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【オリジナルのお茶の記録】

 

漫撒一水紅餅2016年 その2.

man sa yi shui hong bing cha

漫撒一水紅餅2016年

■一天一采
2016年はすべて一天一采です。
ある一日に摘んだ茶葉で、ひとつのお茶を仕上げます。別の日に摘んだ茶葉を混ぜません。
茶葉の成長、その日の天気、日暦のめぐり、製茶時の気温や湿度、そしてお茶をつくる人の体調や気分。ある一日における「自然」が茶葉に宿ります。そのような変化があって安定しないことを尊重しています。
「自然」ということの捉え方。ひとつの世界観があります。

漫撒春眠紅餅2016年

2016年春のオリジナルのお茶は全部で14種です。

■采茶日
■お茶の名前
04月07日
章朗古樹青餅2016年・緑印
04月06日
章朗古樹紅餅2016年
04月05日
章朗古樹青餅2016年・黄印
04月05日
章朗古樹紅餅2016年・青印
04月03日
漫撒一水紅餅2016年
04月01日
香椿林青餅2016年
03月29日
巴達生態紅餅2016年(茶友部)
03月28日
一扇磨青餅2016年・緑印
03月22日
香椿林紅餅2016年
03月21日
一扇磨青餅2016年・黄印
03月21日
一扇磨青餅2016年
03月21日
一扇磨紅餅2016年
03月21日
漫撒春眠紅餅2016年(非売品)
03月17日
巴達生態紅餅2016年・青印(茶友部)

漫撒一水紅餅2016年

漫撒一水紅餅2016年

漫撒一水紅餅2016年

漫撒一水紅餅2016年

紅茶は8種あります。
一天一采では、紅茶づくりの要となる軽発酵のすすみ具合が異なり、8種8様の紅茶ができます。単純に軽発酵の進み具合だけを5段階に分けて採点してみました。

■采茶日
■軽発酵度とお茶の名前
04月06日
(軽発酵度5)章朗古樹紅餅2016年
04月05日
(軽発酵度3)章朗古樹紅餅2016年・青印
04月03日
(軽発酵度5)漫撒一水紅餅2016年
03月29日
(軽発酵度5)巴達生態紅餅2016年
03月22日
(軽発酵度4)香椿林紅餅2016年
03月21日
(軽発酵度3)一扇磨紅餅2016年
03月21日
(軽発酵度2)漫撒春眠紅餅2016年
03月17日
(軽発酵度3)巴達生態紅餅2016年・青印

■品茶
無花果(イチジク)が熟れたような甘い香り。
苺のような香りもあります。
餅面からも茶湯からも漂います。
「一水」の効果だと思います。軽発酵が深くなって紅茶らしい艶やかさが際立ちます。

漫撒春眠紅餅2016年

雨の後は水味がある。水質が粗くなる。そう書きましたが、本当でしょうか?
飲んでそう感じるほどでもないので、ごく僅かなものかもしれません。
そこで、まったく同じ香椿林の茶葉でつくった別の日の紅茶と比べてみます。
『漫撒春眠紅餅2016年』(非売品)

漫撒一水紅餅2016年
左: 漫撒一水紅餅2016年 4月3日采茶
右: 漫撒春眠紅餅2016年 3月21日采茶

3月21日に香椿林の様子を見に行き、ついでに采茶してつくったお茶です。
少量すぎるので非売品にしています。
2016年は春が遅くて、3月21日というと実質的にはまだ3月1日くらいの気候です。ほとんどの茶樹は眠りから覚めていませんでした。森林の深い日陰の多いところほど、栽培に人の手の加わらないほど、樹齢が古い茶樹ほど、目覚めが遅い傾向にあります。それでも古茶樹は一本一本に個性の差があるので、3本ほどの茶樹が新芽・若葉を出していました。
翌日の3月8日に晒干してできた散茶は500gほど。
180gサイズに圧延して2枚と、のこり140gはもっと小さなミニ餅茶になりました。
3月21日の香椿林の写真(以下)と、4月3日の写真(前ページ)を比べてみてください。

漫撒春眠紅餅2016年

漫撒春眠紅餅2016年

漫撒春眠紅餅2016年

漫撒春眠紅餅2016年

漫撒春眠紅餅2016年

漫撒春眠紅餅2016年

漫撒春眠紅餅2016年

漫撒春眠紅餅2016年

漫撒春眠紅餅2016年

漫撒春眠紅餅2016年

漫撒春眠紅餅2016年

森の緑からして違います。
3月21日から4月3日まで、この香椿林では一度も采茶されていないので、茶葉の茂り具合が違います。
太陽光線の反射する微妙な色合いからは、気温や湿度など気候の違いが見てとれます。
茶葉もまたその日のすべてを物理的に記録しています。
一天一采のお茶づくりでは、采茶のタイミングが仕上がりを決めると言えます。
どのタイミングがベストなのか?というのは分かりませんが、どのタイミングがお茶にどんな個性を宿すのか?というのは経験を積むことで把握できると思います。

漫撒一水紅餅2016年と漫撒春眠紅餅2016年

漫撒一水紅餅2016年と漫撒春眠紅餅2016年
左: 漫撒一水紅餅2016年 4月3日采茶
右: 漫撒春眠紅餅2016年 3月21日采茶

茶湯の色が軽発酵度の違いを示しています。風味にも現れています。
『漫撒春眠紅餅2016年』は鮮葉の持つ水分が少なかったこと、量も少なかったこと、気温が低く肌寒い夜だったことにより軽発酵が浅く仕上がって、草のような青い鮮味が立ちます。
揉捻の時に茶葉に水を加えて軽発酵を促す手もありますが、それでも効果は限定的です。茶葉がまだ若いからです。
茶葉の成長度も軽発酵に影響します。
成長した老葉ほど軽発酵がすすみやすく、製茶工程で赤黒く変色しやすいです。
『漫撒一水紅餅2016年』は前述したように水分が多いこと、よく成長した茶葉が比較的多いこと、気温が上がって温かい夜だったことで、軽発酵が深く仕上がっています。

漫撒一水紅餅2016年

雨の後は水味がある。水質が粗くなる。
この2つを比べると、たしかにその違いを感じます。
『漫撒春眠紅餅2016年』は口当たり軽く感じます。舌の上を滑るようなきめの細かな水質です。その点『漫撒一水紅餅2016年』はやや抵抗があり、重く感じます。水質と引き換えに、軽発酵の深みを得たと言えるでしょう。
森の古茶樹は一本一本の個性の差が大きいです。
早春に新芽・若葉を出す一本。
晩春に新芽・若葉を出す一本。
そして、剪定していない伸び放題の枝では、樹のてっぺんと脇の枝の茶葉の成長度が大きく異なります。このため一日では初摘みが終わりません。シーズン中に2度か3度、あの枝・この枝と、育ったタイミングの良いのから順番に采茶します。
同じくらい成長しているように見えても、3月と4月では茶葉のもつ水分や成分に大きな違いがあります。たとえ同じ一本の茶樹からつくったとしても、采茶の日が異なると別のお茶に仕上がります。

漫撒一水紅餅2016年

このブレを抑えるために、別の日の茶葉とブレンドするのが一般的なつくり方です。もっと量産するお茶づくりでは、別の土地の茶葉をブレンドします。
このお茶も、3月21日と4月3日をブレンドする手がありました。
一天一采のお茶はその観点が異なります。一日ごとのブレにこそ自然の美しさがあると見ています。

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漫撒一水紅餅2016年 1枚 180g 


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