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【オリジナルのお茶の記録】


巴達古樹青餅2010年プーアル茶 その2

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巴達古樹青餅2010年プーアル茶

■かんばつの春
2010年の雲南省の春は100年に1度といわれるかんばつでした。ふだんは雨の多い巴達山ですら、2月の中頃から一滴の雨も降らない晴天が続いていました。
そのため新芽や若葉があまりにも少なく、そして小さいので、曼邁寨の農家の人々は古茶樹の茶摘みにはで出かけてくれません。

巴達古樹青餅2010年プーアル茶

農家の人々は雨を待っていました。
雨が一日降れば茶葉はいっせいに発芽します。山に入って一日茶摘みをすれば、鮮葉にして1人あたり6~7キロの収穫があります。1年の半分近い収入がこのひと月ほどにかかっているのです。
一方で、我々としても茶摘みの人々が増えるのを待ったほうが良い鮮葉を選べます。それが山の斜面のどのあたりのものか、茶摘みされてから袋に入っている間に発熱したり傷んでいたりしないか、新茶園の安い茶葉とすり替えられていないか、などなど、品質を見て選べるほうが良いのです。

巴達古樹青餅2010年プーアル茶

3月10日から待機して待っていましたが、雨の降る気配のないままあっという間に3月30日。しびれを切らして巴達山に入ったその夜に雨が降りはじめました。
いったん降りだすと1週間降りっぱなしも珍しくない巴達山は、かんばつの合間の雨も他所より多く、そのまま2日間断続的に続きました。雨の日は茶摘みができません。山の足元は悪く、気温は15度以下にまで下がり、茶葉が濡れては殺青(鉄鍋で炒る工程)で焦げついてしまいます。

巴達古樹青餅2010年プーアル茶

雨が上がって朝から気持ち良く晴れたのは4月1日。
ようやく茶摘みがはじまります。新芽や若葉はいっきに増えています。この時点で早春といえる4月10日まで残り10日間しかありません。10日間晴れが続くとは限りません。

4月10日というのは当店が適当に決めたルールですが、だいたい4月10日頃には初摘みがほぼ終わり、次の新芽はやや雨の多くなる4月中頃の二番摘みとなります。薫り高いのは初摘みに限ります。
例えば、かんばつで発芽が2週間遅れたから、初摘みの終わるのも2週間遅れるとは限りません。かんばつのために産量が減るので、摘み終わるのに時間がかからないためです。

もうひとつ忘れてはならないことがあります。4月12日からこの地方は撥水節です。ダイ族のお祭りで「水かけ祭り」として有名ですが、このあたりの人々にとってはお正月で、年に一度別の町の親戚を訪ねたりします。そうなると仕事になりません。
とにかく時間がありません。
易武山では一軒の農家で3月1日~4月10日まで40日間かかった仕事を、巴達山ではたった数日でやってのけようとしているのです。

巴達古樹青餅2010年プーアル茶

■収茶の戦い
収茶とは農家へ茶葉を買い取りにゆくことです。
一般的には製茶後の毛茶に対して使われる言葉ですが、今回は摘みたての「鮮葉」です。
鮮葉は品質チェックが確実です。

農家の製茶した毛茶は、安い茶葉を混ぜたり、なんらかの小細工があっても見つけにくいのです。たとえ高値で買い取ることを約束していても、良い茶葉をまわしてくれるとは限りません。信用が次の仕事を呼ぶ市場社会の論理が、辺境の村にはまだ通用しません。

曼邁寨の古茶樹はおよそ3倍の量の偽茶葉が市場に流れていると見られています。つまり本物は4分の1ということになり、しかもそれが混ぜられるとなると、純度100%の本物はさらに少ないことでしょう。
摘みたての鮮葉を手に入れると、その問題を一掃できます。

巴達古樹青餅2010プーアル茶

茶摘みが始まると、曼邁寨の奥へ向かう山道のあちこちにバイクが止まっています。そこから森に入って農家の人々が茶摘みをしています。午後4時半ごろの茶摘みの袋がいっぱいになる頃合いを見計らって、バイクのあるところに車を止めて、大声で呼びます。
返事があればすぐに山に入っていって、そこの茶樹を確かめ、収穫された鮮葉を見て質が良ければ計量し、その場で現金で買い取ります。これを繰り返します。

鮮葉はパッと見て古茶樹かどうか判ります。茶葉の厚み、茎の太さ、色あい、新茶園の茶葉とは大違いです。
第一日目の収茶はうまくゆきました。
第二日目に新たな問題が発生しました。

巴達古樹青餅2010年プーアル茶

我々がまた次の日も鮮葉を買い取りに来ることが村中に知れ渡って、袋の上のほうだけを古茶樹の鮮葉を詰め、底のほうは新茶園の鮮葉を詰めたのが出てきたのです。一人だけでなく数人からそれが見つかりました。袋の中身を底までひっくり返してひとつひとつチェックしていたのでは、必要な量が集まりません。昨年秋の熟茶づくりの収茶ではそんな問題はなかったのですが、早春の茶葉は高値がつくので、小細工をする価値があるのでしょう。

第三日目から作戦変更です。

巴達古樹青餅2010年プーアル茶

信頼できる何人かをアルバイトに雇って、仮設集荷場を作りました。曼邁寨から奥へ数百メートルゆくと古茶樹だけの土地になるので、そこの道の脇にビニールシートを広げ、茶摘み帰りの人々を待ちます。

通りかかるすべての人に声をかけ、袋の中身をシートに広げてもらいます。検品に合格したら、計量、現金支払い、トレーに移し替えて車に積み込む。不合格になったらまた袋に戻して引き取ってもらう。
仮設集荷場は大成功でした。

我々を騙すのは難しい。新芽や若葉の多い鮮葉はそれに見合った高値で買い取る。時間が経って萎びたり、袋の底で変色したのは不可。このことが理解されると、次の日からは良い鮮葉だけが集まるようになりました。
しかし、新たな問題がひとつ。 鮮葉が集まり過ぎるのです。

巴達古樹青餅2010年プーアル茶

旬の茶葉です。これほど良いタイミング、良い品質のものを独占できるチャンスはめったとありません。集まれば集まった分だけ欲しいのが茶商としての本音です。たとえかんばつで価格は高くなっても、それを上回る価値があると思います。

しかし鮮葉には「鮮度」があります。
新鮮なままで持ち帰り、その日のうちに製茶する必要があります。一刻を争う仕事が待ちうけています。
急遽小型トラックを手配し、二台に鮮葉を満載して引き返します。

巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶

鮮度を保つために風通しのある入れ物で、茶葉に圧力がかからないよう小分けし、車の窓を全開で山道を飛ばします。
巴達山賀松寨の製茶場まで20分。そこでは足袋をはいた職人が筵(むしろ)を広げて待ち構えています。
到着と同時に茶葉を広げて撹拌し、冷たい空気に晒します。

巴達古樹青餅2010年プーアル茶

ここでやっと一息です。
茶葉はこのまま数時間は鮮度を保つことができます。
夕食を15分で済ませて、いよいよ製茶作業にとりかかります。もちろん手作業による製茶です。殺青も揉捻も人の手で行います。

人手が足りません。村の人々に声をかけてアルバイトの緊急募集です。少し年配の人であれば、手作業の揉捻は経験があります。

巴達古樹青餅2010年プーアル茶

かまどに火が入り、鉄鍋の温度のが上がるのを待ちます。
これから延々と労働のつづく長い夜を迎えます。

■その3 製茶(つづき)

+【巴達古樹青餅2010年プーアル茶 その3】


巴達古樹青餅2010年 1枚 380g


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