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8892後期紅印圓茶 プーアル茶

8892 hou qi hong yin yuan cha


8892後期紅印圓茶(プーアール餅茶・プーアル餅茶)

8892後期紅印圓茶 プーアル茶 1枚 約370g 
2010/01/02 終了

製造 : 1988年ごろ
茶廠 : 孟海茶廠
茶山 : 易武山
茶樹 : 野生型大葉種喬木
茶葉 : 3級、6級
工程 : 生茶
倉庫 : 香港常温乾倉

甘味
●●●●○ 上品な甘味
渋味
●●●○○
とろみ
●●○○○ 
酸味
●●●○○
苦味
●●●○○ 軽快でほろ苦い
香り
●●●●● 野樟香、糯米香、香草(バニラ)
熟成度
●●○○○ 倉庫での熟成やや弱め

易武山の野生茶葉による個性の強い風味の生茶です。
ややクセのあるキリッとした樟香の中に、やわらかな甘い香りとしっとりした旨味があります。その特徴からまたの名を「樟香青餅」と呼ばれています。

このお茶は福建省出身で香港の茶商の王曼源氏によって1988年にオーダーされ、1989年にメーカーから香港へ引き渡されました。台湾唐人工藝出版の『普耳茶譜』(2000年)で顧問もしている王曼源氏は香港の“プーアル茶王”と一時期呼ばれていました。しかし最近はそれほどの信用はありません。

8892後期紅印圓茶
8892後期紅印圓茶
包み紙の端に「曼源」(Man Yuan)を表すM.Yのマークの印があります。
内飛(茶葉に埋め込まれている紙)は、「中茶」マークのみで、メーカーの名前などが入っていません。これは「紅印」の本家の「紅印圓茶」に似せてあります。

8892後期紅印圓茶
8892後期紅印圓茶
8892の「88」は1988年の製造を表わしますが、実際には1988年、1989年、1990年、1991年まで毎年作られました。その後にも、王曼源氏からのオーダーで何度か作られているという話も聞きますが、包み紙が同じため見た目で判断するのは難しいかもしれません。茶葉は少しずつ異なり、風味も異なります。
当店で入手した「8892後期紅印圓茶」は「第一批」と呼ばれるもので、最初に製造され香港に出荷されたものです。その後「第二批」、「第三批」とで続けるのですが、「第一批」との見分けが曖昧になっています。
当店では2004年5月に一度仕入れたきりで、その後に市場に出回ったものを扱っていないのでリピート購入されたものが中身が違うということにはならないでしょう。
このように茶商が自由にオーダーするタイプのものには鑑定が難しいものがあります。同じような難しさのあった「紅絲帯プーアル青餅96年」のページにもそのことに触れています。
+【紅絲帯プーアル青餅96年】


8892後期紅印圓茶
8892の「9」は、茶葉の等級を表わします。餅面にもところどころに大きな茶葉が見えます。 実際には6級くらいの茶葉が中心で、3級ほどの若葉も混じります。一芽三葉で采茶(茶摘み)されていますが野生茶の特徴である大きな葉のためにあえて等級をつけたところ9級と呼べるような大きな葉が混じるということであって、特別に挑茶(等級分け)されているわけではありません。
8892の「2」は、雲南孟海茶廠を意味します。1990年代後半まではお茶づくりが限られた国営企業にだけに認められており、孟海茶廠や下関茶廠から商品が出荷されています。中には「水藍印七子餅茶70年代」のように、孟海茶廠から小さな工房へ圧延加工を委託したケースもあります。餅身(餅茶の形)の大きさからしてこのお茶は古くからある石型の圧延を易武山の工房に委託したものと思われます。
包み紙には「中国茶業公司雲南省公司」と印刷されていますが、これは1950年頃~1994年まで続いた雲南の茶葉の専売制のために国の管理のもと輸出を担当していた国営会社のもので、お茶づくりをしたメーカーの名前ではありません。1950年代の「早期紅印圓茶」の包み紙の印刷を真似たものです。

8892後期紅印圓茶
8892後期紅印圓茶
上: 表面の茶葉
下: 裏面の茶葉
餅茶の表にやや小さめの茶葉があるように見えますが、基本的には表も裏も均一です。野生種の茶樹から採取された単一の茶葉です。孟海茶廠の茶号のお茶のように、表と裏に異なる等級の茶葉を配置する「配方」的なブレンドは行われていません。
茶葉は全体的に赤味があり熟成が進んでいるように見えますが、これは易武山の茶葉の特徴の一つです。長期熟成時の変色が他の土地のお茶に比べて早く、赤味が増した様子になります。
保存された倉庫は香港なので、しっかり熟成され、倉庫から出て市場に出回ったときは特有の倉庫臭がまだ残っていました。
王曼源氏のお茶を扱う代理店が上海にもありますが、そのお店の話によると上海にも倉庫があり、そこでも「第一批」と呼ぶのを保有しているそうなので、当店が仕入れた香港経由のものとは多少風味が異なると思われます。このように保存環境によっても風味の変化が異なるのがプーアル茶の面白いところでもあります。

