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那カ古樹青餅2014年プーアル茶 その1

na ka gu shu qing bing

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

■概要
製造 : 2014年4月12日(4月20日)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県那卡山古茶樹
製茶 : 那卡山の製茶専業農家
茶廠 : 漫撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶 180gサイズ
保存 : 西双版納―上海

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

■生茶プーアール茶
2014年の春に那卡山で入手した晒青毛茶でつくった生茶です。180gの小さなサイズの餅茶に加工しました
当店のオリジナル品です。
+【当店オリジナルのお茶について】

※那卡山の「卡」は日本語漢字にはありません。申し込みフォームは現在のところ中国語漢字が表示できないため、「那カ山」としてご注文を受け付けております。
+【本部の申込フォーム】

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

※製造日付は4月12日ですが、圧延加工が終了したのは4月20日でした。4月12日の予定が延期して20日になったためです。
那卡山の製茶農家で原料の毛茶がつくられたのは、2014年3月27日から3月29日です。

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

■那卡山について
写真ページもあわせてご参照ください。
+【那カ山 古茶樹 写真】
西双版納のメコン川を境に西側の茶山です。
那卡山には西双版納孟海県には珍しい小葉種の古茶樹があります。

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

樹齢300年〜500年の茶樹が寨子(村)海抜約1700メートルから山頂の森にかけて群生しています。厳密に言うと小葉種は7割くらいで、3割は孟海県の他の茶山と同じ大葉種と思われます。古来からあるもので、誰がいつの時代にこれを植えたのか、それとも人がこの山に来る前から自生していたのか、記録もなくはっきりしませんが、奇怪に曲がった枝ぶりは孟海県の「布朗山」や「南糯山」と同じです。このことから、茶の栽培に歴史のある布朗族がかつてこの山に住んでいたことがあると推測できます。

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

現在はラフ族が那卡山に住んでお茶づくりに従事していますが、ラフ族とお茶の歴史は瑶族や布朗族ほど古くありません。
那卡山の過去のお茶は1990年台からの大手茶廠(おそらく孟海茶廠)による「緑茶」と、1992年頃につくられた「竹筒茶」があるくらいでした。竹筒茶は1700年代のビルマ王国の貢茶に指定されたという話に基づいてつくられたのですが、布朗族や愛尼族も一般的につくっていたので、特別なものではありません。
那卡山の老人の話では、それ以前には近隣のダイ族の「米」と「茶」を物々交換するくらいで、村の産物と言えるほどのものではなかったそうです。当時の製法は、枝ごと折り取って炙って干すだけの原始的なお茶です。
ちなみに、布朗族の古い茶山に共通する奇怪な枝ぶりの茶樹は、枝ごと折り取る手法の茶摘みのためにできたと当店は推測しています。

番茶の元祖のようなプーアル茶

写真: ダイ族のレストランの炙り干し茶
もしかすると、ダイ族がさらに別の民族と物々交換してこの炙り干し茶が遠くへ運ばれて、例えば昆明や四川で「藏茶」(黒茶の一種)の原料にされていた可能性がありますが、その考察はまた別の機会にするとして、ラフ族が那卡山に住み始めたとされる300年ほど前から茶がまともな商品になっていなかった事実から見ると、西双版納で最後の「忘れられた秘境」だったと言えます。
大手茶廠の緑茶や、原始的な竹筒茶では、茶葉の素質が開花することはなかったでしょう。
那卡山の名前がプーアール茶に登場するのは2007年頃です。中国大陸では「プーアール茶バブル」と呼ばれる大流行が2007年にありましたが、この時に生茶の素材として発掘されたのだと思います。
2014年現在は山を削っただけの道が開かれ、なんとか車一台通れる道が村まで続いていますが、その途中で道を尋ねると「聞いたことがあるけれど行ったことはない」と答える人がほとんどでした。1992年に竹筒茶をつくりに行った職人は、孟海県の町から那卡山へ行くのに3日かかったと言います。まさに陸の孤島だったのです。

■高級茶へのあゆみ
当店が注目したのは2010年です。
中堅メーカーが200kgほどつくるお茶なので、古茶樹とはいえど原料の良さが取り柄で、高級と言えるほどのものではありませんが、十分に魅力的な個性を持っていました。

益木堂那カ古樹純料茶10年

益木堂那カ古樹純料茶10年

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

白葡萄のような甘い香りを帯びて、軽快な苦味が爽やかで、舌にヒリヒリと残る余韻が個性的でした。
那卡山は小葉種の古茶樹です。
4煎めくらいからにじみ出る滋味と喉越しはさすがに樹齢の古い茶樹で、飲みごたえのあるものです。西双版納孟海県の古茶樹として十分な野生味を備えながら、気品ある華やかさをもつ那卡山のお茶は、「プリンセス」的な存在になる予感がしましたが、実際にそうなりました。
『益木堂那カ古樹純料茶10年』のメーカーの売り出し価格は1枚400元ほどだったと記憶していますが、2013年に売り切れるときは800元まで上がっていました。
どこの有名茶山でもそうですが、人気が上昇して高値がつくと、価格に見合う上質なお茶をつくる業者と、コストを落とす工夫をして量産する業者と、偽物をつくる業者の3つにわかれます。

