の生茶と同じなので、「巴達古樹青餅2010年」のページをご参照ください。
+【巴達古樹青餅2010年プーアル茶 その5】

巴達古樹紅餅2010年紅茶づくり

紅茶の石模(石型)は少し異なるタイプが使用されました。
一般的には人が上に乗って圧すタイプですが、この石模はその5倍くらいの重量があり(90キロほど)、より強力に圧延できます。
茶廠の技術者は機械圧延を勧めていました。紅茶は粘着力が弱く、茶葉同士がしっかりとくっつかないので、より強い力で圧延したほうが良いという意見でした。

巴達古樹紅餅2010年紅茶づくり

粘着力の弱い熟茶のプーアール茶は機械圧延が常識です。
持ち込んだ紅茶の毛茶を再度技術者に見てもらって、石模でもいけるかもしれないという判断になり、そこで、より重量のある石模が使用されました。

巴達古樹紅餅2010年紅茶づくり

圧餅の結果、やはり技術者が予想していたように、やや緩く仕上がり、円盤の端の方からポロポロと茶葉が崩れやすい餅茶になりましたが、この程度であれば年代モノのプーアール茶と同じなので問題ありません。

圧餅にはそれよりも別のところに心配がありました。
茶葉をやわらかくするための熱い蒸気と水分、その湿った茶葉を乾燥させる熱風、それらが風味に影響するはずです。
味が変わることはまず間違いないのですが、それがどのように変わるのか、仕上がるまでわからないのです。

巴達古樹紅餅2010年紅茶づくり

現在では珍しくなっていますが、茶交易時代には圧延の紅茶がありました。お茶の歴史をみても中国では湖北省で、日本でもロシア向けに圧延の紅茶がつくられた記録があります。
西双版納で紅茶を圧餅した経験のある技術者を探して意見を聞いてみましたが、「香りはもっと良くなるようだ」とか、あいまいな話しかなく、その理由は?と問うとはっきりしません。
ここまでくると、とにかく試して結果を見るしかありませんでした。

■その4 品茶(つづき)

+【巴達古樹紅餅2010年紅茶 その4】


巴達古樹紅餅2010年紅茶 1枚 380g


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