■長期熟成
このお茶は長期熟成ができます。
2011年春の茶葉でつくったお茶ですが、それから後にゆっくり変化して、風味の印象を変えてゆきます。
このページは年に一度ほどの試飲をリポートします。
■保存環境
■2014年02月(約2年半め)new
餅面は全体的に黒味が増したものの、お茶の風味は1年前からあまり大きな変化が感じられません。早春の新芽・若葉の溌剌とした成分が変化を拒むようで、他の易武山のお茶に比べて変化のスピードが遅い印象があります。
全体的に自己主張が抑えられた感じで、落ち着いた風味になっています。
2煎めくらいまでイグサのような煙味が若干出ます。品種を選べないのでどうしても少しは発生しますが、清淡を求めたお茶としてはややマイナス点です。できるだけ熱湯で、しっかり茶器を温めて淹れることで抑えられます。
「ジュースのような」と表現した濃厚さは今回はあまり感じられず、旨味・甘味がひかえめで、薬味の利いた高級感が出ています。舌に残ってシワシワ感じる収斂味と呼ぶ苦味・渋味もほどよく利いています。
味は透明ながら、口や喉に密度の濃いものを感じさせ、強い「茶気」が全身を茶酔いに導き、存在感は十分です。味を味わうというよりは、印象を味わうようなお茶です。熟成の観点からもこの印象を大事にしたいので、ごく緩慢な変化を保ちたいと思います。
店長のブログもご参照ください。
+【易武春風青餅2011年 その5./茶想】
■2012年12月(約1年半め)
このお茶は、風味に明確な輪郭を持たせない、香りを立てたり味を際立たせたりしない、「無い味」を求めてつくったのですが、熟成一年めくらいから隠れていた濃厚な風味があふれ出てきました。
はじめは苦味や渋味にその兆候が表れ、しだいに甘味や旨味が強くなり、旬の果実を搾ったような鮮烈と芳醇を合わせもつ、茶葉のジュースと例えたくなるような印象です。
早春の茶葉は成分が凝縮されています。少量で十分に強い味が出るので、煎じるときに量をひかえめにします。耐泡(煎が続く)に優れており、何煎でも美味しいどころか、煎ごとに新たな風味の発見があるので、小さめの器を選んだほうがよいのかもしれません。
(写真は大きめの蓋碗を使い、しかも茶葉の量が多すぎます。)
とくに5煎めくらいから現れる穀物のようなふくよかさと、香を焚いたような霞のかかる香りは、茶酔いの効果とあいまって、音のない静けさを与えてくれます。(個人差はありますが、三半規管の血流が良くなって、音の響きが違ってくるような感覚があります。)
なお、同じ茶山の同じ茶葉でつくった『易武古樹青餅2010年プーアル茶』とは熟成するほどに印象の差が開く方向に変化しています。製茶の火入れや圧餅など、技術の違いが現れてきています。
+【易武古樹青餅2010年プーアル茶・熟成】
この結果については慎重に分析し、次回以降の易武山のお茶づくりに生かしてゆきたいと思います。
また新たな風味が見つけられた時にここで報告いたします。
■2012年7月(約1年め)
ブログ「茶想」に少しだけこのお茶の経過を書いています。
+【茶想/薬味】
■その6 お客様の感想
+【易武春風青餅2011年プーアル茶 その6】
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