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丁家老寨青餅2012年プーアル茶 その6

ding jia lao zhai qing bing cha

巴達古樹紅餅紅茶

■長期熟成
このお茶は長期熟成ができます。
2012年春の茶葉でつくったお茶ですが、それから後にゆっくり変化して、風味の印象を変えてゆきます。
定期的に試飲をリポートします。

熟成プーアル茶

■保存環境

場所
西双版納州孟海県の室内(2012年4月より)
西双版納州景洪市の室内(2013年4月より) 
室温
冬期の寒い日で15度
夏期の暑い日で30度
湿度
乾季で50度
雨季で70度
備考:
西双版納で紙包みと竹皮包みのまま長期保存しています。 出荷前の少量を上海に転送して、陶器の壺で保存しています。

■2014年02月07日(熟成約2年目)new
前回はタイに保存した1枚を試飲しましたが、その後カビてしまいました。置き場所が特別湿度の高いところだったので保存容器に入れていましたが、蓋が閉まっていませんでした。

丁家老寨青餅2012年プーアル茶
解説: 
左の『丁家老寨青餅2012年』は青緑色のカビが発生している。気温20度以下で湿った時に発生しやすい悪いカビ。右の『版納古樹熟餅2010年』はカビていない。生茶はカビやすいが、熟茶はカビにくい。熟茶は渥堆発酵の微生物がつくる天然の抗生物質が作用していると思われる。

今回から西双版納に保存しているのを試飲します。
西双版納は温暖ですがタイほど暑くなく湿度も低いので、熟成変化は緩慢です。7枚組の竹皮包みを外した1枚モノは陶器の壷で保存しています。壷は室内の乾燥した場所に置いています。

丁家老寨青餅2012年プーアル茶

今回は西双版納に保存している1枚と、同じ茶山の同じ製法のお茶との飲み比べです。

丁家老寨青餅2012年プーアル茶

丁家老寨青餅2012年プーアル茶

丁家老寨青餅2012年プーアル茶
左: 丁家老寨青餅2012年 (このお茶)
右: 漫撒古樹青餅2013年・黄印

2012年と2013年の違いだけで、丁家老寨の同じ農地の同じ農家の同じ製法で仕上げたお茶になります。もちろん味はそっくりです。
【漫撒古樹青餅2013年・黄印】
『漫撒古樹青餅2013年・黄印』は、出来立ての時は火入れによる焦げを気にしていましたが、こうして比べてみるとその差はなく、どちらにも煎茶のような焙煎香がほんのりあります。どちらにも焦げがあるとも言えます。それが風味に陰影をつけてなんらかの印象を生みだしています。
熟成で甘味が加わった『丁家老寨青餅2012年』は、味わいに重厚感があります。飲み干した口に残る香りがフッと消えてゆく瞬間に、老茶らしい「陳香」が出てきていますが、これが熟成の味わいと言えるようになるにはまだ足りません。今はまだ新鮮でジューシーな印象が勝っています。

■2013年05月24日(熟成約1年目)
この一枚は、タイの北部の温暖なところで、お菓子の紙箱を代用して密封保存していました。湿度の高いところですが、乾燥材を入れていたので、「金花」(コウジカビの一種)の発生はゆるしていません。日本の5月~10月に常温保存したのと似た条件に1年間置いてあったことになるでしょう。

丁家老寨青餅2012年プーアル茶

包み紙を空けたとたん、スイカのような甘い香りがします。この香りは、古いお茶の鑑定にも手掛かりにしている、易武山独特の熟成香です。
易武山周辺のお茶どころはかつて「漫撒山」と「易武山」に二分されていました。山続きですが、茶葉の育ちが異なるので、「大葉青餅」と「小葉青餅」と呼び分けています。このお茶『丁家老寨青餅2012年』は大葉青餅です。
これには栽培方法の違いがあります。そのことを2013年の『漫撒古樹青餅2013年』のお茶づくりで詳しく解説しています。
【漫撒古樹青餅2013年プーアル茶】

丁家老寨青餅2012年プーアル茶

丁家老寨青餅2012年プーアル茶

丁家老寨青餅2012年プーアル茶
左: 『丁家老寨青餅2012年』(このお茶)
右: 『易武春風青餅2011年』

お茶の味は、甘くて清くて柔らかい易武山の風味で、その点では似ています。
新芽や若葉の純度の高い小葉青餅は、「茶気が強い」と言われます。口にした瞬間の印象、味の精彩、輝き、ひとことで言うと「華やかさ」に優れます。大葉青餅はそれに対して、こく、余韻、奥行き、そして煎が続き、ひとことで言うと「味わい」に優れます。
小葉青餅は茶葉が小さなうちに摘み取るので高価になりますが、大葉青餅はそれに比べると大きく育ったのを摘み取るので安価です。この2つは倍近くの価格差があります。
【易武春風青餅2011年プーアル茶】
飲み比べでは、1~4煎めまでは『易武春風青餅2011年』に分があり、5~8煎めまでは『丁家老寨青餅2012年』に分があるという結果でした。
大葉青餅はその形状や成分のため、しっかり湯の熱の通ったほうが味わい深く感じられます。逆に立ち上がりのメリハリには欠けるところがあります。
熟成の観点では、この2つのお茶には1年の差があるにもかかわらず、『丁家老寨青餅2012年』のほうが、熟成香、まろやかさ、甘味において、すでに追い越した感じがします。大葉青餅のほうが繊維質が多く、変化が早い性質があります。

丁家老寨青餅2012年プーアル茶

蓋碗でキッチリ淹れるのもよいですが、大きめのポットでザックリ淹れるのも良いです。大きめのポットは湯の温度が冷めにくいので、熱がしっかり通って成分が抽出されます。
上手に淹れると、後味の吐く息に、伽羅や沈香のような浄化の香りが感じられます。


丁家老寨青餅2012年 1枚 380g


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