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黄印7572七子餅茶99年

huang yin 7572 qi zi bing cha

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
黄印7572七子餅茶99年プーアール茶

黄印7572七子餅茶99年 1枚 約360g
2012/01/28 終了

製造 : 1999年
茶廠 : 雲南孟海茶廠
茶山 : 西双版納孟海茶区
茶樹 : 雲南大葉種 喬木
茶葉 : 3級~8級
重量 : 340g~360g
工程 : 熟茶
倉庫 : 広州乾倉6年

甘味
●●●○○
渋味
●●●○○
とろみ
●●●○○
酸味
●●●○○
苦味
●●●○○
香り
●●●○○ 糯米香、梅香、樟香、棗香、煙香
熟成度
●●●○○ メーカー・倉庫とも適度発酵

ブレンド茶葉による苦味、渋み、甘味のバランス。
西双版納の手摘みの茶葉が使用された高級熟茶です。
重厚感がありながらも、ドライな喉ごし。熟茶の発酵技術では常に一歩先を行く、孟海茶廠(メーカー)の完成度の高い品です。
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このプーアル茶は、2006年に一度仕入れ、「毎月のお試し茶2006年度」の会員様に、すでにご提供しておりました。その後、「週替わりのお試し茶」で、少量の崩した茶葉を何度かご提供していたのですが、お客様の評判がよかったのと、この1年での変化で、さらに美味しくなったので、再出品することにしました。過去に仕入れたものと出所の同じものです。(2007年12月2日)
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■このお茶の由来

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
茶号:「7572」は、1970年代にはじまった孟海茶廠での「標準化」したお茶作りによる製品番号です。7572の「75」は1975年頃。「7」は茶葉の等級。「2」は、国から孟海茶廠に割り当てられた数字です。
「標準化」したお茶作りが行われた時代背景については、「七子小緑印圓茶7542の散茶」のページの「7542七子餅茶の生い立ち」のところで紹介しておりますので、そちらをご参照ください。
+【7542七子餅茶の生い立ち】

茶号:「7572」の初期の製品は生茶でした。

早期7572青餅70年代プーアル茶
「早期7572七子餅プーアール茶」
+【早期7572青餅70年代プーアル茶】

1975年~1983年あたりの初期に製造された、「早期7572七子餅」は生茶で、別名「7572青餅」と呼ばれています。その後につくられた「7572」は、メーカーで「渥堆」(ウォードゥイ)発酵させる工程のある、熟茶になります。「渥堆」(ウォードゥイ)については、その製法で始めて量産された「73白厚磚プーアル」の紹介ページをご参照ください。
+【73白紙特厚磚プーアル茶】

「茶号」のある製品の中に、 1970年代から孟海茶廠が毎年つくり続けている、「常規茶」と呼ぶ定番の茶号が2つあります。
ひとつは、「7542」で、生茶の常規茶です。
もうひとつが、「7572」(このお茶)で、熟茶の常規茶です。
すなわち、「7572」は、孟海茶廠でもっともロングセラーの熟茶ということになります。一年に何度かに分けて作られ、出荷されています。

■このお茶の特徴

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
表: 3級のくらいの若葉も混じる、5級くらいまでの茶葉
裏: 5~8級の大きめの茶葉
茶葉は、等級の異なるものが、餅茶の表、裏、とそれぞれに配置されます。このようにブレンドすることで、餅茶の表面を美しく仕上げる効果があるほか、味のバランスがよいことや、保存熟成が安定するなどの効果があります。
また、茶葉の収穫や品質には豊作も不作もありますが、常にストックしている茶葉をブレンドすることによって、ほぼ 同じ風味を再現できる、「標準化」したお茶作りの目的に沿ったものです。

「早期7572青餅」は、「大葉青餅」と分類されるほどに、大きめの等級の茶葉で構成されていましたが、この「黄印7572七子餅茶99年」も、全体的に大きめの茶葉で構成されています。

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
餅面の表には、美しく仕上げるために3級くらいの若葉が使用され、白銀食からオレンジ色に変色している新芽の部分も見られます。この新芽と若葉の茶葉に限り、手作業で「揉捻」した跡が認められます。
2004年から民営化され、大衆路線をゆくようになった孟海茶廠の現在の「大益7572」の茶葉は、ほとんどが機械で「揉捻」された茶葉になっています。
餅面の中側や裏側は、5級~8級の大きめの茶葉で構成されています。ところどころ茎の部分も混ぜられています。大きな茶葉や茎の部分は、菌類の発酵活動に栄養を与え、通気をよくするため、熟成には欠かせない部分です。また、茎の部分には糖分が多く、煎じるほどに甘味も出てきます。