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那卡山に向かう道中の森林は切り開かれ、台地茶と呼ぶ若い茶樹の茶畑がつくられ、量産の準備が整っていました。

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

偽りのない原料でいかにコストを落とした茶をつくるかという工夫もあります。メーカーは那卡山の村に製茶場を構え、農家から鮮葉を買い取り、機械製茶で効率よく量産する仕組みをつくりつつあります。那卡山のエリア内には若い茶樹の茶畑がないため、村の農家が山へに行って摘んで帰ってきた鮮葉に小細工をするのはカンタンではありません。メーカーが製茶場を村に構えるのは、本物をつくっているという演出になるのです。

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

その一方で、手炒り・手揉み・直射日光の晒干(天日干し)の丁寧なつくり方を続ける農家があります。那卡山を訪問して歩きまわってやっと2軒見つけました。春の旬の季節なので村のあちこちで茶葉を晒干しているはずですが、ほとんどがメーカーの施設の半透明のプラスチックボードの屋根の下で乾燥させており、外から見えなくなっていました。この乾燥方法は蒸れて風味を悪くするだけでなく、長期保存にも適さないと当店は考えています。

農家が摘んできた鮮葉を売り、製茶専門の業者がお茶にする。
西双版納のいたるところで近年急速に変わってきた晒青毛茶(プーアール茶の原料となる茶葉)のつくり方です。産地として年数が浅いにもかかわらず、他の茶山に先駆けて那卡山が変化しているのは、もともと農家にお茶をつくる習慣がないためです。西双版納のラフ族は、自給自足のための労働はしても、産品をつくって外地に売って稼ぐ仕事には積極的ではありません。とくに那卡山のように地理的に孤立した場所には、そうした民族の血が色濃く残っているのです。

■西双版納のラフ族(拉祜族)の人たち

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

巴達山章朗寨で茶摘みに参加してくれたラフ族の人たち。
カメラが怖いからあまり良い顔をしてくれない。
国から与えられた土地(農地)を布朗族に貸して労働を避けているが、それでは食べてゆけないので、季節の茶摘みのアルバイトをしている。自分の土地の茶摘みなのに、布朗族から賃貸料をもらってバイト料ももらうというアベコベなことになっている。しかし、茶葉を売る相手を探さなくてもよいので、布朗族を介して仕事をするのは都合が良いのだ。
もともと焼き畑をして移動しながら生きてきた人々なので、定住を基板とした「働く」概念がない。
臨時収入はすぐにお酒や食べものになって、歌って踊って一晩で消費して、翌日の仕事を休む。
民族衣装は愛尼族のもので、山で採集したなにかと物々交換している。自ら特色のある衣装をつくるような凝ったことはしない。もちろん文字はない。そういう独自の生き方を選んできた人々だから、異なる世界観をもっている。

山岳民族も現在は「漢化」(漢民族化)してきて、定住と労働で社会参加しています。
若い人は学校教育を受け、外地と交流し、他の民族と互角に商売をしている人もあります。那卡山で見つけたラフ族の製茶専業農家がまさにそうでした。

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

手づくりの良さを残す仕事場は、簡素ながら所々に工夫が見られます。鶏や豚の糞の転がる地面に平気で食べるものを置く山の人とは異なる衛生感覚をもっていることがわかりました。
さらに、「仕事が好き」な人たちです。顧客の話を聞く耳を持っています。この地域ではたいへん珍しいことで、お茶づくりの話が詳細になるにつれ、山奥で狐につままれているのではないか?と心配になったくらいでした。

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

村人たちが山へ茶摘みに出かけている時間が、製茶業者のつかの間の休憩です。
昨日の茶葉を干して、道具を手入れしたり仕事場を掃除したりして準備をしています。
午後4時頃から袋を鮮葉でいっぱいにした村人たちが戻ってきます。計量して現金で買い取り、すぐに笊に広げて萎凋させます。直射日光を避け、窓から入る風にあたるよう棚が配置されています。
茶葉は鮮度が命です。
この時点でのスムーズな仕事は、見ていてホッとするものがあります。
鮮葉を広げた笊刀が棚に並んでゆくと、新鮮な「蘭香」と萎凋の効果による甘いバニラのような香りが漂いはじめます。

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

那カ古樹青餅2014年プーアル茶

日が落ちて午後8時頃から深夜1時頃まで、延々と炒って・揉んで・笊に広げてという作業が続きます。魚を捕る漁師に大量や不漁があるように、鮮葉の収穫もまた天候によって収穫量が異なります。思いがけずたくさん集まった日は、製茶の仕事は修羅場となります。

■その2 品茶
+【那カ古樹青餅2014年プーアル茶 その2.】


那カ古樹青餅2014年 1枚 180g
入倉につき出品保留中


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