製造 : 1988年
茶廠 : 昆明第一茶廠
茶山 : 景谷茶地区
茶樹 : 大葉種 潅木
茶葉 : 5~8級
工程 : 半生熟茶加工
倉庫 : 香港湿倉(期間不明)
茶商の倉庫熟成による独特の風味のある熟茶です。
強い熟成によって、「シナモン」や「ウイキョウ」などのスパイスのような香りが出ており、それが個性になっています。
このお茶をつくった「昆明第一茶廠」は、国営のメーカーの一つでしたが、1995年に解散しています。その後の「7581磚茶」は他のメーカーのつくった複製品となりますが、1988年製のこの品は、まだ「昆明第一茶廠」の作っていたものです。
ちなみに「7581雷射磚茶プーアル茶88年」の、 「75」は1975年からある銘柄。「8」は主に使われている茶葉の等級。「1」は昆明第一茶廠のことを表します。茶葉の取引が国によって管理されてたその当時に割り当てられた番号です。
これを「茶号」と呼びます。「茶号」については、「七子小緑印圓茶7542の散茶」のページの「7542七子餅茶の生い立ち」のところで紹介していますので、そちらをご参照ください。
+【7542七子餅茶の生い立ち】
レーザー(雷射)シールがあることから、「雷射磚茶」と呼ばれます。シールは、偽物防止のためでした。海外輸出向けの信用を落とさないよう工夫されたようです。しかし、今となってはレーザー(雷射)シールも複製されているので、役に立っていません。
包み紙も茶葉も、外観はボロボロになっていて、迫力のある表情です。包み紙には、茶虫の喰った穴が開き、茶葉の表面には一部少し白っぽいところがあります。「白露」(バイルー)と呼ぶ、茶葉が湿ったときに成分が浮き出て白くなるものです。湿度が強めの香港湿倉での熟成がされていた証です。白露のあるものは、美味しいものもありますが、熟成失敗したものも多く、判別の難しい品になります。
もちろんこの「7581雷射磚茶プーアル茶88年」は、倉庫での熟成がとびきり良い結果となっているものです。白露の部分は飲むのに問題はありませんが、気になる場合は、表面の白いところを歯ブラシで擦ってください。
香港の「湿倉」と呼ばれる倉庫の中には、「重湿倉」と呼ぶ、茶葉に水をまいて湿らせる倉庫もあるのですが、除湿をしないか、もしくは季節によっては加湿する程度の「湿倉」もあります。このお茶は、後者のほうの「湿倉」です。
こういった倉庫から出荷されてすぐのときは、茶葉に湿り気があり、倉庫臭と呼ばれるカビ臭さがありますが、そのような品は、倉庫から出してから、常温で比較的乾燥した環境で、数ヶ月かけて風味を落ち着かせます。これを、倉庫から出すという意味で、「退倉」するといいます。このお茶は「退倉」してから約1年が過ぎています。
+【茶商の倉庫が味をつくる】
茶葉のアップ写真です。白露の白っぽくなったところがありながらも、表面には光沢があります。これは熟成状態のよい証拠です。白っぽいだけでくすんだ色になったものは、熟成の悪いものが多いです。
また、白露とは別に、白い綿のようなものが付着している部分があります。これは、茶虫の繭(まゆ)です。もちろん現在はもう茶虫は存在しません。まゆだけが残っています。茶虫については以下に詳しく説明しています。
+【虫の食んだ跡のあるプーアール茶】
茶湯の色は、赤味が強く、やや暗い色ですが、透明感があります。
桂皮(シナモン)のようなスパイシーな香り。甘露の甘味。コクのある旨味。じっくりとあとからくる苦味。それぞれが重なり合って響き、力強い風味を感じます。
葉底(煎じた後の茶葉) です。
煎じた茶葉からも、「シナモン」や「ウイキョウ」に似たスパイシーな香りが立ちます。まるで茶殻のような崩れた姿ですが、なかには大きな茶葉であったと思われる破片があります。「昆明第一茶廠」の熟茶の茶葉はすべてこのように崩れた姿になっています。
廉価で美味しいお茶作りを目指した跡がここにもあります。
昆明第一茶廠の熟茶の磚茶には5種類あります。
そして、それぞれに特徴のある5つの香りがあるとされています。
■雷射磚 / 荷香(ハス)
■7581厚磚 / 棗香(ナツメ)
■棗香厚磚 / 樟香(クスノキ)
■前期文革磚 / 参香(朝鮮人参のこと)
■後期文革磚 / 沈香(ジンコウ)
この基準は、ある香港の茶商の倉庫で熟成されていたものを比べてつくられた基準のため、かならずしもそうとは限りませんが、保存熟成による完成した美味しさのめやすにはできます。
この7581雷射磚茶プーアル茶には、棗香(ナツメ)、樟香(クスノキ)、参香(朝鮮人参のこと)があります。また、何煎かすると、沈香も漂います。
■飲み比べ
同じ「7581磚茶」である、「7581後期文革磚80年代」と飲み比べをしてみました。茶葉やメーカーでの加工はほぼ同じなのですが、保存熟成具合の差が大きく現れています。以下のページをご参照ください。
+【飲み比べ/7581後期文革磚80年代】
冷やして飲んだり、ミルクティーにするとまた格別の味わいです。濃い目に煎じたお茶に氷やミルクを足してください。
参考にしてください。
+【5gの茶葉でどのくらい飲めるか?】
お客さまのご感想
I.Kさま 北海道
とても美味しくいただきました。購入後すぐに飲んだときには確かにスパイシーでシャープな印象があったのですが、最近飲んだところ開封後の変化でしょうか。洗茶後1煎目は透明な甘み、2煎目以降とろりとした濃厚な甘みと穀物のような香りで、同じ7581の後期文革磚80年代に通じる風味を感じました。
ブログにも味の変化を書かれていましたが、このようなこともあるのですね。 また、ほんのかすかですが「雪印7532」のようなのどに引っかかるような感触がありました。
YKさま 府中市
熟茶らしいお茶で1煎目は厚い濃い色が出て、またスパイシーな香りもあって重厚な味です。2煎、3煎と色と味は薄くなりますが、甘みと香りは残るので、それぞれの段階で楽しめました。私は2煎目くらいが好きです。1煎目は、良質のバターをちょっと浮かべたりして飲むのも結構いけます。
Y.Nさま
言われるほど土臭いとは思いませんでしたが、私はこの臭みがあったほうが、プーアール茶を飲んでるって感じがします。
K.Mさま 東京都
とても美味しかったです。いままでプーアール茶がこんなに美味しいとは思わなかったです。めからうろこ というのでしょうか?
K.Iさま 大阪府
雷射センあまりにも美味しいので、再リピート致します。
最後の一個(ですよね?)買っちゃいます。
実は、今日香港から帰ってきました。
よく行くお茶屋さんに7581があったので、試飲してみました。
かなりいい熟成具合でしたが、こちらで頂いたものの方が、スパイシーな香り甘味がより深く、素晴らしい熟成具合だと再確認致しました。
お客さまの感想をお待ちしております。
+【店長にメール】
つぎにこのプーアール茶はいかがでしょうか?
大益茶磚96年プーアル茶
+【このプーアール茶の詳細】
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