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
裏面は、大きな茶葉が浮き出ています。

熟茶は、メーカーで「渥堆」(茶葉に水を撒いて発酵させる)の工程があるのですが、「渥堆」の、発酵度合いにも差があります。
重発酵 (渥堆で強い熟成)
適度発酵  (渥堆で適度な熟成)
軽発酵 (渥堆で弱い熟成)
この「黄印7572七子餅茶99年」は適度発酵に相当します。 熟茶の量産が始まった1970年代の頃から1980年代くらいまでは軽発酵が多く、1990年代、2000年代とだんだんと発酵度合いの強い製品が増えてゆきます。 「渥堆」の技術や設備が進化していったためです。そして、市場で求められるお茶も、茶商の倉庫で長期熟成の必要なものから、メーカーから出荷してすぐにでも飲みやすいお茶へと代わってゆきます。

この「黄印7572七子餅茶99年」は広州の倉庫で6年保存され、その後は上海に移っています。
広州の倉庫熟成の特徴は、「土味」(土っぽい臭い)がつくと言われますが、この「黄印7572七子餅茶99年」の場合は、退倉してすでに1年以上常温の乾燥状態に置かれているため、倉庫臭も消えて落ち着いた風味になっています。

■このお茶の試飲

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
黄印7572七子餅茶99年
茶湯の色の出はゆっくりで、色は明るく透明感があります。熟成の強いものは、もっと赤味が強く、暗い色になるので、茶湯の色からも適度発酵とわかります。
味には厚みがあり、甘味も強いのですが、西双版納の茶葉特有の渋みや苦味の効いたドライな感覚が軽快さを保ちます。飲んだ瞬間に特別な印象を与えるものではありませんが、もっと飲みたくさせるなにかがあります。

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
葉底(煎じた後の茶葉)
「渥堆」で適度発酵されている茶葉なので、茶葉の原形は崩れていますが、何煎もして茶葉が開くと、大きな茶葉の片鱗が見て取れます。熟茶にしては型崩れしていない茶葉です。

■飲み比べ

7572七子餅茶99年無内飛プーアール茶
7572七子餅茶99年無内飛プーアール茶
「7572七子餅茶99年無内飛」(台湾倉庫)
同じ1999年の「7572」です。保存環境が異なります。「7572七子餅茶99年無内飛」は、孟海茶廠(メーカー)から出荷されてすぐに、ベトナム経由で台湾に運ばれました。台湾の倉庫で保存された場合は、比較的乾燥した状態で保存されるため、広州での熟成とは違った風味になります。
1949年~2004年まで、台湾は中国大陸産の茶葉の輸入販売を規制しており、当時の多くのプーアール茶がベトナムのお茶として、台湾に輸入されています。中国産の茶葉であることを隠すために、白い紙で包装してあり、内飛(茶葉に埋められる小さな紙)はありません。そのため「無内飛」という名前がつきます。台湾に届いてから、別便で送られてきた紙で包みなおして販売されます。
当店で紹介している「7592七子餅茶プーアル茶」も同じ経歴を持ち、「無内飛」について詳しく紹介していますのでご参照ください。
+【7592七子餅茶プーアル茶】

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
7572七子餅茶99年無内飛プーアール茶
上: 「黄印7572七子餅茶99年」 広州倉庫
下: 「7572七子餅茶99年無内飛」 台湾倉庫
餅面(餅茶の表面)は、広州倉庫の「黄印7572七子餅茶99年」ほうが、全体的にやや赤味があります。それと写真では分かりにくい程度ですが、白露(バイルー)と呼ばれる、茶葉が湿ったときに成分が浮き出て白くなるところがかすかにあります。白露は、熟成が成功しているものであれば、穀物のような強い甘みや、まろやかな風味が楽しめます。
台湾倉庫の「7572七子餅茶99年無内飛」のほうは、広州倉庫に比べると、全体的に黄色っぽいです。新芽は、「黄印7572七子餅茶99年」はオレンジ色に変色しているのに対して、「7572七子餅茶99年無内飛」はそれよりも明るいやまぶき色をしています。
どちらにも餅面はかすかな光沢があり、熟成の具合の良いことを証明しています。

