yi shan mo qing bing cha
■概要
采茶 : 2016年3月28日
茶葉 : 西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨 小樹+古樹
茶廠 : 孟海県工房
圧餅 : 2016年5月14日
工程 : 生茶プーアール茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 西双版納 紙包+密封
数量 : 26枚
■オリジナルのお茶
2016年の春のお茶です。
当店のオリジナル品です。
+【当店オリジナルのお茶について】
■一天一采
2016年はすべて一天一采です。
ある一日に摘んだ茶葉で、ひとつのお茶を仕上げます。別の日に摘んだ茶葉を混ぜません。
茶葉の成長、その日の天気、日暦(星)のめぐり、製茶時の気温や湿度、そしてお茶をつくる人間の体調や気分。ある一日における「自然」が茶葉に宿ります。
「自然」ということの捉え方。ひとつの世界観があります。
2016年春のオリジナルのお茶は全部で13種です。
2016年の春は3月20日頃から4月20日頃まで、約1ヶ月間が旬となりましたが、その間に毎日お茶がつくれるわけではありません。
条件のよい日は少ないからです。
当店の采茶日を数えてみても、3月17日から4月7日までの22日間のうち采茶は9回。9日しかチャンスがなかったということです。
新芽・若葉の成長のタイミングが合わなかったり、天気が悪くて製茶がスッキリ仕上がらなかったり、どの茶山に行ってどんなお茶をつくるかという作戦がハズレたりもします。
このお茶『一扇磨青餅2016年・緑印』もそうでした。
実は、3月28日の采茶に立ち会うことができませんでした。
春のお茶づくりがはじまって1週間ほどで天気が崩れて、いったん町に降りていた時です。町では雲が空を覆い、ときどき小雨の降る天気が3日間も続きました。しかし、山では3月25日に1時間ほど小雨が降ったくらいで、その後は「晴れ時々くもり」でした。
天気の予測を誤ったのです。
(写真は28日の朝の景洪の町)
この時期、農家はほぼ毎日お茶をつくっています。
新芽・若葉はどんどん育っています。放っておくと茶葉が硬くなってお茶に加工できなくなります。
摘み時を逃さないようアルバイトを雇って、天気が良くても悪くても、製茶の仕上がりがどうなっても、とにかく沢山つくるしかありません。
農家はいつものように采茶して、いつものように製茶して、同じことを繰り返しています。
しかし、出来てくる晒青毛茶(天日干しで仕上げる緑茶のことでプーアール茶の原料となる)は毎日異なります。
茶葉のコンディション、その日の天気、一日一日の変化がお茶の仕上がりを左右します。
振り返ってみると、2016年の春は全体的にコンディションが悪かったのですが、このお茶の3月28日采茶、翌日3月29日晒干(天日干し)は、いろんな条件がピタッと揃う一日でした。
■晒青毛茶
山に戻ると、すでに晒青毛茶ができていました。
ちょっと見ただけでわかる上質のサイン。
青黒い色。細く捩れた状態。
青黒い色は古茶樹の色です。森の半日影に育つ色でもあります。
細く捩れたのは、まだ雨の少ない早春の特徴です。新芽・若葉が柔らかく「茶漿(cha jiang)」と呼ぶ粘着成分が多いため、ちょっと揉捻するだけでもしっかり捩れてくれます。農家がとくべつに揉捻したわけではありません。
農家はこのように若くて小さな茶葉を収穫するのを嫌います。5日間ほど成長を待つだけで、収穫量は倍増するからです。その茶葉は繊維が硬くなっていて、茶漿も少ないため、機械で無理やり長時間揉捻でもしないかぎり、しっかり捩れることはありません。
熱湯を注ぐと茶葉の新鮮な緑色が蘇ります。
殺生(鉄鍋炒り)の炒り具合が深めで、しっかり火が通っていることを表しています。
早春の茶葉は小ぶりで、しかも水分量が少ないので、しっかり火が通りやすいのです。
一煎めの茶杯の底に焦げた粉が沈みます。
これは苦味の根源になるのですが、嫌味にならない程度で、香ばしさはむしろ魅力のひとつです。小さな柔らかい若葉の多いことは、殺生する農家も気付いていたと思われます。
なぜ、こんなにタイミングの良い(農家にとってはタイミングの悪い)収穫をしたのか?
それは地理的なところに原因があります。
■一扇磨
「一扇磨(yi shan mo)」は地名です。
漫撒山の北部に位置する山岳地帯で、いくつもの山と谷が複雑な地形を作っています。
ラオスとの国境に添って南北に山脈がつながる一帯が「漫撒山」です。
北から南へ、丁家老寨・一扇磨・弯弓・刮風寨と、有名な茶山が続いています。
現在は国有林に指定され、農作物を栽培することができませんが、茶葉を採取することは許されています。
昔からこのあたりの土地に生きてきた瑶族が主にお茶づくりに関わっています。
写真ページ
+【一扇磨 古茶樹】
店長のブログ『茶想』の記事
+【一扇磨単樹A春の散茶2015年 その4.】
+【祈享易武青餅2014年 その1.】
出品のお茶
+【一扇磨陰涼散茶2015年】
一扇磨の森に入るには、まずバイクで行けるところまで行きます。村から1時間ほどかかります。
そこからさらに山を歩きます。
上の写真は谷底で、水分が多く、気候が暖かく、植物のうっそうと茂る熱帯雨林の様相ですが、山の上の方へゆくほどだんだんと乾いた空気になり、植物の生態も変わってゆきます。さらに登って山頂付近になると、林の中の日陰でもそこそこ明るく、山頂をかすめて山を渡る風の吹く涼しい気候になります。
山頂からちょっと下った風裏に、このお茶を採取した茶地があります。
一扇磨の中でも一番山の高いところにあり、村からはいちばん遠いところです。
当店で他に出品している『一扇磨青餅2016年』とは別の茶地です。
+【一扇磨青餅2016年】
見えないところで国有林の乱開発がすすんでおり、村に近いところはすでにバイクで入れるようになっていますが、山頂付近はさらに歩いて1時間ほどかかります。
これが理由です。
農家は茶葉の成長具合を毎日見て確かめることができません。
1週間に一度ほど、「もうそろそろかな」と見当をつけて、茶摘みのアルバイトを5人ほど雇って森に入ります。
農家のヨミがハズレて、ちょっと早すぎたようです。
山深く入ったからには、アルバイトには人件費を払わなければなりません。農家は仕方なく摘めるだけ摘んで持ち帰ったのです。
■圧餅(圧延加工)
5月14日孟海県の工房にて、石型で圧延後、晒干(天日干し)で仕上げています。
■品茶
品茶については、ここに徐々に文章を追加してゆきます。
店長のブログでも紹介しています。
+【一扇磨春の散茶2016年・緑印 その1.茶想】
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