■長期熟成
この紅茶は熟成が楽しめます。■保存環境
■2012年3月(約2年め)new
2010年春からの2年間で、当店オリジナルのお茶の中でもっとリピートされているのがこの紅茶です。
2年の熟成でまるくなり、ナッツのような芳醇が加わりだしています。つくりたてのときのラベンダーのような鮮烈な香りには、薔薇のような艶が加わってきています。外から鼻へ入る強い香りではなく、口の中から鼻に抜けてゆく穏やかな香りです。
滋味豊富で、後口をキュッと締める檸檬のような酸味があり、濃厚な旨味や甘味にだれることなく、キレの良さや喉越しの爽快感を保っています。
3煎めくらいからの糯米香は、いかにもプーアール茶の茶葉らしい素朴さを感じさせます。月日が経つほど糯米香は増してきているように思います。
毎日飲んでもまったく飽きない味です。
このお茶もまた淹れ方や茶器の選び方によって様々な表情を見せることが、お客様の感想からも伺えますが、どのように淹れてもバランスが崩れにくく、それなりの美味しさがあります。その点で自分の好みにお茶を楽しみたい初心者の方にもお勧めできます。
当店での長期保存で味が思わしくないほうへ偏ってきた場合に、餅茶のままで火入れをすることを検討しておりました。しかし現在のところそのような兆候はまったくなく、このまま10年は自然な変化を楽しめるような気がしています。
■2011年6月(約1年めの追記)
1年めの試飲報告をもうひとつ追加します。
圧餅の火入れ効果を『品茶』にて報告していましたが、その火入れ効果が1年の熟成でどのように現れているかを見ます。
左: 圧餅前の散茶(火入れなし)
右: 圧餅後の餅茶(火入れあり・このお茶の完成形)
この2つは、気の抜けた炭酸飲料と、泡の弾ける炭酸飲料のような違いがあります。
圧餅前の散茶は、味も香りも精彩に欠きます。
圧餅後の餅茶は、味も香りも活気に満ちています。
こうも違うと、この紅茶づくりにおいては圧餅しないことには完成とは言えないと思います。
■2011年5月(約1年め)
摘みたてのラベンダーのような鮮烈な香りから、しっとり熟れた薔薇のような香りに少しずつ変化しています。まろやかでゆっくり口の中をめぐる味には、ミネラルの豊かな色彩を感じます。鉄分や塩分のような「血の味」を連想するところもあります。
淹れ方は、大きめのポットにたっぷりの湯でじわっと煮出す方法と、蓋碗や小さなポットでこまめに湯を切る方法とがあり、印象はずいぶん異なります。
1煎か2煎めに湯をサッと切ると、レモンのようなすっきり感が引き出せます。3煎4煎と煎を重ねるほどに、こっくりとした甘味が抽出でき、後味には燻したような香りや、ラベンダーのような安息の香りが感じられます。
この一年間にいくつかの中国紅茶やイギリス紅茶を試してみました。いずれも素材のままの良さを引き出した製法の紅茶です。紅茶は今や世界中に産地があり、それぞれに特徴を打ち出す工夫がされていて、その多彩さを楽しめます。
そうした紅茶の個性を競う主戦場は「香り」にあると知りました。
高級品や限定品ほど、口にした瞬間の香りが軽やかです。その軽やかさを求めるのであれば、古茶樹よりも成長に勢いのある若い茶樹のほうが良いのかもしれません。また、香りを引き出すのは機械での火入れが不可欠です。味はむしろあっさりしていたほうがより香りを引き立てられるでしょう。
このお茶『巴達古樹紅餅2010年紅茶』はといえば、どちらかというと香りよりも味です。
成分が豊富なことによる力のある味わいは他を圧倒していると思います。 しかし、味の印象が強いと意識がそこにゆくために、香りへの意識は弱くなるかもしれません。
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