■長期熟成
このお茶は長期熟成ができます。
2010年春の茶葉でつくったお茶ですが、それから後にゆっくりと変化して、風味の印象を変えてゆきます。
※次回のリポートは2014年5月頃の予定です。
■保存環境
■2013年6月(約3年め)new
2010年4月から3年経ちました。
茶葉は全体に黒味・赤味がかかって熟成色らしくなってきました。
全体的にふんわりしています。
熱い湯で淹れると香りが立ち、お茶のお茶たる風味に、香水のような高貴な甘い香りが混じります。味は全体的にストレートですが、まろやかさが増しています。
出来たての頃よりも湯の色が澄んできました。風味もまた同じように澄んできています。耐泡(煎がつづく)がすばらしく、いつまでも甘味が出ます。
■2012年3月(約2年め)
2010年4月から2年になろうとしています。
茶葉は全体に橙色が増すように変色しています。
包み紙を開けたとたんに広がる柑橘系の爽やかさは、当店の生茶の中でいちばんです。月日が経つにつれこの香りにバニラのような甘味が加わってきています。
湯を注ぐと、強い火の殺青による茶を焙じた香りが立ち上がります。口に含んでも茶の焙じ香が優勢で、それをドライな苦みが後押しして、ど真ん中のストレートなお茶の印象です。最後に残るかすかなジャスミンのような香りが上品な余韻を残します。
昨年にシナモン風の香りが加わりかけたと報告していますが、たしかに複雑味はこの1年のうちに増したかもしれませんが、際立った傾き方をせず、あくまでバランスを保ち続けています。どちらかというと変化球のような風味を面白がる生茶の中で、緑茶のようなまっすぐな印象のこのお茶は、かえって少数派かもしれません。旨味や甘味が淡麗なので、食事やお菓子にすなおに合わせやすいでしょう。
これらの特徴は殺青の火入れがしっかりされたことの成果ですが、それによって熟成の変化は遅くなるので、 風味に際立った個性が現れるにはもっと年数がかかりそうです。
■2011年5月(約1年め)
2010年4月から1年が過ぎました。
小さめの若葉がそろった全体的に淡い色は、うっすら熟成の朱色が入って、早くも年代モノの風格を持ちます。
美しく整った茶葉の餅茶を崩すのは、少し勇気がいります。
揉捻を強く仕上げています。この場合、出来立てのうちは茶湯が少し濁りますが、1年経った今では透明度を増しています。よく捻じれた茶葉は湯の中でゆっくり抽出されるので、新しい生茶にありがちな辛味の放出を抑えています。
成分豊富な古茶樹のお茶は、下手をするとその力を見せつけがちになりますが、揉捻を強く仕上げたことによるひかえめな風味は、かえって味わう人の注意をうながし、細かな観察がしやすいと思います。
口に含んだ瞬間にふわりと浮き上がり、ゆっくりと沈んでゆくような抑揚感があります。薄く淹れると長く、濃く淹れると短い抑揚が感じられます。
上手に淹れるとかすかにミルクの香りがします。 つくりたてにあった糯米香が今はミルクのようになっています。 さらにその奥にシナモンの香りがでてきたような気がしないでもないですが、それは次回のリポートにいたします。
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