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後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
hou qi bao yan pai ban chan jin cha

後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶

製造 : 1990年中ごろ(1996年か1997年)
茶廠 : 下関茶廠
茶山 : 下関茶区
茶樹 : 大葉種 喬木
茶葉 : 2〜4級
工程 : 熟茶
倉庫 : 香港乾倉(期間不明)

甘味
渋味
とろみ
酸味
苦味
香り
熟成度
●●●●○ 蜜のような強い甘み
●●○○○
●●○○○
●○○○○
●●○○○ かすかな苦味
●○○○○
●●●○○ 倉庫での熟成やや強め

雲南からチベットに運ばれていた、緊茶です。
このたび紹介するのは熟茶になりますが、生茶の緊茶の歴史は古く、1912年頃からあったとされています。
小豆のようなコクと、蜜のような甘さがあります。香港の倉庫で、しっかりと熟成されており、芳醇な仕上がりです。

後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
大きめの急須にポットのお湯を注ぎ、洗茶は台所の流しで済ませて、あとは手元においておけば、湯を注ぎ足しながら一日飲めます。

後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
緊茶とは、このようなキノコ型をしたプーアール茶のことです。
主に中国国内の僻地、チベット、青海などに流通していたお茶です。1950年代〜1990年代後半までの、雲南の茶葉の取引が国によって管理されていた間、高級プーアル茶の多くは香港を経由して国外に流通していましたが、この緊茶は、その間にも国内に流通していた少ないプーアル茶のひとつです。チベット、青海の人々の生活のお茶だったものですが、1990年代後半からの台湾でのプーアル茶ブームの頃から脚光を浴び、年代モノは嗜好のお茶となって、香港や台湾に流通するようになりました。

後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
このたび仕入れたものは、段ボール箱ごと香港の茶商から届いた時点で、半分くらいが形が崩れて、散茶(バラバラのお茶)に近い状態となっていました。そのくらい熟成がしっかりされたということです。
したがって、崩して箱につめて販売することにいたしました。
香港の茶商の倉庫は、温度と湿度が高めのところが多く、しっかりと熟成します。熟茶はそもそもメーカーで、茶葉を快速発酵させてありますが、さらに保存熟成の段階でも熟成がすすむわけですから、茶葉の成分は変化して、崩れやすくなっています。今回は、崩れていないのと、崩れた茶葉とをあわせて袋詰めし、箱をお付けることにしました。
合計300gは、毎日5gで1リットル飲んだとしても、約2ヶ月分あります。
形は崩れていても、老舗の下関茶廠の作った由緒あるお茶です。

後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
緊茶の歴史をご紹介します。
緊茶が生まれたのは1912年〜1917年の佛海地区で、プーアール茶の里の孟海の近くです。
その当時、このキノコの形を「心臓型」と呼び、名は「宝焔牌緊茶」でした。まだ熟茶が開発されていない頃ですので、生茶です。
竹の皮の筒に7個のお茶が連なるように包まれて、遠くチベットまで運ばれていました。茶葉と馬の交易の道、「茶馬古道」です。
このキノコ形ゆえに、隙間ができ、茶葉のもつ水分をうまく逃がせるので、チベットなど辺境地帯へ運ぶ長い道中に、カビが生えてダメになるようなことはなく、うまい具合に熟成が進むのでした。
茶馬古道については、以下のページをご参照ください。
【プーアール茶の生い立ち】

下関地区の茶行(茶を作って売る事業者)の下関大茶号茂恒が、佛海に職人を派遣し、緊茶の技術を持ち帰り、下関でも生産するようになりました。

しかし 1960年ごろから、下関茶廠など大手の国営茶廠では、長方形の磚茶を作るようになり、さらに、緊茶に変わってお碗型の沱茶を生産し始め、キノコ型の緊茶は減りました。
さらに、1970年頃には、潅木の新しい茶園の茶葉を使用し、菌類の発酵を促した「熟茶」が普及します。
形が変わり、製法が変わったせいで、チベット人が慣れ親しんでいた、昔ながらの緊茶の「気骨のある」(と表現されています)強い味はなくなり、おだやかな味になりました。しかし、それは昔ながらの味を好む人々にとっては、「なじみの味」を失うことになりました。

