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荷香老散茶60年代プーアル茶

he xiang lao san cha 1960s

荷香老散茶60年代プーアール茶
荷香老散茶60年代プーアール茶

荷香老散茶60年代プーアル茶
2007/07/15 終了

製造 : 1950年代末~1960年初期
茶廠 : 早期私人茶庄
茶山 : 易武正山
茶樹 : 大葉種 喬木
茶葉 : 5~8級
重量 : 散茶
工程 : 生茶
倉庫 : 不明

甘味
●●●○○ 上質な甘味
渋味
●●○○○
とろみ
●●○○○
酸味
●○○○○
苦味
●●●○○ 軽快なほろ苦味
香り
●●●○○ 蓮香、樟香、糯米香
熟成度
●●●○○ 倉庫熟成やや強め

1960年前後に作られた「老散茶」のプーアール茶です。
易武山の民間の茶荘でつくられたとされ、老茶では名のある茶商の手元を経由しています。

荷香老散茶60年代プーアール茶

香港の泉盛貿易公司の白水清氏は、老茶のプーアール茶の専門家の一人です。 台湾の出版社の五行圓書出版の「プーアール茶藝第14期」には、白氏のインタビュー記事があります。白氏に言わせると、本当に「陳年」プーアール茶といえるのは、およそ60年ものからだそうです。そして、その味は「口に溶ける」と表現されます。
1950年代以前のプーアル茶ということになりますので、易武山を中心とした民営の茶荘のつくっていた品のみが「陳年」のお茶ということになります。
当時の民営の茶荘の歴史については、「沈香老散茶50年代プーアル茶」のページにまとめています。
+【易武老街の茶荘の歴史】

当店と取引のある茶商が、白氏からこの「荷香老散茶」を譲ってもらったときに、有名な「号級」の銘柄のお茶、「同慶號」に似ていると言われたそうです。「同慶號」は、1700年~1950年頃までに栄えた易武の茶荘のひとつです。

荷香老散茶60年代プーアール茶
荷香老散茶60年代プーアール茶
手で揉み捻られた丁寧な仕事の跡が茶葉から伺えます。
等級の大きめな茶葉が多く、茶梗(茶葉の茎の部分)が多く含まれています。

荷香老散茶60年代プーアール茶
この茶梗は、意図的に茶葉と一緒に混ぜて保存されています。
保存の時に茶葉の除湿の役割を果たしてくれるからです。竹炭などとちょっと似た効果があるのかもしれません。いっしょに煎じて飲んでもまったく問題はありません。むしろ茶梗は強い甘味を持ち、それは、菌類の発酵に栄養を与える役割もあります。
茶葉を煎じるとわかりますが、茶梗は表面に浮き、茶葉は沈みます。

長年保存されて熟成してきた老茶ですから、茶葉は若いプーアル茶と違って、乾燥しきっており、また味の成分が表面に浮き出てきていることもあって、煎じるときに少し気を使う必要があります。
煎じるときの順を追って、解説してみます。

荷香老散茶60年代プーアール茶
まず、煎じる時の茶葉は、いつもより心持ち少なめにします。
この蓋碗では4gほどの茶葉が適量なのですが、写真のは2.5gです。

荷香老散茶60年代プーアール茶
荷香老散茶60年代プーアール茶
50年近く経つ老茶の場合は、洗茶をして一煎じめの湯を捨てることをしない場合もあります。これは個人の好みによりますが、一応基本に沿って、さっと洗茶をします。
老茶の茶葉はカラカラに乾いているのと、「揉捻」がしっかりしているため、3煎めくらいまで茶葉が開きませんが、味の成分が茶葉の表面に浮き出ています。このようなタイプの茶葉は、最初の3煎めくらいまでが重要です。色はうすくても、味の成分は十分にあるためです。色で判断すると、濃く入れすぎて、味に雑味が出てしまいます。

荷香老散茶60年代プーアール茶
荷香老散茶60年代プーアール茶
この写真は悪い例で、成分が出すぎた状態です。一見 いい色に見えますが、ここまで色が出ると、雑味が多くなっています。

荷香老散茶60年代プーアール茶
荷香老散茶60年代プーアール茶
この写真は良い例です。 甘味、酸味、苦味、渋みなど、すべての味覚がバランスよく楽しめます。5煎めくらいまでは、このくらいの色になるように調整するのがコツです。もしも色が出すぎて濃くなったら、お湯をたして薄めると良いでしょう。

荷香老散茶60年代プーアール茶
荷香老散茶60年代プーアール茶
4煎めの葉底(煎じた後の茶葉)の写真です。茶葉はようやく開いて、ここから先は、適当に煎じても味は安定しているので、濃い味は濃いなりに、薄い味は薄いなりにに楽しめます。

荷香老散茶60年代プーアール茶
葉底(煎じた後の茶葉)を見ると、なかにはキレイに茶葉の形を残しているものもあります。 表面にイボイボした質感のあるのは、茶商の倉庫での熟成期間中に、金花などお茶を美味しくする菌類の活動が、わずかながらにあった跡で、老茶特有のものです。

香りも味もとても落ち着きが感じられます。
当店のプーアール茶の中では「同興號後期圓茶70年代プーアル餅茶」がもっとも近いと思います。
+【同興號後期圓茶70年代プーアル餅茶】

生茶特有のスッキリした酸味は長年の熟成で弱くなっており、熟茶の年代モノのようなやわらかな印象があります。しかし、よく吟味すると、かすかに柑橘系の酸味や、新鮮な樟香を感じることができ、生茶の特徴を失っていないことがわかります。
苦味も甘味も、少しの渋みも、それぞれにしっかりとしていますが、バランスが良いため、さらりとしています。軽快なほろ苦味は易武山の茶葉のものです。
スルスルと口に入り、何杯も飲んでゆくうちに、体に暖かいものが浸透してゆくのが分かります。まるで風呂上りのような心地よさです。

荷香老散茶60年代プーアール茶
荷香老散茶60年代プーアール茶

口に含んでから鼻に通り抜けるような荷香(蓮の葉の香り)から、「荷香老散茶」と名付けました。味も蓮の実のようなホクホクとした中にある甘みや、芽の部分のちょっとの苦味のところなど似ているような気がします。

荷香老散茶60年代プーアル茶

茶葉の量のめやすは以下をご参照ください。
+【5gの茶葉でどのくらい飲めるか?】

保存方法については、以下のコーナーをご参照ください。
+【プーアール茶の保存方法】


つぎにこのプーアール茶はいかがですか?
同興號後期圓茶70年代プーアール茶
同興號後期圓茶70年代
+【このプーアル茶の詳細】


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