8892後期紅印圓茶プーアル茶
餅茶には厚みがあります。
石型の上に人が乗る昔ながらの圧延方法は力が弱いためもありますが、このお茶のように大きめの茶葉はとくに茶葉と茶葉の隙間が空きやすく餅茶に厚みができます。また長期保存中にもごくわずかながら膨れるようです。

8892後期紅印圓茶プーアル茶
8892後期紅印圓茶
8892後期紅印圓茶
8892後期紅印圓茶プーアル餅茶
煎じるとゆっくりと栗色がにじみ出ます。
易武山の茶葉のキリッとした「樟香」があります。とりわけ野生種の茶樹の葉を使ったことから「野樟香」と呼ばれるワイルドな香りです。「樟香」とは、衣服の防虫剤に使う樟脳の香りにも似ています。木の皮を剥いだときのような森林の香りが口の中に広がります。渋みや苦味は角が取れて、しっとりとした旨味に融合しています。そして後口には香草(バニラ)のようなほのかに甘い香りが残ります。
樟香は長期保存するほどに徐々に薄れ、沈香や薬香と呼ばれる漢方薬のような香りへと変化します。それに10年かかるのか20年かかるのかは予測できませんが、同じく易武山の1950年代の老散茶などには樟香が枯れていったような香りを感じます。

8892後期紅印圓茶
8892後期紅印圓茶
8892後期紅印圓茶
葉底(煎じた後の茶葉)です。
きっちり茶葉の重量4gを量って淹れてみましたが、3煎もすると、乾燥した茶葉はもとの姿をあらわして膨れて蓋碗いっぱいになります。
茶葉は大きく厚みがあり、太い葉脈、太い茎、表面はザラザラした鮫肌な感じ。葉の周りのギザギザしたところ(鋸歯きょし)がしっかりあるのは、野生種や古茶樹の茶葉にみられる特徴のひとつです。

野生種の茶樹
野生種の茶樹
野生種の茶樹は剪定されないため、枝分かれが少なく、まっすぐに上へ伸びています。栽培型の茶樹と同じく、場所によって風味は異なりますが、味にはエグ味があったり香りにクセがあるのが多く、一般的には栽培型の茶樹のほうが美味しいといえます。

■味比べをしてみました。
選んだお茶は「黄印7542七子餅茶」です。
8892後期紅印圓茶と黄印7542七子餅茶
易武山の茶葉が使用されていることと、これを孟海茶廠にオーダーした茶商が王曼源氏であることが共通しています。製造年もほとんど差がありません。
上の写真のように厚みに違いがあります。茶葉の重量は「8892後期紅印圓茶」のほうがやや重いのですが、全体的に大きめの茶葉で作られているためこのお茶「8892後期紅印圓茶」の厚みが際立っています。
+【黄印7542七子餅茶】

8892後期紅印圓茶と黄印7542七子餅茶
左:「8892後期紅印圓茶」 表
右:「黄印7542七子餅茶」 表

8892後期紅印圓茶と黄印7542七子餅茶
左:「8892後期紅印圓茶」 裏
右:「黄印7542七子餅茶」 裏

この2つの餅茶のもっとも大きな違いは、「配方」がされているかいないかです。上の写真の表面のほうの「黄印7542七子餅茶」には、新芽や小さな茶葉が表面に配置されているため、きめが細かく、全体的な色がやや明るいものになっています。下の写真の裏面のほうの「黄印7542七子餅茶」には、大きめの茶葉が配置されています。そのため全体的な質感も粗くなっています。「8892後期紅印圓茶」のほうは表も裏もだいたい同じような感じに仕上がっており、大小の茶葉が全体的に混ざっています。

8892後期紅印圓茶と黄印7542七子餅茶
8892後期紅印圓茶と黄印7542七子餅茶
左:「8892後期紅印圓茶」 
右:「黄印7542七子餅茶」
茶湯の色はやや「8892後期紅印圓茶」に赤味があります。どちらにも共通して樟香がありますが、栽培型の古茶樹の茶葉が使われている「黄印7542七子餅茶」よりも、野生種の茶葉の「8892後期紅印圓茶」のほうが鮮烈な香りです。
4~5煎して香りが落ち着いてくると、風味はかなり接近してきます。

