yi shan mo hong bing cha
■概要
采茶 : 2016年3月21日
茶葉 : 西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨 小樹+古樹
茶廠 : 孟海県工房
圧餅 : 2016年5月14日
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 西双版納 紙包+密封
数量 : 7枚
■オリジナルのお茶
2016年の春のお茶です。
当店のオリジナル品です。
+【当店オリジナルのお茶について】
■紅茶
天日干しで仕上げた製法の紅茶です。
プーアール茶のように圧延して餅茶にしました。
采茶 3月21日
晒茶 3月22日
圧餅 5月14日
■一扇磨
一扇磨は地名です。
西双版納旧六大茶山のひとつ漫撒山(man sa)の一部にあり、ラオスとの国境をまたいで原生林の森が残っています。
詳しくはこちらをご参照ください。
+【一扇磨陰涼散茶2015年】
写真ページ
+【一扇磨 古茶樹】
このお茶の農地は昨年の秋に訪問しており、『茶想』の記事にしています。
+【一扇磨単樹A春の散茶2015年 その4.】
原生林の森に囲まれたサッカーグランドくらいの農地がポツンとあり、樹齢50年に満たない小茶樹から樹齢数百年になる茶樹が混生しています。
農地は東向きの斜面です。
午前中に太陽が当って、午後からは日陰になります。もともと日陰を好む茶樹にはとってはやさしい環境です。
茶樹は大小様々です。巨大な茶樹は「単樹」として特別に選り分けて采茶(茶摘み)されますが、それ以外の大小様々な茶樹は若葉が育ったものから順に采茶されます。若い小茶樹の茶葉も混じって古茶樹100%にはなりません。そのため、お茶の名前から「古樹」を外しています。
一扇磨の山には人家がありません。茶以外の他の作物は栽培されていません。近隣の村に引く生活用水はこのあたりを水源とするので、土壌汚染は許されません。農薬や肥料とはまったく無縁の自然栽培です。
■2016年の春
餅茶の包み紙に記している3月21日は茶摘みの日です。
2016年は2週間ほど春が遅れました。農暦から見ても1ヶ月ほど遅れた年でした。
西双版納の一年は乾季と雨季に分けられます。10月中頃から4月中頃までが乾季で、4月中頃から10月中頃までが雨季です。例年の春の旬は3月から4月中頃までですが、2016年は遅い春となったので、4月中頃から5月初旬にかけて茶摘みのピークが来ました。夏が近づき雨季の気配が濃くなる時期です。そのため、春の旬が短くなりました。
晒干(天日干し)の工程を重視するため、雨季が近づいて雲が多くなったり、ときどき雨が降るようになると、製茶の仕上がりがスッキリしない問題もあります。
ところが、茶樹は樹齢の古い大きなものほど、涼しい森の日陰で気持ち良く育つものほど、栽培に人の手が加わらないものほど、新芽・若葉の育つタイミングが遅くなる傾向にあります。気候の変化は日に日に進み、春から夏へ向かいます。
春の味をとるか、古樹の滋味をとるか。
2016年の春はこのどちらかの選択を迫られました。
2014年からテーマにしている森林の環境。茶樹の育つ周囲の広範囲にわたる生態環境が健康であること。このことは絶対外せない条件として、しかしながら春の味も欲しいので、このお茶『一扇磨紅餅2016年』では古茶樹100%をあきらめて、小さな茶樹の混ざることを妥協しました。
後から振り返ると、漫撒山一帯の古茶樹の初摘みのピークは4月20日頃でした。西双版納では4月12日からダイ族のお祭り撥水節(水掛け祭り)があり、夏がはじまります。気温が上がり雨が多くなり、春の味が薄れます。手元に集めたいくつかのサンプルをみても、そのような感じだったと思います。
■一天一采
2016年はすべて一天一采です。
ある一日に摘んだ茶葉で、ひとつのお茶を仕上げます。別の日に摘んだ茶葉を混ぜません。
茶葉の成長、その日の天気、日暦のめぐり、製茶時の気温や湿度、そしてお茶をつくる人の体調や気分。ある一日における「自然」が茶葉に宿ります。そのような変化があって、お茶の味が安定しないことを尊重しています。
「自然」ということの捉え方。ひとつの世界観があります。
このお茶『一扇磨紅餅2016年』は、摘みたての鮮葉5.4kgほど。製茶後に乾燥して1.3kgほどの茶葉です。茶葉の量が少なめだったこと、まだ雨の少ない時期で茶葉のもつ水分が少なめだったこと、夜の気温が低めだったことにより、軽発酵が浅く仕上がっています。その味については「品茶」で紹介します。
午後1時半頃までに采茶した鮮葉を使います。太陽の長時間当たっていない涼しい時間帯の風味が良いと考えています。午後からの萎凋(茶葉の水分を適度に蒸発させて揉捻・軽発酵の準備をする)の時間もたっぷりあり、より丁寧なお茶づくりができます。
2016年春のオリジナルのお茶は全部で14種です。
紅茶は8種あります。
一天一采では、紅茶づくりの要となる軽発酵のすすみ具合が異なり、8種8様の紅茶ができます。単純に軽発酵の進み具合だけを5段階に分けて採点してみました。
■晒青紅茶
手摘み・手揉み・天日干しで仕上げる紅茶です。
采茶の翌日3月22日の天日干し。
圧餅(圧延加工)後も天日干ししています。5月14日孟海県の工房にて。
■品茶
軽発酵の浅めの仕上がりで、若草のような鮮味がキリッと口当たり涼しく、夏の暑い日にも爽かなお茶です。
一扇磨の茶葉は甘い柔らかい香味と、眼の覚めるような茶気に特徴がありますが、このお茶にもそれは宿っています。
森の生態環境の健康は、お茶の味の透明感と水質の密度に現れます。透き通った清流をイメージするような茶湯が、スッと口に溶けて喉に消えます。水質はキメ細かく舌触りや喉越しは滑らかです。
この紅茶は高温で抽出する淹れ方が適しています。
中国茶によく用いられる蓋碗は高温の保温力がないため、あまり適していません。茶壺やコーヒー用のグラスポットなど保温力のある茶器をおすすめします。お湯は沸きたての熱々を、ちょっと静めてから注いでください。
当製法による紅茶は、長期熟成によってじわじわ軽発酵のすすむような変化がみられます。まるで果実が熟してゆくように、半年後、1年後にはもっと熟した甘い風味が楽しめるでしょう。保存は常温で乾燥を保つように心がけて、付属しているチャック付きのパックに密封保存してください。毎日飲む場合は、小分けした茶葉を別容器に保存したほうが乾燥を保ちやすいです。
1回分を3gで計算すると餅茶180gは90回分あります。
2017年2月20日 終了
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