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早期7572青餅70年代プーアール茶

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早期7572青餅70年代プーアル茶
早期7572青餅70年代プーアル茶

早期7572青餅70年代プーアール茶 1枚 約320g
2009/11/16 終了

製造 : 1975~1983年
茶廠 : 雲南孟海茶廠
茶山 : 雲南徳宏州与思茅地区
茶樹 : 大葉種 喬木
茶葉 : 5~8級
重量 : 310g~325g
工程 : 生茶
倉庫 : 香港乾倉16年、香港常温倉8年、台湾常温倉6年

甘味
●●●○○
渋味
●●●○○
とろみ
●●○○○ 強いとろみ
酸味
●●●○○
苦味
●●●○○
香り
●●○○○ 楠香、梅香、桂皮香、棗香
熟成度
●●●●○ 熟成強くクセあり

15年間も休耕された茶園の、半野生になった茶樹の葉が使われた青餅(生茶の七子餅茶)です。 香港の茶商の倉庫でしっかりと熟成されて、個性ある風味に仕上がっています。

7572の「75」は1975年に初めて製造されたことを表わします。
7572の「72」の「7」は茶葉の等級を表し、「2」は孟海茶廠(メーカー)を表わします。
この番号を「茶号」と呼びます。「茶号」のついた時代の背景については、「七子小緑印圓茶7542の散茶」のページで紹介していますので、ご参照ください。
+【7542七子餅茶の生い立ち】

1975年~1983年あたりの初期に製造された、「早期7572青餅70年代」またの名を「7572青餅」は、生茶です。その後にも「後期7572七子餅」が作られていますが、それらは、「渥堆」(ウォードゥイ)発酵した熟茶になります。
孟海茶廠が「大益」ブランドで作っている「7572」も熟茶です。
毎年決まって生産されつづけている「常規茶」と呼ばれるプーアル茶です。春摘み、夏摘み、秋摘みとそれぞれの茶葉がブレンドされた「7572七子餅茶」が現在も作られています。熟茶の「7572」は以下のページをご参照ください。
+【黄印7572七子餅茶99年プーアル茶】

早期7572青餅70年代プーアル茶
早期7572青餅70年代プーアル茶

ここで紹介する第一作めの「早期7572青餅70年代プーアル茶」は、 1972年第一回の広交会(広東交易会のことで、現在も年に2回ほど輸出用品の展示会をしている)が、香港の茶荘「顔奇香茶荘」に依頼し、雲南の孟海茶廠にオーダー生産されました。


「顔奇香茶莊」は、現在も香港島の上環に存在する、静かな雰囲気の町のお茶屋さんです。台湾の出版社の五行圓書出版の「プーアール茶藝 7期 50ページ」を参照すると、 1928年に17歳の潮陽人の顔思敬さんが香港に「顔奇香莊」を創業し、当時は茶葉を保存する「錫缶茶道器具」をメインに販売をしていたようです。錫缶は湿気を防ぐことができ、茶葉の保存に適しています。1970年代からお茶の仕事をはじめ、店名に「茶」の字を入れ、「顔奇香茶莊」となりました。

良質の茶葉を原料にすることが条件とされたため、15年間も休耕していた茶園の茶樹が選ばれ、その一番最初に摘まれた茶葉、つまり春摘みの茶葉が使用されました。

早期7572青餅70年代茶プーアル茶
半分に割った部分からも、大きな茎の部分や、茶葉が見えます。
茶樹の成長は良く、その葉は、丈夫で質の良い茶葉だったようです。

早期7572青餅70年代茶プーアル茶
早期7572青餅70年代プーアル茶
早期7572青餅70年代茶プーアル茶
葉底(煎じた後の茶葉)から大きな葉が姿を現します。
写真にはありませんが、手のひらサイズの茶葉も出てきます。 手作業でしっかりと捻ってあるため、簡単には開きません。
表面には、大葉種の老茶特有のザラザラブツブツした質感が見つけられます。
早期7572青餅70年代茶の茶葉は5級~8級と大きめ茶葉が使用されています。厚みがあり、触った感じがゴワゴワと硬く、しかも強い弾力があります。