8892後期紅印圓茶と黄印7542七子餅茶
8892後期紅印圓茶と黄印7542七子餅茶
左:「8892後期紅印圓茶」 
右:「黄印7542七子餅茶」
葉底(煎じた後の茶葉)。茶葉の厚みは「8892後期紅印圓茶」が厚く、茎が太いです。これも野生種の葉の特徴です。栽培の茶葉の「黄印7542七子餅茶」は、それほどには葉の厚みがなく形がそろっています。
色は 「8892後期紅印圓茶」のほうが赤味があります。「黄印7542七子餅茶」はウグイス色がかかっています。

8892後期紅印圓茶と黄印7542七子餅茶
5~6煎めになって色の差がなくなってくるとともに、味の差もなくなってゆきます。
製品としての完成度からすると、やはり栽培型の茶葉である「黄印7542七子餅茶」のほうがバランスがよく優等生的なのですが、優等生に人気が集まるわけでもないというのは、お茶にもあることです。

8892後期紅印圓茶 プーアル茶 1枚 約370g 


■当店の倉庫熟成 (8892後期紅印圓茶)

2008年1月より、この「8892後期紅印圓茶」の倉庫熟成をはじめました。当店の倉庫は、温度と湿度を管理しており、より熟成のすすみやすい環境といえます。
定期的に、室内の常温保存の茶葉と、倉庫保存の茶葉との比較をここに記録してゆきます。

左: 室内常温 右: 当店の倉庫
8892後期紅印圓茶プーアル茶
2008年1月10日 
8892後期紅印圓茶プーアル茶
2008年12月28日


■お客様の感想

東京都Y.Yさま
8892後期紅印圓茶届きました。端っこの崩れたところを取って煎れてみました。 たしかにワイルドな風味ですが、最初煎れたときにかすかな花香があって味わい があります。熟成が進めばもっと味が深くなっていくような気がして楽しみです 。

神奈川県K.Hさま
実はHPでの説明や、皆さんの感想を読んでいて、ちょっと自分の感想とは違うな・と 思っていたのです。樟香はほんのりだし、何より殆ど触れられていないあの素晴らし い花香については、何故誰も言及しないのか、不思議だなぁと感じていました。 円盤の中でもラッキーな部分が舞い込んできたのかも知れませんね! まだ若い雲南緑茶に通じる爽やかな味わいも、とても良かったです。

愛知県K.Kさま
酸味、甘味、渋味、のバランスがすばらしいです。香りは、野樟、フルーツ、チョコレートを思わせました。 80年代後期の物ですが潜在能力抜群ではないでしょうか。

北海道I.Kさま
淹れる前の茶葉や淹れた水色は熟成しているように感じましたが、ややまだ緑茶の風味を残す華やかな香りを感じました。味はやや紅茶に近い渋みも感じます。以前お試しで送っていただいた時のものはもっと熟成した風味があり、濃厚な甘みを感じましたので、もしかしたらそれは餅茶から崩してあって熟成が進んでいたものだからなのでしょうか。太く長い茎や大きい茶葉を見ると、将来がとても楽しみなお茶ですね。ときどき試飲をして楽しみたいと思います。

大阪府K.Tさま
文章を読んで、最初はかなり強い味のするお茶かと思いました。洗茶をしたときの茶葉の香りもたしかにツン!とした強い感じで、なのですが、飲んでみると香りの印象とは違って、やさしい穀物のような甘味がほんのり。1煎めはツン!としていましたが、2煎めくらいからかすかにバニラのような甘い香りになって鼻の奥に抜けてゆきます。しっかりとしたお茶らしさのある渋味もあって、バランスがいいと思います。何杯もお腹がいっぱいになるまで飲むことを止められませんでしたよ。

東京都M.Sさま
茶湯はだいぶ赤みがかったオレンジ色。
香りは最初は樟香、そのうちにだいぶ甘ったるいチョコレートのような香り?になりました。ただ、その甘い香りの間に発酵した臭みもありました。味は、さすがに後期紅印にくらべたら、だいぶ落ち着いていて飲み続けれます。飲んでいる間は酸味を喉の奥で感じます。たしかに酸味は甘みを引き立てますが、まだ力強い酸味でした。これが20年超すともうちょっと穏やかになるのではと思います(希望ですね)。飲んだあとは、ほのかな香りが口の中に残りますが、それと同時にまだ渋みも残ります。まぁ、10煎以上飲み続けると、甘みだけが残って酸味渋みなどは気にならなくなりますけどね。

千葉県T.Nさま
このお茶、本当にバランスよくて美味しいですね。しっかりとした野生大葉種の風味が何とも言えず爽やかな口当たりです。何だかすっかりファンになってしまいました。

+【店長に質問など】


つぎにこのお茶はいかがでしょうか?
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+【このプーアル茶の詳細】


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