1986年10月20日 全国人大常委員会副委員長「班禅額尓徳尼」(チベットの代表的なお坊さんです)が下関茶廠を訪問し、昔ながらのキノコ型の緊茶を作るように依頼して、5000キロのお茶を注文したそうです。
台湾の壺中天地雑誌社の「普シ耳茶」P131には、このときの写真が掲載されています。
( この書籍と上記の説明には異なる部分がありますが、書籍のほうのタイプミスと思われます)

このお茶の名前、宝焔牌班禅緊茶の「班禅」は、このお坊さんの名前です。辺境地といわれるチベットや青海地区へ、この緊茶は運ばれ、いまでも生活のお茶として流通しています。

包み紙には、チベットの文字があります。
後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
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機械生産
緊結端正
湯色橙紅
滋味醇厚
清潔衛生
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いかにも文化大革命で提唱されたような謳い文句です。機械生産であることや、衛生的であることが、当時の国の価値観に沿ったものだったのです。

後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
茶葉の拡大写真です。
圧延のときに使用された布の跡形があります。表面がかすかに白っぽくなっているところがありますが、これは香港の茶商の倉庫の湿度の高いめのところで熟成されたときに、茶葉の成分が表面に出てくる「白露」と呼ばれる現象です。温度と湿度が適切であれば問題はありません。むしろ美味しく熟成している証にもなります。

後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
茶湯は赤味が強く、暗い色をしています。
屑茶葉がやや多いせいか、はじめの2煎めくらいまでは、茶葉の粉が水面に浮いてきます。強い甘味とコクがあり、かすかに石を舐めたようなときに感じるミネラル風味のあるのが特徴です。

■飲み比べ
熟茶と生茶の「宝焔牌班禅緊茶」を比べてみました。

後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
左: 熟茶の「後期宝焔牌班禅緊茶」
右: 生茶の「宝焔牌班禅緊茶80年代」
生茶の緊茶は、1980年代のもので、もとは香港の倉庫で熟成されていたのですが、まさしく、チベット人が慣れ親しんでいた、「気骨のある」強い味がします。まろやかながらも、鈍重な渋い苦い味がのしかかってきます。かすかに芝生のような青い香りもあります。熟茶と共通するところは、石を舐めたようなミネラル風味です。


後期宝焔牌班禅緊茶プーアル茶
新しい情報が入りましたら、文章を変更、追加してゆきます。

保存方法については、以下のコーナーをご参照ください。
【プーアール茶の保存方法】

茶葉の量のめやすは以下をご参照ください。
【5gの茶葉でどのくらい飲めるか?】

お客様のご感想

北海道IKさま
班禅緊茶は、雑味が無くじんわりとした甘みが感じられるとてもおいしいお茶でした。また水色のワインレッドが美しく、見惚れてしまいます。
実は、これと非常によく似た印象のお茶を入手したことがあります。 それは散茶で3年、沱茶に製茶して3年ほど熟成させたもので、飲んでみると全く雑味がないものの、ポクポク感があるのみで、およそ熟茶らしい魅力に欠ける平板な味でした。しかしそれを数個に崩した状態で通気のいいところに1ヶ月以上放置しておいたところ、じわりとした甘みが僅かながら出ていたのです。
これは熟成させれば化けるか、と思いましたが、今回の緊茶は、その化け予想にかなり近いものに感じたのです。

東京都H.Kさま
お知らせしなければと思っていたのですが、なんと、ラズベリージャムを、濃く淹れた班禅緊茶に溶かして飲むのです!若干濃いめに淹れ、ジャムもやや多めに入れました。朝からみぞれ混じりの寒い日にぴったりです。冷蔵庫にある、栗ペースト(前述のジャムと共にフランス製)にも挑戦してみようと考えています!

私(店長)も早速ためしてみました。
ジャムとプーアール茶・プーアル茶
ちなみに選んだのはブラックベリージャム(スペイン製)です。
「黒」つながりかなと思って・・・・いえ、なんでもないです。
甘ったるいイメージがありましたが、飲んでみるとぜんぜんそうではありません。むしろジャムを混ぜたほうが爽やかです。ブラックベリーの新鮮な酸味をうまく引き出しています。プーアール熟茶のおっとりとした風味が、果物の酸味にちょうどいいようです。

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つぎにこのプーアール茶はいかがですか?
下関茶磚80年代プーアル茶
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