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
7572七子餅茶99年無内飛プーアール茶
上: 「黄印7572七子餅茶99年」
下: 「7572七子餅茶99年無内飛」
1~3煎めまでは、熟成がやや強い「黄印7572七子餅茶99年」のほうが濃い色になります。

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
7572七子餅茶99年無内飛プーアール茶
上: 「黄印7572七子餅茶99年」
下: 「7572七子餅茶99年無内飛」
4煎目を超えてくると、どちらも同じ色になりました。一般的には、熟成の強いプーアル茶ほど濃く色が出ます。色の出方もやや早くなります。そうすると、熟成が弱いものほど煎が長く続くかというと、そういうわけでもありません。熟成がすすむことによって成分が変化し、煎も長く続くことになります。
味は、「黄印7572七子餅茶99年」広州倉庫のほうが甘味を強く感じ、味の層に厚みがあります。「7572七子餅茶99年無内飛」台湾倉庫は、甘味が弱い分、苦味や渋みがやや際立つので、よりドライな風味になります。好みの問題ですが、この2つの場合は、圧倒的に「黄印7572七子餅茶99年」広州倉庫のほうに美味しさを感じます。

黄印7572七子餅茶99年プーアル茶
孟海一級圓茶99年プーアル茶
上: 「黄印7572七子餅茶99年」 3~8級
下: 「孟海一級圓茶99年」 1~2級
大きな茶葉のブレンドと、1~2級の小さな茶葉のみの、熟茶の餅茶の飲み比べです。どちらも同じ孟海茶廠の1999年製です。
「孟海一級圓茶99年」は、台湾の茶商がオーダーしたお茶です。1級茶葉を中心につくられており、小さな柔らかい茶葉を強く圧延してあるので、カチカチに固まっています。茶葉の通気が悪く、温度と湿度の高い倉庫保存には向いていないため、未入倉で常温の環境に保存されています。一級茶葉という印象が良いため、贈答品の需要のある小売店やお土産屋さんに多いタイプのプーアル茶です。

黄印7572七子餅茶99年と孟海一級圓茶99年
左: 「黄印7572七子餅茶99年」 3~8級
右: 「孟海一級圓茶99年」 1~2級
ちょうど良い濃さに煎じたところ。

黄印7572七子餅茶99年と孟海一級圓茶99年
左: 「黄印7572七子餅茶99年」 3~8級
右: 「孟海一級圓茶99年」 1~2級
濃いめに煎じたところ。

茶湯の色では見分けが付かないですが、味は異なります。
大きめの茶葉の「黄印7572七子餅茶99年」は、おっとりとして厚みがあり、穀物のような落ち着いた香りがあります。
小さめの茶葉の 「孟海一級圓茶99年」は、ドライな口あたりと、かすかに花のような甘い香りがあります。
濃いめに煎じると、
大きめの茶葉の「黄印7572七子餅茶99年」は、苦味が効きながらも、全体のバランスは安定しており、それなりの美味しさが楽しめます。
小さめの茶葉の 「孟海一級圓茶99年」は、苦味や渋味が際立ち、薬香が強くなり、クセがあります。
1~2級の小さめの茶葉だけの 「孟海一級圓茶99年」は、あっさり薄いめに煎じると、花のような甘い香りと、軽快な風味が楽しめますが、茶葉の量が多くなりすぎたり、濃くなりすぎると、不味くなるため、どちらかというと初心者向きではありません。

■その他

黄印7572七子餅茶99年プーアール茶
7枚で竹の皮に包まれています。
ブレンド+大きめの茶葉は、保存熟成も容易なうえ、風味の変化も比較的早いと言えます。ご自宅で何年か保存してみてはいかがでしょうか。

また新しい情報によって、このお茶の過去が明らかになることがあれば、ここに文章を追加・変更してゆきたいと思います。

黄印7572七子餅茶99年1枚 約360g

  茶葉の量のめやすは以下をご参照ください。
+【5gのプーアール茶葉でどのくらい飲めるか?】

保存方法については、以下のコーナーをご参照ください。
+【プーアール茶の保存方法】

+【店長にメール】



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