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【オリジナルのお茶の記録】


越境野生青餅2010年

yue jing ye sheng qing bing

越境野生青餅2010年

■概要
製造 : 2010年4月22日
茶葉 : ミャンマーJing dong
製茶 : ミャンマーの農家
茶廠 : 孟海県の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶 385gサイズ
保存 : 西双版納―上海
当店のオリジナル品です。
+【当店オリジナルのお茶について】

■生茶プーアール茶
2010年の春に出会ったお茶です。
当店のオリジナル品です。
+【当店オリジナルのお茶について】

■ミャンマーのお茶
「越境」の名のとおり、
中国の西双版納ではなく隣のミャンマーのお茶です。
西双版納孟海の町から西へ30キロの「打洛」から国境を越えてミャンマーに入り、さらに西北へ80キロあたりのJinng Dong区の山にあると聞いています。

越境野生青餅2010年

越境野生青餅2010年

越境野生青餅2010年
巴達山からミャンマーの山を望む。

その山にお茶の樹があることが2008年に見つかって、2009年・2010年と茶摘みと製茶が試みられました。
孟海県の巴達山の愛尼族の親戚がミャンマーにいて、山を散策しているときに偶然見つけたそうです。
10メートルを超える背丈の茶樹が森に群生し、地元の山の民族もこのことを誰も知らないので、完全な野生茶であるという話でした。
ところが、後に分かってきたことですが、この近くの山は清代(1800年代後半)の西双版納の茶の需要が拡大した時に、お茶どころとして開発された歴史があります。 今は誰もがそのことを知らないだけで、もしかしたらそのときに残った茶樹が放置され、長い年月をかけて野生に戻っているだけのことかもしれません。
過去に人が種を落したことがあるのか?茶を摘んだことがあるのか?茶の原生地とされるこのあたりの過去を証明する術がないので、確かなことは誰にも言えないのです。

追記: 2013年10月31日
後に、このお茶の風味の特徴から、清代に移植された品種のものではなく、もっと古くからこの辺りにあった原生の品種の特徴が色濃いと推測しています。
店長のブログ「茶想」もご参照ください。
【越境野生青餅2010年 その1.】

越境野生青餅2010年
巴達山の野生茶。

この辺りの山には「カメリアタリエンシス」と呼ばれる近縁種の野生茶があります。2012年に枯れ死した巴達山の大黒山の茶王樹もそうです。
+【巴達山茶樹王の森 写真ページ】

越境野生青餅2010年

越境野生青餅2010年

越境野生青餅2010年越境野生青餅2010年
カメリア・タリエンシスの新芽と若葉

近縁種のお茶の味は酸味が強く、香りも薬草みたいで、ちっとも魅力がなく、わざわざ求めたくなるようなものではありません。
その点で、このお茶は野生のわりには美味しく飲めるほうです。
ミャンマーの人の話を聞いてみても、幹周りの太さや枝ぶりの様子はタリエンシスのような屈強な感じではないので、どちらかというと最近見た丁家老寨とラオスとの国境の野生茶に似ていると思われます。
このページの下のほうの写真参照
+【漫撒古樹青餅2013年プーアル茶 その5】

森林の影に隠れて生きている野生茶は、
年に一度、春遅くにしか新芽を出しません。そのタイミングに鉄鍋と筵を担いで山に入り、仮設の小屋に泊まり込んで茶摘みと製茶が行われます。そのため製茶技術はそこそこしか期待できないのですが、製茶の技術の高い野生茶というのもどこかヘンな気がします。

越境野生青餅2010年越境野生青餅2010年
漫撒山弯弓の製茶のための小屋

2009年にこのお茶の晒青毛茶(プーアール茶の原料となる茶葉)を少しだけ入手して、当店で販売したことがあります。お客様の評判も良かったので、2010年には少し多めに予約をして、餅茶に圧延加工しました。
それがこのお茶『越境野生青餅2010年』です。
餅茶の規格は当店オリジナルのお茶と同じく、1枚385g 7枚一筒の竹皮包みです。
【当店オリジナルのお茶について】

現地を一度見たいと考えて、
2009年の秋と2010年の夏の二回、外国人でも入れるルートを探りました。しかし、ミャンマーの北部では軍事政権と山の民族との内戦が続いており、近づくことすらできませんでした。
その後、当店の方針としても、このたぐいの野生茶は追いかけないことにしました。現場に入れないのでは、進歩がありません。
また、ミャンマーのこの野生茶は背丈が高く、人が長年摘んでいないので枝がまっすぐ上に伸びていて、木登りをしても茶摘みの手が届きません。枝を切り払って落して、それを摘んでいるのです。
農地にある茶樹も、健康を保つために定期的に枝打ちをして新しく枝を再生させるので、おおきなダメージを茶樹に与えることにはなりませんが、このような野生茶に需要が安定すると、周りの雑木を刈って日当たりを確保したり、下草が刈られたり、剪定されたり、ついには苗を植えて茶畑ができたりして、野生の特徴が薄れます。
それであれば、1000年以上もの間古式の栽培をずっと続けている西双版納の古茶樹のほうが魅力的であると思うのです。

越境野生青餅2010年

越境野生青餅2010年

追記: 2013年10月31日
上の写真では、茶葉が蓋碗いっぱいに広がるような淹れ方をしています。これでは湯の熱がしっかりと通らず、味がぼやけます。

越境野生青餅2010年

しっかり湯の熱を通すには、こちらの写真のように、蓋碗の大きさに対して少なめの茶葉にしてください。ちなみに写真は3煎めで茶葉が開いた状態です。

森の中の厳しい生存競争に負けないで育ったこのお茶には、強い茶気が宿っています。
小さめの茶杯でも3杯か4杯飲むと、身体中に血がめぐり、足の指先の毛細血管までもがじんじんとして、風呂上がりのように身体が上気します。この茶酔いこそが野生茶の醍醐味です。
「野生の棘味」と称して、このお茶の成分について書いています。
【野生の棘味/お茶の味の鑑賞】
この記事は、2011年7月で熟成1年めでしたが、現在2013年9月は熟成3年めになり、まろやかになって、餅面の色もずいぶん茶色くなりました。
お茶の味は穏やで濃厚でまっすぐです。西双版納では孟海県の南糯山や老班章のと少し似ています。この辺りの原種の大葉種は、アッサム種の特性が強く、独自の煙草味を持っています。はじめはややこの煙味が気になったのですが、現在は全体に溶け込んでいます。なにか別のものに形容できる香りがあるでもなく、味に変化があるでもなく、ただまっすぐに力強く押してくる男っぽいお茶です。
3煎めか4煎めになると口から喉の奥のほうへ、仏教のお香のような香りがかすかに残ります。心地よい茶酔いとあわさって、気分転換には最高のクスリとなるでしょう。
数煎めからの風味が良いので、湯の量に対して茶葉を少なめにして、濃くなりすぎないよう気をつけて、じわりと抽出するように煎じるのがコツです。

越境野生青餅2010年

※注意
オリジナルのお茶についている竹皮箱はなしです。
上海から密封のパックにして郵送します。到着後に開封して保存してください。

越境野生青餅2010年


越境野生青餅2010年 1枚 380g


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