香港の顔奇香茶莊は、大茶楼(レストラン)や、香港の茶商にこのお茶を販売しました。1985年頃まで、この早期7572青餅70年代茶は茶行(小売店)から茶行間でひんぱんに転売されました。ここで紹介する「早期7572青餅70年代プーアル茶」は、香港「馬頭涌道」にある一つ酒楼(レストラン)で見つけられたもので、そこから転々として、台湾中部の「長江藝術茶行」にたどり着き、台湾の茶商が入手したものです。「長江藝術茶行」は、「顔奇香茶莊」とは姉妹関係にある店です。

おそらく初期の倉庫での保管の問題ですが、例えば、七枚組みの一番下の一枚などは、形が崩れていたり傷んだりするので、現在は茶商には扱いにくい七子餅茶のひとつとされています。もしかするとそれが理由で転売されることになったのかもしれません。

包み紙もボロボロになってはおりますが、本物を識別する一つの方法となるいくつかのポイントがあるので、紹介します。

早期7572青餅70年代茶プーアル茶
「雲南七子餅茶」の「雲」の「雨」の部分は、テンテンとカンムリのところが右でつながっています。つづいて、「七子餅茶」の 「茶」の右下の点は水滴のような形です。

早期7572青餅70年代茶プーアル茶
包装紙の真ん中の「八中茶」商標の緑色の「茶」の字はやや小さく、手押しの印鑑です。包み紙は必ずと言っていいほど茶虫に食われた後が残っています。それが不思議と、どの早期7572青餅70年代プーアール茶を見ても、包装紙の真ん中の「八中茶」商標の周りをドーナツ状に茶虫が穴を空けた跡があります。 これがひとつの鑑定のポイントにもなっています。

早期7572青餅70年代茶プーアル茶
包装紙の左下の「中」字の「口」が大きい「大口中」と呼ばれるデザインです。

早期7572青餅70年代プーアル茶
裏側にも、同じように虫食いの跡があります。

早期7572青餅70年代プーアル茶
内飛(茶葉に埋っている紙」の文字は、「細字尖出美術字」と呼ばれる書体です。「孟海茶廠出品」と書かれており、「出品」の 「出」の字の「山」は、上が小さくて下が大きいタイプです。1970年代までのデザインです。

早期7572青餅70年代プーアール茶
早期7572青餅70年代プーアール茶
これは同じ早期7572青餅70年代プーアル茶ですが、包装が異なります。上の薄いほうが今回ご紹介するもので、古いほうの1970年代のもの。下の紙がのもは、後の1979~1982年に作られたものです。中国の「中」の「口」の部分が小さい文字の「小口中」と呼ばれるデザインです。


早期7572青餅70年代プーアル茶はすべて、香港に輸入されてすぐに茶商の倉庫に入り、しっかりと熟成されています。どういうルートで入手したにせよ、いったん湿度の高い倉庫に入っているため、しっかりとした発酵の風味です。まろやかで、バランスが良い味なのですが、ぐっと舌にのしかかってくるような重みがあります。甘さはひかえめです。同年代の青餅(生茶の餅茶)に共通する樟香と梅香のほかに、桂皮(シナモンン)にも似たクセのある香りと、干し柿のような熟れすぎの果物のような重みある甘味。香港人の好むような、強い熟成のプーアル茶に慣れない人にとっては、難しいお茶かもしれません。
+【茶商の倉庫が味をつくる】

本文を作成するのに参照した文献です。
独自の解釈や調査をまじえて文章を作成しています。
● 雲南科技出版社『普シ耳茶続』作者:鄧時海氏と耿建興氏
●五行圓書出版社『プーアール茶藝』5期 110ページ

茶葉の量のめやすは以下をご参照ください。
+【5gの茶葉でどのくらい飲めるか?】

保存方法については、以下のコーナーをご参照ください。
+【プーアール茶の保存方法】

+【店長にメール】


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